3連覇を逃した侍ジャパン。キーマン・井端をヤル気にさせたヤクルト・宮本からの電話

週プレNEWS / 2013年3月18日 14時1分

侍ジャパンを引っ張った井端。大会前は選手のまとめ役に徹しようとしていた彼を奮い立たせた、一本の電話とは?

侍ジャパン、WBC3連覇ならず—。

18日(アメリカ現地時間17日)に行なわれた準決勝で、日本代表は大会初対戦となるプエルトリコ代表に1対3で敗れ、敗退が決まった。先発の前田健太(広島)らが相手の強力打線を辛抱強く抑えつつ援護を待ったが、打線が好機でかみ合わず凡退。8回、ようやく連打で1点を返すも、走塁ミスもあって侍ジャパン本来の粘り強い姿を見せられず、初の決勝ラウンド進出で勢いに乗るプエルトリコに苦杯を喫した。

思わぬ苦戦を強いられた第1ラウンドから、最後までかみ合わなかった侍ジャパン打線。だが、第2ラウンド第2戦・台湾戦での激勝は、悪い流れを変える転機となるかと思われた。敗戦ムード漂う9回表、2盗を決めた鳥谷敬(阪神)が、井端弘和(中日)のライト前ヒットで生還。そして10回の逆転へとつないだ。この勝利を境に、侍ジャパンは波に乗ったといえる。

この第2ラウンドでMVPとなったのが、プエルトリコ戦でも唯一の得点となるタイムリーを放ち、大会を通じて存在感を発揮した井端だ。ベテランのユーティリティープレーヤーとしてチームに欠かせない選手ではあるが、決してチームの中心といった存在ではない。

だが、「キャッチャー・4番・キャプテン」という重責の阿部慎之助(巨人)に代わり、試合前の練習やベンチ裏でチームのまとめ役・若い選手の聞き役になっていたのが、この井端なのだ。

「順位決定戦となった2度目のオランダ戦の前には、不振の長野久義(巨人)とマンツーマンで話してたね。遠くて内容は聞けなかったけど、どうも技術的なやりとりをしていたようなしぐさだった。その試合で長野は5打点だから、やっぱり井端の存在は大きいのかも」(記者C)

その井端だが、大会前にある選手から電話をもらっていたという。

「井端は今大会に期するものがあったようです。代表入りが決まった昨秋、井端は山本監督から『いろいろ面倒見てやってくれ』と言われていた。つまり、当初は控えとして若手をサポートする役割を本人も考えていたわけです。ところがその後、ヤクルトの宮本慎也から電話があって、『絶対におまえが必要になるときが来る。控えの意識を捨てて、スタメンを奪うつもりで自主トレからやれ』とハッパをかけられたそうですよ」(記者A)

宮本がハッパをかけた理由は、2008年の北京五輪にあった。

「宮本は主将を任された北京五輪で、責任逃れに走る星野監督と、シラけてしまった西岡、川﨑ら若手との間に入って苦労した経験がある。井端は当時、それをすぐ近くで見ていましたから。これは想像の域を出ませんが、おそらく井端は若い選手たちに『首脳陣は首脳陣。俺たちは頑張ろう』と言い聞かせている気がする」(記者B)

日本代表という、各球団の中心選手が集まったチームでは、なによりも結束力が大事。そのことを誰よりも理解していた井端は、プレーだけでなくベンチ裏でも率先してチームを引っ張っていたというのだ。

ベテラン、中堅、若手がひとつになった侍ジャパンは、“史上最弱”とも揶揄された下馬評を覆し、3連覇まであと一歩のところまで上り詰めた。準決勝敗退とはいえ、日本の野球ファンはその戦いぶりに拍手を持って、選手達の帰国を迎え入れることだろう。

(写真/益田佑一)

■週刊プレイボーイ13号「WBC侍ジャパン『迷走』と『覚醒』の舞台裏」より

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