自民党政権の命運を握る「4月~6月期」経済成長の秘策とは?

週プレNEWS / 2013年1月18日 11時0分

政府は1月15日、緊急経済対策を盛り込んだ総額13兆1000億円の2012年度補正予算案を閣議決定した。衆院の絶対安定多数を自民・公明党で確保しているので2月中には通常国会で成立する見通しだ。

とはいえ、2013年度の本予算には不安要素もある。財務省のキャリア官僚、S氏が解説する。

「本来の政治スケジュールでは、12月末には来年度本予算案が閣議決定されていないといけない。それを年明けすぐに開かれる通常国会で議論し、2013年3月末までに成立させるというのが通常の流れです」

現状では、このスケジュールが大きく遅れてしまっているのだ。

「補正予算案が成立してから審議入りするのですから、3月末までに成立させるのは無理です。となると4月1日からの新年度の予算が執行できなくなってしまう。例えば公務員の給与が1円も出なくなってしまいます。なので“つなぎ”の暫定予算を3月までに成立させ、本予算は5月上旬くらいまでに成立できればという流れになるでしょう」

これが、2014年に予定されている消費税増税に影響するのではないかと言われている。S氏によると、増税を決める判断材料は今年の「4月~6月期」の経済成長率であるため、本予算の成立が遅れると、この時期の経済成長率に悪影響を及ぼす可能性があるからだ。安倍内閣には、何か秘策があるのだろうか?

「心配無用です。国会議員という人たちは、自分たちの痛みが伴う一票の格差問題などは何年かかっても決められないのに、予算に関することは利権そのものなので、休みなく働き、スピーディに物事が動きます。まず、来年度分の本予算に予定されていた事業のうち、足の速いものや被災地復興に関する事業を補正予算のほうに盛り込む。それによって空いたスペースに、麻生政権が行なって一定の効果があったエコポイントやエコカー補助金のようなものを盛り込んでくると思います」

景気に即効性のある事業や補助金制度を詰め込むことで、当面の経済成長率を上げるつもりだというのだ。

「補助金の対象となる業種は、やはり自動車、住宅、家電などが本命ですね。安倍さんは経済諮問会議を復活させると明言しています。そのメンバーは経団連などに所属する大企業のトップたちが名を連ねますから、彼らの業界に補助金を回すに決まっています。いずれにせよ、政治日程は遅れるものの、景気を刺激する各種政策が間断なく繰り出されるので、『4月~6月期』の経済成長はある程度達成できると思いますよ」

確かに、短期的には日本経済は成長し、名目上の景気は上向く可能性が高そうだ。しかし補正予算も本予算も、そのうち約半分は、国債や公債を発行して捻出する借金。好景気が中長期的に持続し、国民の所得と国の税収が上がらなければ、結局は消費税を上げるために借金が増えただけという、笑えない結末になる可能性も十分に考えられるのだ。

(取材・文/菅沼 慶)



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