今年5月、史上最大の“太陽嵐”が地球を襲う?

週プレNEWS / 2013年4月15日 14時0分

11年周期で弱まったり活発になったりする太陽の活動が、この5月にピークを迎える。そのとき、太陽の表面では大規模なエネルギー爆発が起き、飛び散った「太陽嵐」が地球を直撃、甚大な被害をもたらす危険性があるという。

NASA(米航空宇宙局)は太陽の黒点がどんどん膨れ上がり、地球のおよそ6倍程度の大きさになるのを観測。「大量の放射線や電磁波が地球に放出され甚大な被害をもたらす太陽嵐、“ソーラーストーム”が起きる可能性」を指摘しているのだ。

そもそもソーラーストームとは何か。その発生のメカニズムについて、日本で唯一「宇宙天気予報」を行なっている、いわば“宇宙の気象庁”とでもいうべき独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)の石井守博士に聞いた。

「ソーラーストームとは太陽で発生するフレア(太陽面での爆発)から放出される光やガスが地球へ甚大な影響を及ぼすことなのですが、ソーラーストームについて詳しく解説する前に、太陽がなぜ輝いているのかわかりますか?」

石井博士が続ける。

「水素原子が4個固まるとヘリウムに変わります。そのときに核融合が起きて熱と光を放出するために輝いているのです。太陽では常にこの核融合が起きています。つまり自然の“核融合炉”なのです。その核融合炉から“太陽風”と呼ばれる電気を帯びた熱いガスが絶えず四方八方に噴出されている。そんな巨大な核融合炉に対して、遮(さえぎ)るものがなければ人間は被曝(ひばく)して生存できません。しかし地球は、たまたまなのか、神の配剤か、太陽という核融合炉に対して防護壁がキチンとつくられている」

博士によれば、この防護壁はふたつある。ひとつは大気圏。分厚い大気の層が、太陽からやって来る有害な物質を受け止めてくれている。そして、もうひとつは磁気圏。地球は非常に強い磁場を持っているために、太陽からやって来る電気を帯びた有害物質をブロックしてくれるのだ。

「ところが太陽の活動が活発になると地球の防護壁に時々破れが生じて、さまざまなことが起こり得るわけです」

どうしてソーラーストームが地球のバリアを突破してしまうのか?

「太陽の活動が活発になると黒点の数が増えて、フレアが起こりやすくなります。黒点は巨大な磁力線の束のようなもので、フレアが起きると、この磁力線の束がゴムひものようにくっついたりちぎれたりするわけです。そのときに太陽の非常に熱い気体が一緒にちぎれて地球の方向にも飛んでくる。これが地球への影響が大きいソーラーストーム(特に密度の濃い太陽風)となります。そして、ソーラーストームがたまたま地球の磁場と反応しやすい南向きの磁場を持っていると、磁力線のつなぎ換えが起きて磁気圏のバリアの中へ入り込みやすくなるわけです」

こうして侵入したソーラーストームが、地球にさまざまな影響を及ぼすことになる。NASAのシミュレーションによれば、もしもソーラーストームが起きた場合、全世界での被害額は2兆ドル(約186兆円)規模にも上るという。想定外の事態が起こらないよう、人類は祈るしかないのだろうか。

(取材・文/鈴木英介)

■週刊プレイボーイ17号「太陽嵐“ソーラーストーム”が地球を直撃する!?」より

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