バンダイの企画開発担当者が明かす「カッコよすぎる『超合金』ができるまで」

週プレNEWS / 2012年10月27日 6時0分

「ぜひ手に取って、金属というマテリアルの強さを感じてほしいですね」と語るバンダイの田中宏明氏

1974年に初登場したフィギュア、それが超合金シリーズだ。あのズッシリした“重み”や“力強さ”に込められた思いとは? 企画開発担当者による制作秘話を大公開する!

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今年12月に、なんと全高30cmもある「DX超合金魂マジンガーZ」が発売予定とのことだが、そもそも“超合金”の由来って? 超合金ブランドを統括する田中宏明さん、教えてください!

「実は『マジンガーZ』の劇中で使われていた“超合金Z”から拝借した言葉なんです。つまり『DX超合金魂 マジンガーZ』は原点回帰であり、集大成でもある商品。構想10年、企画から2、3年かかった代物で、こだわりはやはり外装パーツを取り外すと内部構造まで再現されている点ですね」

アニメのエンディング曲で描かれていた内部のメカを作り込んだわけか! ハンパねぇ~!

「立体化したときに矛盾が生じないようにしなくてはいけないので、可動系が得意な職人さん、変形系や合体系が得意な職人さんなどに、設計図の前段階として構想図というものを描いてもらうことも多いんですよ」

それだけ慎重に進めても、試作品を作った段階で何回もリテイクすることがあるとか。

「ほぼ完成状態の物を作り直すこともしばしば。金属ならではの手に持った瞬間の重量感は、図面上やプラスチックの試作品ではわからないことですからね。加えて、金属の重みをきちんと支えられるか、関節はほどよい固さで遊びやすくなっているかなども大事なポイントです」

最終的にはアナログリテイクになると……一切妥協なしだ。

「『コン・バトラーV』もリテイクを繰り返しました。完全な変形・合体を実現する機構と、カッコいいプロポーションや広い可動範囲を同時に成立させるのはムリなんじゃないかと、開発過程で何度も頭を抱えて悩んでいましたからね(笑)」

昔と比べて可動範囲がかなり広がってますよね?

「確かに昔は股が開かず、膝も90度しか曲がりませんでしたが、今はさまざまなポージングができる可動範囲を実現していますね」

1990年代に放送された『勇者王ガオガイガー』や『勇者特急マイトガイン』のスパロボ超合金は、特にカッコいいポーズをビシバシ決められる印象が強い!

「そのロボのカッコよさを引き出す能力は当時実際に子供の目線で見ていた人が一番優れています。ですからその作品のリアルタイム視聴世代のスタッフを必ずひとりは入れてます。『マイトガイン』には通常バージョンの剣のほかに、パース(遠近法)をつけて扇状に広がった剣も付属させているんです。遠近法を使って剣を強調した劇中の決めポーズをどうしても再現したいと若いスタッフが提案してきたので採用したんですよ」

20代と40代のスタッフでも、同じ土俵に立って意見を交換しあえる激熱な制作現場の模様!

「人って本能的に金属に惹かれるところがあるし、特に超合金は男の子にとって強さのシンボルですよね。だからぜひ手に取って、金属というマテリアルの強さを感じてほしいですね」

世代を超えて今なお超合金がロボット玩具の象徴たりえる理由がわかった気がします!

(取材・文/昌谷大介 牛嶋健 照井琢磨 武松佑季[A4studio]) 撮影/高橋定敬)

●田中宏明(たなか・ひろあき)



1971年生まれ、静岡県出身。97年にバンダイに入社し、00年より企画開発担当。「超合金魂」シリーズのほか、過去には「ROBOT魂」「聖闘士聖衣神話」シリーズなども担当



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