「デス・スター」再現に必要なのは“約7580京円”?

週プレNEWS / 2013年1月25日 9時0分

米政府には1ヵ月間に2万5000人以上の陳情署名が集まれば、公式に回答すべしというルールがある。その陳情を受け付けているのが、ホワイトハウスが運営するサイト『We the People』。

その陳情受け付けサイトで1月13日、トンデモ回答が公表された。そのタイトルは、「デス・スター建設のための資源や資金を確保し、2016年までに建設を始めるべきとする請願へのホワイトハウスからの公式回答」。

ちなみに、デス・スターとは映画『スター・ウォーズ』の第1作目(77年)と第3作目(83年)に登場する銀河帝国の巨大宇宙要塞のことだ。

そのサイズは直径120kmで、乗員は約100万人。地球大の惑星を一撃で破壊する「スーパーレーザー」を装備しているのに、反乱軍の宇宙戦闘機に乗り込んだルーク・スカイウォーカーに、プロトン魚雷を1発打ち込まれただけで、あっけなく爆破されてしまったというシロモノである。

はっきり言ってこの請願、スター・ウォーズファンによるおふざけ陳情にすぎないのだ。

ところが、そのおふざけにきっちりと答えるのだから、ホワイトハウスはイカしている。

まず、「デス・スター建設の計画はない」と請願を却下した上で、以下の理由を列挙してみせた。

(1)デス・スターの建設費は85京ドル(約7480京[けい]円、「京」は「1000兆」の1ケタ上)以上と推定される。政府は財政赤字の削減に努力している。

(2)政府はひとつの惑星を吹き飛ばすことを支持しない。

(3)ひとり乗りの宇宙戦闘機1機で破壊できる致命的弱点を持つデス・スターに巨額の税金を費やせない。

そして、3万4435人の請願署名者に向け、「あなたがたが科学、工学、数学などの仕事に就いているならば、フォースの加護があらんことを!」と、結んでいる。

なんともウイットに富んだ公式回答だ。科学に詳しい評論家の唐沢俊一(からさわしゅんいち)氏が笑う。

「この陳情受け付けサイトはどんな請願でもきちんと回答するんです。以前も『UFOと政府の密約はあるのか、答えてほしい』という請願に、『UFOは存在しない』と大まじめに回答していました」

ところで、85京ドルというデス・スターの建造費は、どのように弾き出されたのか?

実はこの金額、デス・スターを鉄だけで作ったと仮定したときのコストだったのだ。試算したのはペンシルベニア州にあるリーハイム大学の学生たち。

それによると、デス・スター建造に必要な鉄は1080兆t。現在の技術ではこの量の鉄を掘り出すのに、83万年以上かかるのだとか。そりゃ、85京ドルも必要になるわけだ。

ただ、実際にはもっと巨額の費用がかかる。

「デス・スターを作るため、鉄などの資材を宇宙空間に打ち上げる費用も莫大です。とてもじゃないけど、85京ドルでは足りないはずです」(前出・唐沢氏)

確かに宇宙空間に1tの物資を運ぶには、9500万ドル(約83億6000万円)が必要というデータもある。つまり打ち上げコストは鉄1080兆t×9500万ドルに膨らむわけだ。

鉄だけじゃない。人も宇宙空間に運ばないといけない。ジャーナリストの近兼拓史(ちかかねたくし)氏が続ける。

「アメリカで宇宙飛行士をひとり宇宙に送るコストは約20億円。デス・スターを完成させるには10万人規模の人員を最低でも20年間送り続けないといけません」

となると、デス・スターの本当の建造コストは―う~ん、巨額すぎてとても計算しきれない!

これじゃ、オバマ政権が「フォースの加護があらんことを!」と、ちゃめっ気たっぷりに請願を却下するしかなかったのは当然かも。



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