美人経済評論家が指摘!「今の円安・株高はアベノミクスのせいじゃないです」

週プレNEWS / 2013年4月2日 6時0分

1991年より日米など数ヵ国の金融機関にてヴァイス・プレジデントとして外国為替、短期金融市場取引でトレーディング業務に従事した経験を持つ岩本沙弓氏が、日本の近未来を警告する

今から1年前、多くのエコノミストや専門家は「日本は財政破綻寸前!」という論調がほとんどだった。しかし、同時期に著書『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由』のなかで、「2012年秋から円安・株高へ反転する」と予測していた人物がいる。金融コンサルタントで経済評論家の、岩本沙弓氏だ。

実際の相場も岩本氏の予測通りになったワケだが、どうして1年も前から予測できたのだろうか? 本人に聞いた。

「相場ものを実際に扱っていた経験から言うと、どういうわけか相場には“相場のサイクル”があるのです。1971年にドル円の為替レートが変動相場制に変わってからのドル円に関しては、ざっくり言うと、『3年ドルが上がると、あと13年ぐらい落ちる』ようなパターンがある。もちろん、過去の経緯が未来に必ずしも当てはまると言うつもりはまったくありません。一応、前回と同じパターンでいくと、だいたい2012年秋に円高だと、円高の局面が終わってドル高に移行するサイクルでした」

そのきっかけとして考えられるのが、アメリカ発のあるニュースだった。

「(昨年の)11月12日になってから、アメリカの主要メディアが一斉に『シェールガスでアメリカがサウジアラビアを抜いて世界一になる』と配信した。これはちょっと怪しい。国際金融の現場で言われたことですが、『発生することに偶然はないと思っておけ』と。頭の片隅にさまざまな事象を入れておくと、『これとこれは結びつく』となることがある。また『誰が得をするのか?』というアプローチをすることで、ノイズが省けてクリアに見えてくるわけです」

金融業界とは、想像以上にドス黒い世界のようだ。

「皆たいてい、利害で動くだけです。一斉に同じ内容の報道が出てくる場合、その背後に“意図”のようなものが絡んでいる。シェールガス革命で貿易赤字が問題だったアメリカが黒字国になる。ちょうどオバマ大統領が再選したタイミングです。『これは単純にドル買いだ』と市場が動きだしてドル高に転じた」

ということは、今の日本はアベノミクスのおかげで円安・株高になったワケではないのか……?

「国内景気をなんとかしようとする部分は評価しますが、アベノミクスだけではないですね。まったく影響がないとは言いませんが、ちょうどアメリカの景気が、ファンダメンタルズ(経済成長率、物価上昇率、国際収支などのマクロ的経済指標)から判断すれば底打ちして上がるところだった。欧州の危機もいったん収束に向かい、世界経済が上向きになった。そこへ安倍首相が登場したといったほうが、タイミング的には合っている」

最後に、岩本氏は日本の現状にこう釘を刺す。

「日本はアベノミクス一色になっていますが、もう少し冷静になったほうがいいのではないか、と思います。国際金融は日本の情報だけで動くわけではないわけですから(苦笑)」

(取材・構成/鈴木英介 撮影/本田雄士)

■週刊プレイボーイ15号「2015年10月、消費増税でアベノミクス・バブルは崩壊します!」より

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