事故多発中の韓国よりも危険? 北朝鮮が原発に手を出そうとしている

週プレNEWS / 2012年10月17日 17時0分

10月16日現在、今年だけで7回もの事故を起こしている韓国の原子力発電所。原発事故に対する危機感が強い日本人からすると、かなり危ない状態に見える。しかし、韓国の電力会社には危機感のかけらもなく、原発の管理体制はズサンで、腐敗も横行しているのだという。

韓国の原発産業事情に詳しいジャーナリストの程健軍氏がこう警告する。

「今年2月9日、点検中だった古里(コリ)原発1号機が12分間にわたって全電源停止しました。これは原発の冷却機能が完全に失われていたことを意味します。ところが、一歩間違えば隣国をも巻き込む大惨事になりかねなかったその重大事故は、なんと1ヵ月もの間、隠蔽(いんぺい)されていたんです。さらに、その後の事故調査の際には、部品の納入に関して複数の原発職員が最大数億ウォン(数千万円)の賄賂を受け取っていた事実が判明しています」

古里原発から日本の対馬までの距離はたった75kmで、本州の山口県の一部も200km圏内に入っている。偏西風のことを考えると、大事故が起これば日本への影響も避けられないだろう。

「そもそも古里原発1号機は、すでに設計耐用年数を超えています。『現在考え得るすべての部品を新品に交換し、限りなく新炉に近い状態で運転中』という説明がなされていましたが、2月の事故後の調査では、肝心の非常用ディーゼル発電機が30年前のままで、まったく動かないことが判明しました」(程氏)

一連の不祥事発覚を受けて、釜山市の古里近隣の住民もさすがに怒り、原発の廃炉や住民の集団移転を電力会社などに求めている。一方、そんな状況にもかかわらず、古里原発1号機は電力不足を理由に8月に再稼働した。ところが……。

「9月21日、古里原子力本部の現役職員2名が、勤務時間中に事務所で覚醒剤を使用した容疑で逮捕されました。彼らは、原発施設で発生した火災などに即応する消防隊の所属でした」(程氏)

万が一事故が起こったときには、冷却ポンプも動かず、消防隊員は覚醒剤でマトモな意識のない状態だったかもしれないわけだ。さらに、程氏は次のような危惧を明かす。

「韓国では不祥事を隠しても一応、最終的には表に出ますよね。それより気になるのは、どんな重大なことが起きても事故の存在自体が“なかったこと”になるであろう北朝鮮が原発に手を出そうとしていること。2014年の本格稼働を目指し、軽水炉型原発の建設を進めているんです」

北朝鮮が原発を持つ……。これほど近隣諸国にとって危険を感じる事態はない。

「北朝鮮の原発事業に従事しているのは、旧ソ連時代のチェルノブイリ型原発の技術しか持たない技術者たち。苦しい関連予算と乏しい知識のなかで生まれたオリジナリティあふれる技術と、西側諸国の厳しい輸出規制の網をくぐり抜けたメーカーや規格の一致しない部品による“未知の設計”が行なわれています……。また、『賢い中国人は中国製品を使わない』とよくいいますが、その中国製の発電用蒸気タービンが北朝鮮に輸出されているのも非常に気になるところです」(程氏)

朝鮮半島の原発事情は、北も南も不安がいっぱい。他国の電力供給問題に口を出すことはできないが、いざ事故が起これば巻き添えは必至。日本人は、国内だけでなく、海を挟んだ隣国の“危なすぎる原発”にも注視しておかなければならないだろう。

(取材・文/近兼拓史)



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