文具王・高畑正幸が語る、万年筆を使う理由

週プレNEWS / 2013年3月20日 18時0分

上がボールペン、下が万年筆。ヘタクソは変わらないが、万年筆の場合、筆跡の情報量は圧倒的だ

手軽で便利なメール時代だからこそ、ここぞというときには直筆の手紙で心を伝えたいもの。そしてせっかく手紙をしたためるならば、普通のボールペンでは味気ない。筆跡にはっきり濃淡が出る万年筆は、字が汚い人にとっては救世主ともいえる。“文具王”の高畑正幸氏が、万年筆の魅力について語る。

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文字を記す場合、メールのテキストから、ボールペン、万年筆、そして毛筆とさまざまなツールがある。その中のどの道具を使うかによって、その字の“価値”が変わってくる、ということは多くの人が同意してくれると思う。

例えば、テキストデータは最も価値の軽い部類に入る。誰でも同じ文字を打つことができるからだ。シャープペンだと、その人のクセが字に現れる。しかし、消すことができるから重要書類には決して使われない。

これがボールペンになると、消せないため、不可逆性が生まれる。さらに万年筆では、筆跡の濃淡や文字の太さに違いが出るため、書いた人の状況やその人らしさをより強く表現する。

今の日本では、200円も出せば世界最高品質のボールペンが手に入る。だからといって、ノートに走り書きをするときも、手紙を書くときも、同じペンでは味気ない。万年筆を使うことの意味は、そういうところにあったりする。

(取材・構成/頓所直人[GREEN HOUSE] 撮影/下城英悟[GREEN HOUSE])

●高畑正幸(たかはた・まさゆき)



1974年生まれ、香川県出身。文房具評論家。『TVチャンピオン』(テレビ東京系)で文房具通の王の座に。文具メーカーに勤務ののち、現在は独立

■週刊プレイボーイ13号「ウンチク語りたがり男のためのペン図鑑」より

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