戦力外の選手だらけ? サッカー日本代表にも影を落とす“欧州組”の明暗

週プレNEWS / 2013年6月1日 18時0分

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)のプレーに一喜一憂した欧州サッカーの2012-13シーズンが終わった。だが、今や30人近くに膨れ上がった欧州組の中で、華々しい活躍を見せたのはほんのひと握り。

サッカーライターの中山淳(あつし)氏がこう語る。

「一定の評価を得ているのは欧州3季目の内田篤人(あつと/シャルケ)をはじめ、酒井高徳(ごうとく/シュツットガルト)、清武弘嗣(きよたけ・ひろし/ニュルンベルク)、乾貴士(いぬい・たかし/フランクフルト)らドイツの4人。あとは、イングランドでレギュラーの座を獲得した吉田麻也(まや/サウサンプトン)や、オランダで11得点を挙げたハーフナー・マイク(フィテッセ)も、来季も現在のチームでプレーするでしょう。逆に言うと、明暗のうち“明”はそのくらいです」

その“惨状”をスポーツ紙デスクが明かす。まずは多くの選手がプレーするドイツ。

「去年の今頃、バイエルン・ミュンヘンの一員としてチャンピオンズリーグ決勝の舞台にいた宇佐美貴史(たかし/ホッフェンハイム)は退団が決定。移籍先を探していますが、日本に戻る可能性もある(編集部註:5月31日、古巣のガンバ大阪への復帰が決定)。岡崎慎司(シュツットガルト)も契約は残っているものの、戦力外扱いになりつつある。出場機会を求めて新天地を目指したいところですが、ドイツ国内に手を挙げるクラブが見当たりません。今季から移籍した大前元紀(げんき/デュッセルドルフ)、金崎夢生(かなざき・むう/ニュルンベルク)になると、サポーターからチームの一員として認知されているかどうかも疑わしい」

ほかの国でも苦戦が目立つ。

「宮市亮(みやいち・りょう/ウィガン)は所属のアーセナルに戻り、新たなレンタル先を探すことになりますが、ケガを治さないとそれも不可能。アーセナルがいつまで彼を抱えているかもわかりません。また、正GKとしてほぼ全試合に出場した川島永嗣(えいじ/スタンダール・リエージュ)ですが、上位チームと下位チームの差が大きいベルギーではGKが試合を決めることが少ない。そして、数少ない重要な試合でミスを犯し、サポーターから激しいブーイングを浴びたことも。冬に加入した小野裕二と永井謙佑(けんすけ)もまだお客さん扱いです」(デスク)




たとえ試合に出場していても、日本代表のことを考えると喜んでいられないケースもある。

「シーズン後半はチームになくてはならない存在だった長谷部誠(ヴォルフスブルク)のポジションはサイドバック。本人は代表のことも考えてボランチをやりたいでしょうが、今季前半、移籍希望を明かして干されたこともあり、このままいくしかない。似た扱いを受けていた細貝萌(ほそがい・はじめ)は、強豪のレバークーゼンから監督との間に信頼関係のあるヘルタ・ベルリンへ移籍。チームの格は落ちても、いい決断だと思います」(デスク)

特にブラジルW杯を控えた来季は、試合に出られるクラブ、活躍できるクラブでプレーしたいと考えるのは当然だろう。日本代表レギュラーの岡崎や長谷部は、この壁を乗り越えることができるのか。

日本代表といえば、気になるのは本田圭佑(けいすけ/CSKAモスクワ)と長友佑都(ながとも・ゆうと/インテル)の状態だ。所属チーム内では中心選手として確固たる地位を築いているとはいえ、ケガに泣かされた今季は苦しい一年だった。

「今年末でクラブとの契約が切れる本田にとって、ビッグクラブへ移籍をするならこの夏が勝負になります。ただ、リーグ戦終盤に復帰できたとはいえ、表情が明るくないのが気になります。試合後もほとんどコメントを残さず、どの程度まで調子を戻しているのかわかりません。移籍問題もそれ次第でしょう。また、ケガを繰り返した長友も、治療方針をめぐって、クラブと本人、日本サッカー協会の間で意見の相違があったのではないかという報道がありました。真偽は別にして、サポーターからは『長友に裏切られた』という声も出ています。もし、これで代表の試合でまたケガでもしたら、目もあてられません」(デスク)

海外移籍にはそんなリスクもつきまとうのだ。

「今季を振り返ると、欧州における日本人選手の右肩上がりの傾向が終わったような感じがします」

そう語るのはサッカーライターの杉山茂樹氏だ。

「今オフ、欧州組があと5人増えるかというとそれはない。“在庫切れ”です。また、レギュラーで出場した選手も、大いに目立ったとまでは言えない。そもそも香川だって、去年所属したドルトムントがチャンピオンズリーグ決勝に進出し、マンUはトーナメント1回戦敗退。これを飛躍と言っていいのかどうか。真価が問われるのは来季です」(杉山氏)

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