3Dなんてもう古い? 日本初上陸の“4D”は映画のスタンダードになるか

週プレNEWS / 2013年4月26日 13時30分

座席が揺れ、水しぶきや風が飛び出す! 未来型の4D映画は日本で普及するのか?

高画質なブルーレイディスクの普及、ネット環境の充実……家にいながら高画質の映像を手軽に観ることができる今、不景気も相まって、全国の映画館の入場者数は依然として頭打ちの状態が続いている。

そんな現状を打ち破ろうと、「映画館でしか味わえない感動」を追求した新しいシステムが4月26日、日本に初導入された。それが世界10カ国で展開中のCJ 4D PLEX社による体感型劇場上映設備、「4DX(フォーディーエックス)」だ。

このシステム、さまざまな感覚を刺激して、まるで映画の中にいるような臨場感を味わえるという触れ込み。具体的には映画のシーンに合わせて座席が動いたり、風や水しぶき、匂い、閃光などの環境効果が作品との一体感をより高めるという。

この未来型システムで、映画はまたひとつ進化するのか? 実際に確認するため、劇場に向かった。場所は名古屋市中川の複合型娯楽施設「中川コロナワールド」。現在、この4Dシステムを体感できるのは日本でここだけだ。

4DXを上映できるのは、こちらのシネコン「中川コロナシネマワールド」内でも1スクリーンのみ。各回112席の限られたシートに座った者だけが、この最新エンターテインメントを体験することができる。

まずは、デモンストレーションとして4DXのさまざまな機能が実演された。スクリーン上下からはファンによる風やバブル(シャボン玉)、スモーク(煙)が吹き出し、壁面からはフラッシュ(閃光)が光って作品の演出効果を増す。

また、シートの可動に加え、座席からはミスト(水しぶき)やエアー(疾風)が吹き出し、シーンによっては3000種類もの中からチョイスされた最適な香りが鼻をくすぐる。アクションシーンにつきものの「車のタイヤのゴムの焦げる匂い」は、どうにも甘い香りで共感できなかったが……。

約3分半のサンプル映像では、効果を伝えるためとはいえ遊園地のアトラクション並みに座席が揺れ続ける上、ミストやエアーも強めの噴射で、とても画面に集中することができない。こんな調子で2時間近くも集中して映画を観続けることができるのだろうか……。

ここで、4DX体感用に『アベンジャーズ』の試写上映が開始。昨年、各国で公開された『アベンジャーズ』は、過去の4DXタイトルの中で最もヒットした作品だという。果たして、4D映画の実力は……?

結論から言うと、「面白い」! シートの動きは急な動作以外にも、例えばヘリが浮上するシーンでカメラワークに合わせてゆっくりと俯瞰に上がる感覚を出したり、背後からの細かなノッキングなどで何かが迫り来る演出効果を挙げるなど、意外と幅広い使い道があって楽しめた。また、場面に合わせた各種の環境効果も、それなりに機能していた。

心配していたモーション効果の量も、CJ 4D PLEX社営業本部本部長のキム・ゾンヒョン氏によれば「全体の10~20%以内」とのことで、思いのほか少なかった……というか、むしろ物足りなく感じるほど。それぞれの動作は「シートベルトをしないで済む程度」の可動なので、もっと増やしてもいいと思う。

この4DXのうれしい点は、上映される作品が専用の短編作品などではなく、通常の新作劇場公開映画であるところ。封切りと同じタイミングで4D化するため、公開初日から楽しめる。この「中川コロナシネマワールド」の4DXオープニング作品は『アイアンマン3』。全国公開と同時に、4Dバージョンも鑑賞可能なのだ。

実際のところ、『アイアンマン3』は『アベンジャーズ』以上に飛行シーンや水中シーンが多い。『アベンジャーズ』では風の効果がほとんどだったが、『アイアンマン3』ではミストやバブルなどの効果も、よりスペクタクルに活用されるはずだ。

気になるお値段は基本料金+1000円、3D作品の場合は+1300円。個人的にはこの金額を払うならもっと4Dの演出を増やしてほしいが、一度は試してみる価値があるだろう。劇場を運営する株式会社コロナの大原輝久取締役本部長は、このシステムを「今後、全国の系列館に導入したい」と語っている。いずれ、「映画館では4D」が当たり前の時代が来るかも……?

(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/田中 亘)

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