ベテルギウスの超新星爆発で「太陽がふたつになる」のか?

週プレNEWS / 2013年10月12日 12時0分

今、天体ファンだけでなく多くの人の関心を集めている星が、オリオン座の左上にあるもっとも明るい1等星、ベテルギウスだ。

太陽の約1000倍の大きさと推測される巨大な星・ベテルギウスは、この数十年で直径が2~3倍にふくらんでいる。これはまさに、爆発する寸前の状態であるというのが研究者の見方なのだ。

天文学的に言えば、ベテルギウスは赤色巨星に分類され、赤色巨星が爆発する現象を“超新星爆発”と呼ぶ。この言葉を聞いたことのある人は多いだろう。だが、実際にその目で見たことのある人はいない。つまり、何が起こるのかわからないという意味で、多くの人の関心を集めているのだ。

ベテルギウスの超新星爆発は本当に起こるのか。そして爆発するとどうなるのか。爆発した星の残骸から星の爆発メカニズムを研究している京都大学理学研究科の内田裕之研究員に聞いた。

「ベテルギウスの爆発はほぼ間違いなく起きるといえます。しかし、その時期については数ヵ月先かもしれないし、1000年先かもしれない。近代の天文学が始まってから、人類は爆発する直前の星をちゃんと観測したことがありません。従って、いつ爆発するかなんて誰にもわからないというのが本当のところです」

では、ベテルギウスの超新星爆発が起きたとき、地球にはどういう影響があるのか?

「人類がベテルギウスのすぐそばにいたら、ガンマ線(放射線)を大量に浴びることになります。5光年ぐらいの距離であれば地球上の生物はほとんど絶滅することになるでしょう。しかし、地球からベテルギウスの距離は600光年あるわけです。普通に考えれば、人類に対する影響はほとんどない」

ネット上などでは、「太陽がふたつになる」ほど明るく光るという説も出ているが?

「かなり明るくなることは確かで、月ぐらいの明るさになることもあり得ます。ただ、太陽がふたつになることはない。ベテルギウスはどんなに明るくても点にしか見えないので、月がふたつになるようにも見えません。ただし、月がふたつあるくらいの明るさで輝いて、昼間でも光って見えるかもしれない」

ちなみに、鎌倉時代に藤原定家(1162~1241年)が記した『明月記』には、定家が伝え聞いた話として、1054年に発生した「かに星雲の超新星爆発」の様子が「歳星(木星)くらいの大きさ」と表現されている。

おそらく、ベテルギウスが超新星爆発を起こすと、数日間は夜空に大きく光り輝き、だんだん暗くなっていく。そして1年もたつと、オリオン座を構成する星がひとつ消える――、そんな貴重な天体ショーになりそうだ。

一部で不安視されている天変地異が起こる心配はないが、日本人にとって慣れ親しんだオリオン座の形が変わるという意味では、大きな変化といえるだろう。

(取材/鈴木英介)

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング