『究極!! 変態仮面』実写映画化を祝し、伝説のマンガ家・あんど慶周 登場!「こんな時代だからこそ、自分に素直に生きるべきだ!」

週プレNEWS / 2013年3月23日 6時0分

伝説の“お下劣ギャグマンガ”が奇跡の実写映画化! 作者・あんど慶周先生が作品誕生秘話から“消えた”理由まで激白する!

かつて、その強烈なキャラクターとお下品なギャグで世の子供たちを熱狂させた“記録”より“記憶”に残るマンガ『究極!!変態仮面』が、まさかの実写映画化! 週プレはこの究極の変態ギャグを生んだ伝説のマンガ家・あんど慶周とのコンタクトに成功。現代(いま)にも通じる熱きメッセージを聞け!

■すべては“おいなりさん”から始まった!

―あの『変態仮面』が映画化されると聞いて驚きました!

あんど ボク自身が一番、驚いてます。だって、『週刊少年ジャンプ』に連載されていたといっても『るろうに剣心』みたいに売れてたわけじゃないし(笑)。しかも、ものすごい役づくりをしてまでこの変態仮面を演じたいっていう役者がいたことが、また素晴らしいよね。

―主演の鈴木亮平さんのことですね。彼を推薦した小栗旬さんが、もともとマンガの大ファンだったことで、映画化が実現したとか。

あんど そう。あれは2009年だったかな。ボクは小栗くんのことをまだあまり知らなかったんだけど、彼がラジオのゲストに呼んでくれて。そのときから、「鈴木亮平っていうイキのいいヤツがいるから、彼で映画化したら面白い」って言ってましたね。

―その後、発売されたコミック文庫版第5巻に、このときのラジオ出演の模様がマンガになって収録されていますね。ただ、その内容は……ラジオの現場に乱入した変態仮面が、小栗さんの女性マネジャーのパンツをかぶるなど、相変わらずやりたい放題!

あんど 一応、先方の許可は取ってますよ(笑)。この文庫版は小栗くんのファンがたくさん買ってくれたみたいで、一時はAmazonの「関連商品」が小栗くんのDVDばかりになってました(笑)。

―自分の周りにも、この作品を好きな女のコがけっこういます。

あんど 意外といるみたいね。ボクは単にギャグマンガとして描いていたんだけど、女性は変態仮面の肉体美にドキドキしながら読んでたみたい。ボクらが親に隠れてコソッと永井豪先生の『けっこう仮面』を読んでいたような、秘めたる楽しみという感覚なのかな。



―ちなみに、“おいなりさん”を強調したブリーフ姿で戦う主人公の設定は、先生が小学生のときに考えたものだとか。

あんど ええ。3、4年生の頃ですね。当時、兄とブリーフを引っ張り合って遊んでいたんです。ボクはその頃の記憶を頼りに、単純に笑えるマンガを描こうと思ってあの主人公をつくったんですよ。だから、自分のなかでは何も“変態お下劣マンガ”をやろうと思って描いてたわけじゃないんです。

―でも、頭にパンツをかぶってSM的な“変態秘奥義”で悪者をお仕置きするヒーローなんて、100パーセント変態じゃないですか……?

あんど いや、あくまで最初に頭にあったのは“おいなりさん”です。ただ、「こんな格好で戦うヒーローって、どんなヤツだ?」と想像をふくらませた結果、SM嬢の母親に育てられ、頭にパンツをかぶることで覚醒する、変態そのものになっちゃったんです(笑)。すべては“おいなりさん”を描きたいがための設定なんですよ!

 





―なんだか“おいなりさん”がありがたいものに思えてきました(笑)。当時は全国の小学生が「変態仮面ごっこ」をして遊ぶなど、大ブームになっていましたね。

あんど ブリーフを無理に引っ張って、親に怒られたりね(笑)。ただ、週刊連載をしていた頃は締め切りに追われて必死だったから、そういう周囲の反応を知る余裕もなかった。一番、手応えを感じたのは、ジャンプ本誌のアンケートで4位になったときかな。

―それはスゴい! 当時はジャンプの“黄金時代”。『ドラゴンボール』『SLAM DUNK』『幽☆遊☆白書』という無敵のトップ3が君臨するなか、それに続く4位に食い込むとはっ!

あんど ふふふ(笑)。でも、連載中は「見開きに最低ひとつはギャグを入れる」みたいな濃い密度で毎週描いてたんで、とにかくヘトヘトでしたね……。

■“消えたマンガ家”と呼ばれて……

―意外なことに、この作品の連載期間はたった1年なんですね。

あんど ええ。おそらくアンケートが悪くて切られたんじゃないかと思うんですが、正直、終わったときは「やっと、この生活から抜け出せる!」とホッとしました。

―その後、今に至るまで連載作品はナシ。あんど先生は“消えたマンガ家”と言われたりもしましたが……。

あんど 確かに、連載終了後はしばらくのんびりしてたんだけど、ちょっとのんびりしすぎたかな(笑)。ただ、マンガをやめたわけじゃなかったんですよ。いくつもいくつもネーム(マンガのコマ割りや構図などを描いた設計図的なもの)を作って、編集部に持っていってましたから。それでも連載が取れなかったのは、結局、ボクがいいネームを描けなかったということです。それで、ボロボロになって名古屋に帰ったのが31歳のとき。それからは、たまに読み切り作品を描かせてもらったり、イラストの仕事をしています。

―しかし、まだまだ先生のなかで、変態仮面は死んでいないんじゃないですか?

あんど もちろん! マンガを描くのは大好きですからね。映画化に合わせ、『ジャンプSQ.』5月号に変態仮面の新作が載ります。

―実は大人になってから読み返してみると、この作品の主人公は、人助けをしているのに「変態だから正体を明かせない」という哀しい宿命を背負っているように感じます。

あんど それはボク自身の抱くヒーロー像が反映されているんでしょう。ボクは石ノ森章太郎先生の『仮面ライダー』世代なので、ヒーローとは“哀しみを背負うもの”だと思っているんです。だから、この作品はボクにとっては純粋なヒーローマンガ。そこにギャグ要素を入れたら、こんなお下劣マンガになっちゃったワケですが(笑)。

―こういうストレートなお下劣ギャグや勧善懲悪の物語が、どんどん少なくなっていく今の世の中で、再び変態仮面から学ぶことといったらなんでしょう?

あんど みんな、もっと素直に生きてもいいんじゃないか、ということですね。こんな複雑な時代だからこそ、変態仮面じゃないけれど、もっと本来の自分自身をさらけ出してもいいと思いますよ!

(取材・文/西中賢治 撮影/高橋定敬)

●あんど慶周(けいしゅう)



1969年生まれ、愛知県出身。89年、ギャグマンガの登竜門・赤塚賞で佳作を受賞し、92年より『週刊少年ジャンプ』にて『究極!!変態仮面』を連載。1年余りで打ち切られるも強烈なインパクトを残し、伝説の作家となる

■映画『HK/変態仮面』



紅游高校拳法部員の色丞狂介は、転校生の姫野愛子にひと目ぼれする。ある日、愛子が銀行強盗に巻き込まれ、狂介は覆面で変装して強盗を倒そうとするが……。究極の過激ギャグマンガが奇跡の実写化! 出演・鈴木亮平、清水富美加ほか。脚本協力・小栗旬。4月6日(土)より東京・新宿バルト9にて先行公開、4月13日(土)より全国ロードショー公開予定

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