参院選大勝の自民党。巨大利権の温床「党税制調査会」もすでに復活している

週プレNEWS / 2013年7月22日 6時0分

参院選で歴史的大勝を収めた自民党。すでに、陳情でフン反り返って威張っている議員も復活しているという

大方の予想通り、自民党の圧勝に終わった21日の参議院選挙。改選121議席のうち、なんと65議席を獲得。自民・公明両党の改選・非改選を合わせると135議席になり、参議院の過半数を大幅に上回ることになった。

これで衆議院の解散さえなければ、自民党は3年間もの“全権委任”を手に入れたに等しい。もちろん、国民が自民党に期待して投票した結果であるが、言い換えれば、3年間は自民党を止める手段がほとんどないことを意味する。

はたして不安はないのだろうか。元自民党の大物国会議員・M氏が、かつての自民党政権下ではびこっていた“利権の温床”が復活する可能性を指摘する。

「税制調査会(以下、税調)を例にとって話をしよう。税調には各方面の専門家を集めた内閣総理大臣直轄の諮問機関である政府税制調査会(以下、政府税調)と、与党内にある国会議員がメンバーの税調(以下、党税調)とがある。

長年続いた自民党政権下では、主に党税調の側が各種業界団体などからの陳情を受けて税制に反映させる実権を握り、政府税調はそれを追認するだけの機関になっていた。党税調はまさに巨大利権を生む温床だったんだ。だから民主党は党税調を廃止(※民主党政権も最終的には復活させてしまった)して政府税調に一元化したんだけど、自民党は政権復帰後に元のシステムに戻してしまった」

M氏は危惧するのは、この巨大利権の温床が“復権”する可能性が高いことだ。

「参院選まではあからさまに利権を追求するような行動を慎んでいただけさ。でもこれからは違う。どれだけ世間から非難されたって(衆院を解散しない限りは)3年間は選挙がないんだからな。党税調のメンバーはすでに各種団体からペコペコされながら陳情を受け、政府税調の事務局である財務省の官僚からも低姿勢でさまざまな説明を受ける日々を送っている。誰も見向きしてくれなかった野党時代の悔しさがあるからこそ、その反動で気持ち良くてたまらないのさ。

オレが見ている限り、野党時代の彼らは蝋(ろう)人形のように精気のない顔色だった。でも今は顔が脂ぎっているし血色もいい。鼻息も荒く、後頭部が背中にくっつきそうなくらいにフン反り返って威張っているよ(笑)」

これについて、第1次安倍政権時代に農林水産大臣秘書官を務め、安倍政権や自民党の体質のみならず既得権益団体の裏側までも知り尽くす元大物国会議員秘書、池田和隆氏が解説してくれた。

「党税調のメンバーには、各支援団体が網羅された“電話帳”と呼ばれる分厚いリストが配られます。そこには選挙における集票や資金提供、運動員の提供など自民党への貢献度に応じて、『○△×』の印で優先順位がつけられています。この“電話帳”をもとに、各種団体が希望する税率の優遇措置などを決定するのです」

農協(JA)を例に、池田氏がこう語る。

「農協傘下のJA共済は、法人税に当たる税率が優遇されていて、主力商品である『建物更生共済』は非常に安い掛け金で提供されています。ユーザー(主に農業関係者)は安い掛け金で比較的大きな保障を得られるので、民間の損害保険業界からしたら明らかな民業圧迫です。しかし自民党の税調はあからさまにJA共済に対する税率を優遇し続けるわけです。

建設業界など、道路に関する利権で潤う団体を守るための道路特定財源も有名ですよね。世論がどれだけ非難しても、揮発油税や重量税など、暫定税率をダラダラと延長し続ける。なりふり構わずに党の支持団体を守るのです」

安定政権を取り戻した自民党だが、“負の遺産”まで復活しないことを祈るばかりだ。

(取材/菅沼 慶)

■週刊プレイボーイ31号「自民党を勝たせた国民が払わされる恐怖の代償(ツケ)」より

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