セルジオ越後の一蹴両断! 第309回「W杯出場を決めた今こそメディアもサポーターも冷静な分析をすべきだ!」

週プレNEWS / 2013年6月13日 13時0分

5大会連続のW杯出場は果たしたものの、セルジオ氏から見るとまだまだ課題の残るザックジャパン。本番で勝つために何をすべきかが重要である

日本代表が5大会連続のW杯出場を決めた。オーストラリア戦は、後半ロスタイムに同点に追いつくドラマチックな展開で、僕も正直、興奮した。直前のブルガリア戦(2-0で敗戦)の内容が悪かっただけにちょっと心配していたんだけど、さすがに選手は高いモチベーションと意識でプレーしていたね。結果にはおめでとうと言いたい。

ただ、手放しで喜んでばかりもいられない。率直に言って、オーストラリア戦は今の日本の課題を突きつけられた試合だった。

前にも言ったけど、オーストラリアは世代交代がスムーズにいっておらず、以前よりもチーム力が明らかに落ちている。今回の対戦でも、彼らはW杯出場のため、なんとしても勝ち点3を取りたい立場なのに、日本のスピードを警戒してか、引いてカウンターを狙ってきた。また、30代の選手が多く、後半には足の止まっている時間帯も見受けられた。

そんなオーストラリアに、日本は勝てなかった。ホームでもアウェーでも引き分け。一対一の場面や空中戦では競り負ける場面も目立ち、何度か決定的なチャンスもつくられた。逆に攻撃ではパスはつなげても、なかなかシュートまでもっていけない。1点をリードされてからは本田や香川が強引に仕掛けるようになり、最終的に相手のハンドを誘えたけど、もっとミドルシュートを打つとか、セットプレーを工夫するとか、攻撃のバリエーションを増やす必要があるのは明らかだ。W杯本番で戦う相手は、オーストラリアより強いわけだからね。

また、毎度のことながらザッケローニ監督の采配にも疑問が残った。

後半34分にDF栗原を投入し、サイドバックの長友を中盤に上げた。僕は、運動量の落ちる終盤に彼の走力を攻撃に生かす意図だと思った。実際、長友はゴール前まで駆け上がり、決定的なシュートを放った。ところが、その直後に失点すると、FWのハーフナーを入れて、再び長友を最終ラインに下げてしまった。これじゃ選手も混乱する。結局、今回も「なるほど」という選手交代はなく、選手たちの頑張りに救われた格好だ。




最終予選を振り返ると、最初のホーム2連戦で2勝(9得点0失点)と最高のスタートを切ったものの、以降の5試合は2勝1敗2分け(6得点5失点)と尻すぼみ。韓国、イラン、ウズベキスタンが激戦を繰り広げているA組と比べると、ラッキーなグループに入ったなというのが正直な感想だ。

5大会連続のW杯出場はおめでたいこと。とはいえ、昔よりもアジアの出場枠が増え、もはや4年に一度、W杯に出るだけという時代は終わったと思う。目標はW杯で勝つこと。それを理解し、メディアもサポーターも冷静に分析しなければならない。

そういう意味でも、今週末に開幕するコンフェデ杯(ブラジル)は貴重な機会だ。格上の相手が攻めてくるなかで、どこまで対等に戦えるか。昨年10月のアウェーのフランス戦(1-0で勝利)のように、終始押し込まれながらもカウンター一発で勝つという試合では意味がない。相手を引かせる時間をどこまで増やせるか。最終戦のイラク戦(11日)を残してW杯出場を決められたことで、選手たちもポジティブな気持ちでコンフェデ杯に臨めるはず。本田が「優勝を目指す」と言っていたけど、思い切り暴れてほしいね。

(構成/渡辺達也 撮影/益田佑一)

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