安倍内閣のキーマンは菅官房長官と飯島内閣官房参与?

週プレNEWS / 2013年1月15日 6時0分

自民党総裁選で安倍総理と決選投票まで争った石破茂幹事長。119人に及ぶ新人議員を“石破チルドレン”にしてしまえば、次期総裁の目も……?

デフレ脱却を掲げる“アベノミクス”で円安が加速、株価は連日上昇と、出だしから好調なスタートを切っている第二次安倍内閣。今後、内閣運営のキーマンとなっていきそうな人物は誰か? 2006年の第一次安倍内閣時に農水大臣を務めた松岡利勝氏(在任中に自殺)の大臣秘書官を務めた、池田和隆氏が解説する。

「筆頭は菅義偉さんでしょうね。彼を官房長官にしたのは最高の人事だったと思います」

池田氏は、こんなエピソードを紹介してくれた。第一次安倍内閣当時、松岡農水大臣が事務所費問題でマスコミの追求を受けていた頃の話だ。

「菅さんは総務大臣でした。当時、松岡本人は引責辞任してもいいと考えていたようですが、政権全体のことを考えると辞められなかった。きっとほかの自民党議員たちは、松岡のせいで政権の支持率が落ちたと思っているだろうと、深く思い悩んでいました。そんなとき、菅さんは松岡と別の派閥だし、特に仲が良かったわけでもないのに、突然事務所まで訪ねてきて、私には『いろいろとご苦労さまです。頑張ってください』と声をかけてくれ、松岡には『誰もあいつのせいで……なんて思っていないから。みんな応援してるから』と励ましていました」

その経験から、池田氏は菅氏を高く評価する。

「欲や嫉妬ばかりが渦巻く永田町で、菅さんみたいなタイプは稀有です。誰に対してでも言うべきことは言うし、上にも下にも気も使う。組織の調整役である官房長官には適任だと思います」

また、政権の知恵袋役を担う内閣官房参与の人選も、その政権が目指す方向性が見えてくるので非常に重要だ。例えば、10年で200兆円規模の「国土強靱化基本法案」を描いた張本人、京大大学院教授の藤井聡氏がいる。彼を起用したということは、やはり以前の自民党のように地方へのバラマキを再開するということだろうか。

自民党議員として都議と市議を務めた、政治アナリストの野田数氏が断言する。

「そういうことです。全国各地の政治家たちが、自らの選挙区に利益を誘導するべくシノギを削る、昔の自民党政治に逆戻りするだけです。国土強靱化計画のもとで公共事業を乱発すれば、特定の業界は当面潤うでしょう。ただ、その財源は借金です。すでに1000兆円以上もある国の借金はどこまで膨らむのか……。安倍さんは金融緩和をし、物価も収入もアップさせて消費を増やして景気を回復させようという算段でしょうが、日本人は借金に耐えられない民族なんです。借金してまで消費しようという外国人のような気質ではない。だから借金が増えれば消費どころか貯蓄傾向がより強まると思います」

さらに内閣官房参与で注目されるのは、小泉首相時代の秘書官、飯島勲氏だ。元自民党の大物国会議員、M氏はこの人事をこう分析する。

「安倍クンはおそらく、飯島クンに“安倍チルドレン”の取りまとめを期待しているのだと思う。今回の選挙で119人もの新人議員が当選した。小泉元首相が“小泉チルドレン”たちを支配下に置けたのは飯島クンのおかげなんだ。もし、党内のことだからと新人議員たちの教育を石破クンに任せたら“石破チルドレン”にされてしまい、安倍クンの足元を揺るがす勢力になってしまう。ほかの派閥に持っていかれるのもマズイ」

M氏によると、安倍氏の不安要素は自民党内にあるという。

「安倍クンは所属する町村派のボスである町村クンとも総裁選で戦ったから亀裂が入っているし、実は党内基盤が脆弱なんだよ。でも首相時代の小泉クンも同じく党内基盤は弱かった。それを郵政解散総選挙で当選した大量のチルドレンたちを自らの傘下に収めることで盤石の態勢をつくった。それを狙っているんじゃないかな」

第二次安倍内閣の命運は、彼らにかかっているのかもしれない。

(取材・文/菅沼 慶、撮影/井上太郎)

■週刊プレイボーイ3・4合併号「安倍新政権が抱えるこれだけの火種」より



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