アフリカ全土にアルカイダは潜伏している

週プレNEWS / 2013年2月6日 19時0分

イギリスのリスク評価会社メープルクロフト社が毎年、世界の危険な国をランクづけして発表している。ところが、日本人10名を含む37名の犠牲者を出したアルジェリアにしても、フランスが軍事介入しているマリにしても、昨年までは“最も危険な国”にすら分類されていなかったのだ。

その理由を日本企業の人材を海外でサポートする危機管理会社、ワールド・プロ・ヘルプ(WPH)の中村紘代表が解説してくれた。

「世界中に情報網を張り巡らせている一流のリスク評価会社でさえ、国際テロ組織がどこに拡大するかを予測するのが極めて難しいことを意味しています。国際テロが起きる条件はふたつです。まだ先進国の仲間入りを果たしていない国であること。組織の人間が簡単に入国できるからです。ふたつ目が、資源が豊富な国であること。アルジェリア人質事件のように取引材料として利用するためです」

こうした条件が重なるのが、マリやアルジェリアといったアフリカ北部の国々なのだ。

「当面はアフリカ北部のテロが脅威となることは確かです。アフリカの資源がある国には、日本の企業が進出しているので、今後もアフリカのどこかで日本人がテロの標的になる危険性は高い」

現在、アフリカ54ヵ国のうち3分の1ほどの国で、内乱が続き政情が極めて不安定な状態にある。テロ組織からすれば、簡単に入り込むことができる国というわけだ。

「アフリカの東側では、すでにイエメンからソマリアにテロ組織が流入し、エチオピア、ケニアへと渡っている。アルジェリア事件のためにアフリカ北部が注目されていますが、もうアフリカ全土にアルカイダが進出している可能性が高い」(アフリカ情勢に詳しい全国紙記者)

実際、日本から遠く離れ、海外で働く日本人に話を聞いた。総合商社勤務のAさん(32歳)は、ケニアに駐在して半年。ケニアでは、一昨年末、ソマリアとの国境地帯で、武装集団による白人女性拉致事件が発生したり、首都ナイロビでもテロ事件が頻発している。

「車で移動中、自動小銃を持ったふたりの男に車を止められました。最初は政府軍かと思ったんですが、よく見ると迷彩服が政府軍のものじゃないんです。現地人ドライバーが交渉している間も銃口はこちらに向いていて、もしかしてヤバイかもしれないと、ようやく気がつきました。結局、100ドルで話がついて解放されましたが、どっと汗が噴き出しました」

多くの国立公園が世界遺産に指定され、豊かな自然を残すアフリカ。そのすぐそばで、人間同士の争いが絶えないのは皮肉なものだ。

(取材・文/鈴木英介)

■週刊プレイボーイ7号「ヤバすぎる最新危“嫌”国事情」より

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