局地挑発でも米軍の介入が可能に! ますます心配になる北朝鮮の“逆上暴発”

週プレNEWS / 2013年4月3日 9時0分

日本の主要メディアの扱いは小さかった。しかし、これは隠れた“重大ニュース”だ。

北朝鮮側の激しい挑発が続き、緊迫の度合いを増す朝鮮半島情勢に大きな動きがあった。3月24日、在韓米軍司令部と韓国国軍の共同発表により「米韓共同局地挑発対応計画」という新協定の締結が明らかになったのだ。

これは何かというと、北朝鮮による韓国への軍事挑発がなされた場合、これまで米軍は「全面戦争になった場合のみ介入する」という取り決めになっていた。それが、今回の協定によって、「局地戦でも、韓国軍の要請があれば米軍が介入する」と変更されたのだ。 元韓国軍の対北情報高官で、現在は戦争小説作家のイ・ヨン氏がその意味を語る。

「大転換点になり得る協定です。北が少しでも韓国にちょっかいを出したら、アメリカが介入するわけですから。これまでに起きた韓国哨戒艇(しょうかいてい)沈没事件(2010年3月)、延坪島(ヨンピヨンド)砲撃事件(同11月)のような局地戦でも即刻米軍が駆けつける。北の軍事力を徹底的に抑止しようというものです」

この協定は韓国側の要請により、延坪島砲撃事件直後の10年12月から話し合いが続いていたが、細部の調整に時間がかかっていたという。それがようやく実現にこぎつけ、韓国メディアも「事実上、米軍の即時介入が可能になる」と報じた。

そんな背景で結ばれた今回の協定。“抑止力”という狙いはわかるのだが、やはり心配なのは、より厳しいプレッシャーをかけられる北朝鮮の“暴発”だ。

これについて、韓国軍は「北朝鮮は、韓国軍のみならずアメリカの戦力も相手にしなければならないため、簡単に挑発はできなくなるだろう」と発表しているが……本当に大丈夫なのか? これまで何度か仕掛けてきた局地的な軍事挑発を事実上封じられ、逆上した北朝鮮が、核兵器搭載の大陸間弾道ミサイルの発射ボタンを押したりする心配はないのか?

「すぐに核使用などの大きな攻撃には出ないでしょう。そうしたら、金正恩(キムジョンウン・第一書記)がアメリカから命を狙われる。戦争資金もない。ただ、一方でこんなシナリオも考えられます。黄海(こうかい)上の南北軍事境界線にミサイルを撃ち、米韓と一時的に交戦。すぐに撤退した後に、アメリカを政治交渉のテーブルに引き出すのです。『本格的な戦争を避けるためには、話し合いが必要だろう』と。目的達成のためなら、局地戦による死者など惜しくない。北はそんな恐ろしいメンタリティを持つ国なのです」(イ・ヨン氏)

日本にとっても無関係ではない。韓国の大手紙『朝鮮日報』は、今回の協定が発動した場合、沖縄や横須賀などの在日米軍が出動すると説明している。

それだけではない。イ・ヨン氏がこう語る。

「戦火が日本に及ぶ危険性が高まりました。北の最終目的は、アメリカと直接交渉を行なうこと。経済的困難でギリギリの状況にあって、これまでアメリカの関心を引くために韓国を挑発してきた。それができなくなったことで、今度はその矛先を日本にと考えても不思議はありません。北にとっては、韓国も日本もアメリカの手下という意味では同じ。昨年12月、大陸間弾道ミサイルを実験発射し、日本も射程圏だとアピールしていることからもそれは明らかです」

当の北朝鮮から、今回の協定締結関連のコメントは発表されていない。だが、3月26日には軍最高司令部が「1号戦闘勤務態勢」突入を宣言し、翌27日には朝鮮労働党中央委員会総会の開催を発表するなど、日に日に緊張感は高まっている。いよいよ最悪のシナリオへの準備が必要か。

(取材・文/吉崎エイジーニョ)

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