2013年は“電気倒産”する企業が出現する?

週プレNEWS / 2013年1月3日 10時0分

日常生活を過ごす上では、節約すれば切り詰められる出費もあれば、どうしたって払わなければならない出費もある。この2013年、電気代の全国的な値上げは不可避だ。果たして値上げの幅は何%になるのか……?

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原発事故以降、相次ぐ値上げを断行する東京電力。それを追うように関西電力、九州電力も経済産業省に値上げを申請している。元経産官僚で慶應義塾大学大学院教授の岸博幸氏に電気代の値上げ予想をお願いした。

「2013年、電力料金は大変なことになります。すでに東京電力は震災前と比べて約2割は上がっています。残念ながら、2013年はほかの電力会社も2割はいかなくとも15%ぐらい上げてもおかしくはないでしょう。関電と九電の動きがほかの電力会社にも連鎖して、まず10%近く上がる可能性は大です」

さらに5%が上積みされるとしたら、その原因は何だろうか。

「問題は、新政権が打ち出す大胆な金融緩和です。緩和されれば、為替も円安方向に振れる可能性があります。そうなると、原発が動かない分、電力会社は石油や天然ガスの輸入コストが上がります。いまの電気料金の仕組みでは、関電と九電が申請している大幅値上げは経済産業省の審査、認可が必要ですが、いわゆる燃料の輸入代金が上がった場合、それにスライドして値上げするときには経産省の認可はいらないのです」

その結果、第1段階で10%、第2段階でさらに5%の値上げがあるかもしれないというわけだ。

「新政権が大胆な金融緩和を打って、デフレ克服を掲げて円安に振れれば製造業の輸出には有利になります。しかし、燃料を輸入する電力会社にはマイナス。そのマイナス部分のしわ寄せは家計にいくわけです。



そればかりか、製造業がせっかくの円安で輸出が好調になったとしても、電気料金の値上げで製造コストがかかり、利益を圧迫することも考えられます。デフレ克服のために大胆な金融緩和をするのはいいと思います。それと同時に電気料金の値上げをどう抑えるかが大事なのです。新政権はかなり微妙な経済運営をしなければなりません」

経済評論家の森永卓郎氏によれば、もっと大きな値上げ要因もあるという。

「東京電力の福島原発事故の賠償額は、いまの料金改定にはまったく入っていません。賠償は『奉加帳方式』といって、賠償総額4兆円のうち2兆円を東電が負担しますが、残りの2兆円を東電以外の電力各社が負担しなければいけません。それによる電気代の値上げはどれくらいになるのか。政府が出した数字では、原発を稼働しない場合だと電気代が最終的に2倍になります。原発を再稼働させても1.7倍にもなるんです。



このほか、2012年7月から再生可能エネルギーの買い取りが始まっていて、その買い取り代も電気料金に上乗せされています。しかも、いまものすごい勢いでメガソーラーが広がっていますからね」

2013年は、“電気”につぶされる企業が出るかも……。

(取材・文/頓所直人 興山英雄 釣本知子 明知真理子)

■週刊プレイボーイ1・2超特大合併号「2013年 モノの値段 アップ&ダウン」より



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