格差社会の食生活で若者の“オヤジ化”が加速している

週プレNEWS / 2013年2月26日 16時0分

20代から40代という働きざかりの男性は、睡眠不足や過労、暴飲暴食などが重なっても、まだ体力があるから大丈夫だと思い込んでいることが多い。そんな油断した現役世代の男たちに、突然降りかかる不慮の死。その原因について、奥仲哲弥医師(山王病院副院長・呼吸器センター長)が、次のように指摘する。

「収入の少ない若い世代が、ファストフードや菓子パンを主食にしていることも大問題ですね。これにスナック菓子と甘味飲料を加えた食生活を続けていると、すぐにでも糖尿病予備軍になりそうです。30代ですでに血管が狭まり、若年性心筋梗塞や脳梗塞になる危険もあると思います」

自分は太っていないから大丈夫、というわけでもないらしい。

「ハンバーガー1個でも、体には余分な脂肪がたくさんたまります。痩せ型でコレステロール値が低くても中性脂肪値は異常に高い、という人もいるんです」(奥仲先生)

糖分や脂肪分過多の食事を続けることは、自分の体年齢を無理やり引き上げ、倍速の速さで“オヤジ化”の道を進むことになる。しかも、こうした食生活はメンタルにも悪影響を及ぼすようだ。

「すぐエネルギー源になる糖分が、今の日本にはあふれていますよね。それを制限なく取り続けていると、若いうちはすい臓が元気だからたくさんインスリンが出ます。細胞がそのインスリンの力で血液から糖分をどんどん引き入れるので、逆に低血糖になってしまう。これがひどくなると、抑うつ状態になります。若い人のうつ症状には、このタイプも少なくありません」(本郷赤門前クリニック院長・吉田たかよし医師)

さらに血糖値が低くなることで、抑うつ状態だった人が、急に暴力的になることがある。これは脳が命の危険を感じ、力ずくでも周囲の人から食べ物を奪おうとする原始的な本能なのだと、吉田先生は言う。無気力人間が突如凶暴化するときは、こんなメカニズムが脳に働いていたのだ。

では、この現代社会で心身の健康を保つにはどうすればいいのか。

奥仲先生が勧めるのは、コンビニで菓子パンの代わりに「独居高齢者向けお総菜」をチョイスする方法。生活習慣病の予備軍入りをする確率がぐっと減るという。

「最近は『健康』をキーワードにして品ぞろえをしている店もあるので、カロリーを確かめながら買うと楽しめると思う。20代、30代から少しずつ体にいい生活習慣をつけていくと、高齢者になったとき大きな財産ができていますよ」

30歳を過ぎたら、自分の体の情報収集も必要だ。血液検査をしたら、コレステロールや中性脂肪値ぐらいはチェックしておこう。

同じ症状がいつまでも続くようなときは、早めの受診も大切だ。馳澤(はねざわ)憲二医師(昭和大学横浜市北部病院放射線科准教授)が言う。

「若い人は会社を休んで病院に行くことに抵抗を感じるようですが、それで手遅れになるケースもあります。半年も胃の痛みを抱えながら、仕事の都合で受診が遅れた30代男性が、末期の胃がんを宣告された例もあるのです。若いからといって重い病気にかからないわけではありません」

若くして「命」に関わりかねない病気を患わないためには、定期的な受診が必須なようだ。

(取材・文/本誌ヘルスケア班)

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