街頭演説をして公選法違反? 参院選期間中に噂された鈴木宗男“逮捕説”の行方

週プレNEWS / 2013年7月22日 19時0分

公民権停止中の新党大地・鈴木宗男代表。「選挙期間中に何ができるか」を総務省に確認した上で、全国各地で“ムネオ節”を披露した

地域政党「新党大地」の鈴木宗男代表(元衆議院議員)が再び逮捕されるのではないか――。

参議院選挙の期間中、マスコミの間でそんな噂が広まっていた。

鈴木氏は2002年に、いわゆる“国策捜査”により東京地検特捜部に逮捕された。取り調べや裁判を通じて一貫して無実を主張したが、あっせん収賄罪などの容疑で懲役2年、追徴金1100万円の実刑判決が確定。10年12月に収監され失職、1年間服役した後の11年12月に仮釈放された。

収監されるまでは、検察捜査のあり方を批判するなど司法改革の必要性を訴えてきた。また、その後も新党大地の代表として精力的な活動を行なっている。

その鈴木氏に再び逮捕される可能性があるとは、いったいどういうことか?

「公民権(選挙権・被選挙権を行使する権利)停止中の鈴木氏が選挙期間中に行なった“政治活動”が“選挙運動”だと見なされる可能性があるのです」(マスコミ関係者)

少し補足する。公民権停止中でも、鈴木氏が選挙期間中に党の代表として、街頭演説で新党大地の政策を訴えるなど純粋な政治活動を行なうのは問題ない。だが、同党の立候補者11人など特定の候補者への投票依頼をした場合は選挙運動になり、公職選挙法違反になるというわけだ。

もちろん、鈴木氏もそのあたりは理解している。選挙期間中に何ができるかについて、6月下旬、同党の鈴木貴子衆議院議員を通じて総務省の見解を確認。自身のブログにこう書いている。

「新党大地に票を入れてください、とお願いは出来ないし、新党大地所属候補者の名前を出して、投票依頼は出来ない。しかし、新党大地の政策、鈴木宗男の代表としての主張は出来るのである」(6月28日付)

では、実際に取締りを行なう警察関係者はどう見るのか。

山梨県警、熊本県警で捜査二課長を務め、選挙違反事件の捜査を担当したことのある原田宏二氏(元北海道警釧路方面本部長)に聞いた。

「やはり、その人物の発言などに、特定の立候補者や政党に対する投票依頼行為があったかどうかがポイント。これがあった場合は選挙運動に当たり、取締りの対象になります」




となれば、鈴木氏の期間中の活動は何も問題ないように思える。だが、それでも逮捕説が囁かれていたのには理由がある。

例えば、7月10日、鈴木氏は東京・有楽町で、党の街宣車の上で約30分にわたって党の政策を訴え、車から降りた。その後、党の比例代表立候補者がその車に上がって演説している。鈴木氏は特定の候補者への投票依頼をしたわけではないが、有権者には政治活動か、選挙運動かの見分けは難しかったのではないか。そんな見方もできるからだ。

しかも今回、同党には鈴木氏と“同姓同名”の立候補者がいた。鈴木氏は自身のブログに「鈴木宗男候補の人間性、今までの活動実績、そして何よりも理念、志が合致しているうえでの公認です」(7月5日付)と書いているが、これについては「『鈴木宗男』の名を生かして票の上積みをしようとの思惑がちらつく」など批判的な見方をするメディアやネットの書き込みもあった。例えば、鈴木氏が街頭演説で「鈴木宗男です」と自己紹介したとする。それが同姓同名の立候補者を支援していると受け取られる可能性もあるというのだ。

では、実際に鈴木氏が公職選挙法に違反したとして逮捕される可能性はあるのか。まず、公職選挙法を所管する総務省に聞いてみた。

「総務省には取締りの権限はありません。警察の判断になります」(総務省選挙課)

では、警察庁の見解はどうか。

「選挙違反の取締りを行なうのは都道府県警察。個別事案が公選法違反に当たるかどうか、警察庁としては回答できません」(警察庁広報室)

だが、この警察庁の回答について、前出の原田氏が指摘する。

「選挙違反事件は各警察本部の本部長指揮になりますが、捜査に着手する場合は事前に警察庁の了解を得ます」

さらに原田氏はこう続ける。

「今回、警察庁が政治的判断をする可能性はあります」

警察には、時の政権与党に対して“配慮”があるとされる。民主党政権時、新党大地は与党側だったが、自民党政権下の今回の参院選では野党だ。しかも、鈴木氏の知名度は全国的にも高い。選挙違反摘発の実績をあげたい警察にとっては格好のターゲットになる可能性もあるのだ。

全国を遊説した鈴木氏の言動を各地の捜査員がチェックしていたと考えられるのだが、果たして、警察は動くのか。参院選後のここ1週間がヤマ場になりそうだ。

(取材・文/西島博之)

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