定額音楽配信サービスはスタンダードになるのか?

週プレNEWS / 2013年3月20日 6時0分

“月額980円で100万曲聴き放題”がウリの「レコチョクBest」開始で、音楽の聴き方が変わる?

着うたや音楽ダウンロードを主軸としてきたレコチョクが“月額980円で100万曲聴き放題”というサービス「レコチョクBest」を3月4日に開始し、音楽ファンを中心に話題を呼んでいる。

レコチョクはレコード会社が共同出資して運営している会社。これまでも定額での聴き放題サービスは存在していたが、CDの売り上げに影響するとして、参入には消極的だった。では、なぜこのタイミングで定額配信に踏み切ったのか?

ネット配信に詳しい、音楽ビジネスコンサルタントの榎本幹朗(みきろう)氏が解説する。

「スマホが普及して以降、レコチョクなどの着うた売り上げはピーク時の半分以下まで落ちてしまい、ダウンロード販売も思ったより伸びていない。もはやジリ貧と、重い腰を上げざるを得なくなったんです。海外ではここ数年で定額配信分野が急成長しています。欧米圏で展開しているSpotify(スポティファイ)は約2000万人、アメリカのPANDORA(パンドラ)は約6000万人が利用し、最もアツい音楽サービスとして注目を集めています」

ようやく日本もこの波に乗り始めたという構図だが、現状、日本の定額配信は大きく分けてふたつのタイプがある。

ひとつは膨大な曲の中から好きな曲を自分で選ぶ“聴き放題型”で、レコチョクBestはこのタイプ。もうひとつは、J−POPやロックなど、ジャンルを選ぶとサービス側の選んだ曲が流れてくる“ラジオ&有線放送型”。どちらもネットに接続してストリーミングで聴く形式だが、聴き放題型の多くは曲をスマホにダウンロードでき、契約期間中はオフライン状態でも聴ける。

便利なサービスであることは間違いなさそうだが……。イチ早くレコチョクBestを体験した、音楽ライターの柴那典(しば・とものり)氏が語る。

「100万曲以上取りそろえているということですが、旧譜に関してはそれなりに充実してますね。“90年代ドラマ主題歌”など、テーマごとにまとめられたプレイリストもあるので、思い出の曲にひたるような使い方には向いていますね」

CD全盛の時代を知る人には、たまらないサービスというわけだ。

「ただし、聴き放題型すべてに言えることなんですが、邦楽の新曲がほとんど聴けないんです。ラジオ・有線型には新曲チャンネルもありますが、自分で曲を選べず、聴きたいときに聴けない。CDの売り上げ減少を心配するレコード会社が、配信の許可を渋っているのでしょうね」

長らく氷河期時代と呼ばれてきた音楽業界。定額配信サービスが起死回生の一手となるためには、新譜の配信方法の改善がカギになりそうだ。

(取材・文/タナカヒロシ)

週刊プレイボーイ13号「徹底比較 定額音楽配信サービス 入るならココ!!」より

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング