人生を劇的に変える「4時間半熟睡法」

週プレNEWS / 2012年11月30日 9時0分

眠っているべき「睡眠のコアタイム」は、午前0時から6時までの間。どの時間帯に眠るかによって、体の回復度は違ってくる。4時間半熟睡法を行なう場合、午前1時に就寝し午前5時半に起床するのがベスト

忙しい日々を送る者にとって、睡眠時間の確保は悩みの種。スリープクリニック調布の遠藤拓郎先生は、そんな人のための短眠法「4時間半熟睡法」の提唱者である。

「人間は6時間半から7時間半寝るのが理想とされています。でも、実際にバリバリ働いているサラリーマンはそんなに寝ていられませんよね。そういう人たちに向けて、『7時間寝るのがいい』なんてキレイ事ばかり言っても、それは結局、使えない情報になってしまいます。実際に約8000人の患者さんを診察していますが、バリバリのサラリーマンのほとんどは6時間以下しか睡眠を取っていません」

それでは、短時間の睡眠で高いパフォーマンスを発揮するためには、どうしたらいいのだろうか?

「睡眠には、眠りの浅い、夢を見ているレム睡眠と、夢をほとんど見ない、深い睡眠のノンレム睡眠があります。人は、眠るとすぐに深い眠りに落ちていき、90分ほどするとまた浅い眠りに戻ってきます。眠りが浅いときに起きると、目覚めもよく、パフォーマンスも十分に発揮できます。だけど、レム睡眠は心のメンテナンスをする役割を持っていて、うつ病などの心の病を予防しています。ですから、レム睡眠もしっかり取りたい。ノンレム睡眠とレム睡眠をひとセットと考えると90分周期となります。つまり、90分の倍数の睡眠時間を取るのが効果的なのです」(遠藤先生)

そこで生まれたのが「4時間半熟睡法」なのだと遠藤先生は続ける。

「スイス・チューリッヒ大学のボルベイ教授がこんな実験を行ないました。『1週間のうち4日は4時間睡眠、残りの3日を8時間睡眠に戻す』という実験です。この実験の結果わかったのが、1日だけ通常の長さの睡眠をとれば、睡眠不足はリカバリーできるということでした。この実験結果を1週間のスケジュールに取り入れたのが、4時間半熟睡法です。やり方としては、一般的なサラリーマンの場合、平日はだいたい4時間半寝て、週末だけ6時間、7時間寝る。すると月曜日の朝にはすっきりした状態で仕事に取りかかれます」

休日に寝不足分をカバーするということだが、本当に4時間半しか寝ないで、体や仕事の能率に影響しないのだろうか。

「実は、僕も実際に4時間半睡眠をずっと、それこそ30年間続けていますが、体はどこも悪くありません。しかも、僕の場合は土曜日も仕事をしていますから、週に6日間は4時間半睡眠です。もちろん、『健康を維持している』ことが条件ではありますが、使える時間が増えるというメリットは大きいです。僕の場合、6時間睡眠に比べて毎日1時間半多く働ける。これを6日間だから、1週間で9時間、それがひと月だと36時間。仮に1日の仕事時間を12時間だとすると、月に3日分多く働いていることになる。1年だと36日。単純計算ですが、人よりひと月以上は、たくさん働けるようになる。いかに能力がなくても、1ヵ月多く働けたら、いろいろできるはず」(遠藤先生)

いいことずくめに思える「4時間半熟睡法」だが、気をつけなければいけないことがあるという。

「睡眠の“質”です。例えば、同じ4時間半でも午前1時に寝て午前5時半に起きるのと、午前4時に寝て朝8時半に起きるのとでは、全然違います。というのは、睡眠中に分泌される成長ホルモンが眠る時間帯に関係しているからです。成長ホルモンは、壊れた細胞を新しい細胞に変えてくれるため、体を健康に保つためには欠かせません。しかし、このホルモンは寝ついてから3時間の間に大量に分泌され、その後はほとんど出なくなります。。つまり、眠り始めの3時間をどこにもってくるかがとても重要です。できるだけ、夜12時からは大きく外れないように寝ることを心がけましょう。できれば夜中の1時には床に就くようにしたほうがいいでしょう」(遠藤先生)

あまり夜中まで起きていてはダメということか。

「実は、睡眠の質は起きる時間とも関係します。夜寝ている間の体のエネルギーを供給してくれるのがコルチゾールです。コルチゾールが体に蓄えられた脂肪やグリコーゲンをエネルギーに変えて生命を維持しています。そのコルチゾールが大量に分泌されるのが午前3時頃から。つまり、成長ホルモンとコルチゾールを十分に働かせるには、睡眠のコアタイムに4時間半をしっかりと当てはめなければいけません」(遠藤先生)

短い時間の睡眠でも気力や体力全開で毎日を過ごしたい人は、試してみる価値がありそうだ。

(取材・文/頓所直人)



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