アメリカの国家的盗聴は有名IT・通信企業が協力している

週プレNEWS / 2013年11月5日 18時30分

アメリカの諜報機関、国家安全保障局(NSA)が、ドイツのメルケル首相をはじめ、各国首脳らの通信を盗聴していた疑惑が浮上している。海外の報道によれば、NSAが昨年12月からの約1ヵ月間で、全世界で盗聴していた電話の件数は1248億件にも上るという。

世界中の電話を盗み聞きすることができるこのNSAとは、いったいどんな組織なのか? 近著に『防衛省と外務省 歪んだ二つのインテリジェンス組織』(幻冬舎新書)がある自衛隊の元陸将・福山隆氏がこう話す。

「NSAとは、アメリカのメリーランド州に本部を置く世界規模の諜報機関です。人員は推定3万人。外部の協力者も含めれば、その10倍の規模になるともいわれています。また、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロサクソン諸国と『エシュロン』を運用していることでも知られています」

エシュロンとは、電話、ファクス、Eメールなどの通信傍受システムのこと。これによって全世界の約90%の通信情報を傍受できるといわれており、『テロリスト』『爆発』『爆弾』など、特定の言語を選んで情報を抽出する特性がある。2001年に日本が北朝鮮の金正日総書記の長男を成田空港で摘発できたのは、エシュロンからの事前の通報があったからだ、という噂もある。

ただし、NSAといえども盗聴活動はIT企業や通信会社の協力なしでは成り立たない。国際ジャーナリストの河合洋一郎氏はこう語る。

「マイクロソフトやグーグルなど、NSAは大手IT企業とベッタリです。つい最近も、マイクロソフトが過去3年間、自社サイトのユーザーが交換する情報をNSAが監視できるよう、暗号システムを迂回させる措置を取っていたことが明らかになったばかり。さらには約2億5000万人のユーザーを持つオンライン上の情報蓄積サービス『スカイドライブ』についても、NSAが容易に入手できるようにしていたという報道もありました。世界最強ともいわれるアメリカの情報収集は、NSAの通信傍受による部分がかなり大きいんですが、それもIT企業の協力がないと成り立ちません」

はたしてこれは事実なのか? IT関連企業に勤めるT氏はこう耳打ちする。

「アメリカのある大手通信会社のビル内に、NSAが管理する通信傍受の基地があって、そこに常駐している諜報員が光ファイバー回線を通じて盗聴していた疑いもあります。日本でやったら憲法違反ですが、アメリカでは、こうした盗聴活動が合法的に行なえるようになっているのです」

盗聴が合法とは、どういうことか。T氏が続ける。

「2008年に改正された対外情報監視法は“令状ナシ”の盗聴を合法とし、それに手を貸す通信会社も罪に問われません」

オバマ大統領は、メルケル首相の盗聴疑惑について否定したが、大手IT企業の協力のもとに合法的に盗聴できる国、それがアメリカなのだ。

(取材/興山英雄、取材協力/小峯隆生、世良光弘)

■週刊プレイボーイ46号「日本人のメール・携帯はここまで傍受されている!!」より

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