「中小企業金融円滑化法」の期限切れで、倒産する企業が続出する?

週プレNEWS / 2013年3月21日 12時0分

リーマン・ショックの影響で激増した企業の倒産件数が、「中小企業金融円滑化法」で減少したのは明らかだ。それだけに、期限が切れた後のことを想像すると……

リーマン・ショック後の経済危機下にあった2009年当時、金融担当大臣だった亀井静香氏が時限立法のかたちで推進した平成の徳政令「中小企業金融円滑化法」が、今月末で期限切れを迎える。

この法律を簡単に説明すると、経営が厳しい中小企業が抱える借入金の返済期限延長や金利減免などの措置を、銀行などの金融機関に対し“半強制的に促す”内容。この効力が失われた途端に、大量の中小企業が倒産すると予想されている。

東京商工リサーチが全国407の金融機関に対して行なった調査によると、「中小企業金融円滑化法」に基づいて融資の返済猶予などを申し込まれた件数は、2012年9月時点で実に390万件以上もあり、金額にして106兆円を超える。

それに対し、返済期限の延長や毎月の支払いの減額、金利の減免などの返済条件の変更が実行されたのは約363万件で、金額にして約99兆5600億円。その実行率は金額換算で93.8%と異常に高い。この特別措置のおかげで経営状態が回復した企業はいいが、問題なのは“不良債権予備軍”の企業がどれくらいの割合で存在するのかということだ。

東京都産業労働局金融部が、昨年秋に都内の中小企業1万社を無作為抽出して行なった調査データがある。その中の「金融円滑化法終了による経営への影響」という質問に対する回答は驚くべきものだった。

「特に影響はない」と回答した企業はわずか12.4%で、「経営継続が困難となる」と答えた企業が48.4%にも上ったのだ。この割合を上記の融資条件変更が実際に行なわれた総額である99兆5600億円に掛けると、約50兆円にも達する。債務返済不能に陥る確率の高い“不良債権予備軍”は、莫大な規模なのだ。某外資系金融機関のエコノミスト、T氏が分析する。

「融資条件を変更した企業のうち、半数近くが経営困難になると回答したのは衝撃的な結果です。ただ、これらがすべて不良債権化するわけではありません。返済期限の延長や、毎月の支払額を減らすといった内容の条件変更をした企業の場合、経営状態が回復する可能性も十分に残されています。本当に深刻なのは、金利の減免や債権カットの措置を受けている企業です。これらはかなりの確率で不良債権化する恐れがあると考えていいと思います」

帝国データバンクが昨年末から年明けにかけて全国約2万3000社を対象に調査したデータによると、「中小企業金融円滑化法」を利用して融資条件の変更を受けた企業のうち、債権カットや金利の減免の措置を受けた企業の割合は計14.6%であった。

この数字を上記の99兆5600億円に掛けると、約14兆5000億円。これだけの不良債権が一気に噴出すれば、大型の補正予算を組んで行なう景気刺激策の効果などあっという間に吹き飛んでしまう。

好調に見える「アベノミクス」だが、砂上の楼閣にすぎないのかもしれない。

■週刊プレイボーイ13号「アベノミクスが日本経済を地獄に突き落とす!!」より

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