福島第一原発の高さ120m排気筒は、赤錆(あかさび)で倒壊寸前

週プレNEWS / 2013年11月25日 6時0分

1・2号機の間に立つ排気塔。これが倒壊したら、福島第一原発の事故処理作業は不可能になる

事故から2年半が経過した11月18日、ついに4号機から燃料棒の取り出し作業が始まった福島第一原発。その直前の16日朝、取材班は海上から1.5kmの距離に接近、テレビを通しての映像ではない「福島第一原発の現実」を撮影することに成功した。

あの衝撃的な爆発事故直後の映像と比べれば、海岸敷地を埋め尽くしていた建造物の残骸や瓦礫(がれき)の多くは撤去され、遠目には全体がスッキリして見える。しかし、細部をよくよく見てみると、原発建屋以外の関連施設の大部分でも壁の破損やヒビ割れなどの痕跡が無数に確認できた。

1号機から北西へ約300m離れた「免震重要棟」でさえも海側に向いた窓ガラスすべてが吹き飛び、ベニヤ板らしきもので仮補修した様子が爆発事故のすさまじさを物語っていた。

今年9月5日には1・2号機の北側で突如として大型クレーンが倒れ、施設全体の老朽化が問題になった。特に鉄製の建材などは強烈な放射線と潮風の影響で劣化が加速している。

東電によれば、1・2号機の中間にそそり立つ高さ120mの「排気筒」でも8ヵ所の大きな亀裂が見つかったという。この排気筒の危険状態は海上からも一目瞭然で、特に高さ40m前後のタワー鉄骨と、中心に固定された排気筒に大量の赤錆(さび)が発生していた。

そして、すでにタワー全体が北側へ歪(ゆが)み始めているようにも見えた。

この排気筒は1号機の爆発直前に格納容器内の高圧放射性ガスを放出したため、筒の内部はひどく汚染されている。亀裂の周辺は1万ミリシーベルトもの高線量というので、これが倒壊すれば1・2号機周辺には即死ものの放射能が広がり、現状の技術では事故処理作業が不可能になる。

一見、穏やかな表情を見せる福島第一原発。だがその実態は、今も大きな危険と隣り合わせている。

(取材/有賀 訓、撮影/池之平昌信、取材協力/小川 進[長崎大学教授]、桐島瞬)

■週刊プレイボーイ49号「海上1.5kmから見た福島第一原発の今 “嵐”の前の静けさ」より

【動画】海上1.5kmから見た福島第一原発




http://wpb.shueisha.co.jp/2013/11/25/23309/

 

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