スコアが悪いと降格、減給も当たり前。TOEICの受験者数が急増する切実な理由

週プレNEWS / 2013年8月21日 6時0分

TOEICでハイスコアをとるための効率的な学習法が書かれた参考書が、多数発売されている

近年、英語テスト・TOEIC(トーイック)の受験者数が急増している。2002年には132万6000人だった日本国内の受験者数が、2012年には230万人。この10年間で、なんと100万人も増えているのだ。

その理由はなぜか? 近年、TOEICスコアを社員の採用、昇進の目安にする企業が多くなってきたことと無関係ではないだろう。

大手流通企業に勤めるAさん(35歳)が、沈痛な面持ちで次のように語る。

「私の会社では半年に一度、社員全員の勤務評価があります。私の営業成績は常にトップクラスなのですが、会社が求めるTOEICスコアがクリアできないため、ずっと昇進できないのです」

例えば、Aさんの会社では600点クリアを全社員に課している。ところが、Aさんのスコアは350点程度。せっかく営業成績は抜群なのに、英語力を加味したトータルの勤務評価で、Aさんは平均以下のダメ社員になってしまう。

大手サービス企業に勤務するBさん(40歳)の場合は、さらなる苦境に立たされている。勤続13年のベテランであるBさんも含めた全社員に、ある日突然、TOEIC650点をクリアせよとの社命が下ったのだ。

「やむなく生まれて初めてTOEICテストを受けてみたところ、なんと250点でした」(Bさん)

その後、何度か受験してみたものの、目標の650点には到達できず。そんなBさんを悲劇が襲った。

「ついに会社側から2階級の降格人事を提示され、年収でも約100万円減となりました」(Bさん)

企業側がこのような姿勢だから、就活中の大学生もうかうかできない。慶應義塾大学3年のC君(22歳)がこう証言する。

「学生はみんな、就活サイトで、あの会社はTOEIC700点持ってないと入れないとか、あの会社は面接でスコアを聞かれるといった情報を共有しています。少しでも就活を有利にするため、僕の周りの連中も必死でTOEICを受けていますよ」

本誌の調べによると、三井住友銀行では総合職に800点を「奨励」、トヨタ自動車は新入社員に730点の「努力目標」、京セラは20代社員全員に600点を「奨励」……など、日本を代表する一流企業でもTOEICスコア取得が推奨されている。

もはや、それなりのTOEICスコアを持っていないと“一人前の社会人”と見なされないような雰囲気なのだ。

(取材/戎小次郎)

■週刊プレイボーイ35号「英語で人生大ピンチのTOEIC難民が急増中!」より

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