ヤフー・孫正義会長の狙いは「楽天超えという小さなものではない」

週プレNEWS / 2013年11月13日 12時0分

初期費用・月額固定費・ロイヤリティ0円で出店できるヤフーショッピング。まさに“革命的”だが、その真の狙いとは?

ヤフーは10月25日、第2四半期(2013年4月~9月期)の決算を発表。そのなかで、第3~4四半期のeコマース関連の売上高が、前年比で25~35億円減少する見込みであることを発表した。

これは、10月からスタートした「ヤフーショッピング」の出店料・ロイヤリティ無料化によるもの。「ヤフーはこれまで間違っておりました」と、孫正義ヤフー会長が仕掛けている“eコマース革命”。そのシステムを、eコマースコンサルタントとして活躍している坂本悟史氏(コマースデザイン代表)が説明する。

「ネット出店を無料にすれば当然、出店者は増えますよね。“eコマース革命”の説明会によると、出店者が増えれば品ぞろえが増える。品ぞろえが増えれば、お客さんが増える。お客さんが増えれば、さらに出店者が増える……という理屈のようです」

このサイクルによって、ヤフーショッピングは2019年度までに、商品数ナンバーワン、国内流通総額ナンバーワンを目指すというのだ。

「無料となれば、マージンが必要な楽天やアマゾンに出店しなかった“超薄利多売の超激安店”も多く出店して、今よりもさらに価格の安い商品が出回るでしょう。あるいは、趣味で作ったパッチワークを売る人など個人の副業として出店する人やニッチ商品を扱う人も増えそうです」(坂本氏)

ヤフーが「日本の買い物を変えたい。買えないものをなくす。驚くほどの安さにする」と言っているのはこのことなのだろう。どこよりも安く、どんな商品でも買えるようになれば、買う側としてもありがたい。

「しかし、出店者が増えて、品ぞろえが増えると、本当にお客さんが増えるのでしょうか。無料で出している品物のなかには、粗悪品や怪しい商品がたくさんあるかもしれません。また、個人の副業としてやっている人が、注文が入ったはいいけれどすぐに送らない、問い合わせの返事をしないなどサービスレベルの低下も考えられます。ヤフーは説明会後、『一日に2万6000件の出店希望者があった』といいますが、その審査はどうやっているのでしょうか」(坂本氏)

ちなみに、ヤフーショッピングは出店料を無料にする代わりに、広告で収益を上げるモデルだ。

「出店者が増えれば、それだけ自分のお店が目立たなくなります。目立たせたければ有料です、となるのが自然ですよね。これはソーシャルゲームに似ています。確かに試すのは無料ですが、ゲームで勝つためには有料のアイテムが必要になりますよね。ヤフーショッピングでも『たくさん売りたければ、有料の広告を出してください』という展開になるはずです」(坂本氏)

はたして、ヤフーのこの“eコマース革命”は成功し、業界1位の楽天を超えることができるのだろうか。そんな疑問に、元ライブドア社長で現SNSオーナーの堀江貴文氏が答える。

「そもそも楽天と比較することに意味がない。そんな小さな目標ではない。ヤフーは流通・決済のシェアを握るためにやっているので、今後は出店料無料がデファクト(標準)になり、次にカード決済手数料が0%になり、最後はネットで簡単に送金・決済ができるようになる。今後のネット流通通貨の枠組みを考えると、これはやっておかなければいけない当然の一手だね」

どうやらヤフーの本当の狙いは、ネット決済サービスのシェアを握ることのようなのだ。

今回の無料化は“革命第1弾”だが、“第2弾”では何を仕掛けてくるのか。そしてこの革命は成功するのか。2013年、ネットショッピング界は、ヤフーによって激動の時代に入ったといえる。

(取材/村上隆保)

■週刊プレイボーイ46号「ヤフーが仕掛けるネットショッピング革命“0円作戦”の本当の狙いはコレだ!!」より

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