ソーラーストームの直撃でGPSが使えなくなる?

週プレNEWS / 2013年5月8日 9時0分

地球に甚大な被害をもたらす大規模な「ソーラーストーム(太陽嵐)」が、太陽活動のピークに達する5月中に発生する可能性がある。NASA(米航空宇宙局)のシミュレーションによれば、全世界でその被害は2兆ドル(約186億円)規模にも上るという。

そんなソーラーストームの影響が及ぶものとして危険視されているのが人工衛星だ。人工衛星には高性能なコンピューターが搭載されていて、ソーラーストームに含まれる高エネルギーの粒子線がぶつかると誤作動を起こしたり、太陽電池パネルが焼けてしまうこともあるという。

実際、2003年10月末、太陽の活動が非常に活発になった時期に、日本の人工衛星「こだま」に搭載されたセンサーにノイズが入って地球の方向を見失い、衛星の姿勢制御に不具合が発生している。

われわれに最も身近な人工衛星の恩恵というと、カーナビやスマホの位置情報などを示すGPSだろう。

仕組みを簡単に説明すると、GPSの衛星は40以上あって、静止衛星よりも高いところを飛んでいる。そしてGPSのひとつひとつに非常に正確な原子時計が積まれており、そこから時刻の情報が流れている。カーナビの受信機は、最低4基のGPSから時刻の情報を光の速度で受け取っているので、それぞれのGPSの距離がわかる。4ヵ所の時刻情報のズレとそれぞれのGPSの距離から、自分の場所をマッピングできるというわけだ。

ところがソーラーストームの影響で電離圏が乱れると、GPSからの発信速度(光の速度)が遅れることがあるため、実際より長い距離と認識して、自分の現在地にズレが生じてしまうことになる。

その影響を受けるのは自動車だけではない。独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)の石井守博士が語る。

「1000年に一度のスーパーフレアでなくとも、影響が出やすいのが航空機です。航空機は自分の場所を捕捉するのにGPSを使っている。アメリカのローカルな飛行場には滑走路しかなく、管制がなかったりすることもしばしばですから、離着陸をするときにGPSを活用する取り組みが進められています。離着陸時にGPSを使用して誤差が大きいと、他機とニアミスする危険性も想定できる」

ソーラーストームの影響はまだ解明されていない部分が多い。くれぐれも5月の太陽には気をつけてほしい。

(取材・文/鈴木英介)

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