特定秘密保護法案の成立を急ぐ理由は「TPP」にあった?

週プレNEWS / 2013年11月27日 10時0分

26日、衆議院の特別委員会で強行的に採決が行なわれた「特定秘密保護法案」。これは行政機関が指定した「特定秘密」を漏らしたり、知ろうとした人に対し重罰を科すことが可能になる法案だが、安倍政権はなぜここまで成立を急いでいるのか?

その背後にはアメリカ政府の意向があると経済産業省のキャリア官僚、T氏が証言する。

「結論から先に言うと、TPPです。実は、特定秘密保護法の成立に対するアメリカからの圧力は以前からありました。特に9・11テロ以降は圧力の強さも頻度も徐々に増していた。では、なぜ10年以上も実現しなかったものが今になって突然動きだしたのか? それはアメリカ側にとって利益があり、日本側には不利益しかないTPPの実態を隠し通したいアメリカが、日本への圧力レベルを格段に上げてきたからです。

アメリカはTPP交渉を年内か来年の早いうちに妥結するべく必死です。そんな大詰めの段階で、情報管理がグダグダな日本から機密が漏れてご破算になってはたまらない。だから特定秘密保護法案の成立を急がせたいのです。表向きは安全保障やテロ防止のためだという日本国民が納得しやすい体裁にしておいて……」

これだけでも十分に衝撃的な内容だが、アメリカの狙いはTPP交渉の妥結だけではないようだ。外務省のキャリア官僚、S氏がつけ加える。

「TPP交渉は、話し合いに参加できる各国の担当者数が最小限に制限されていることはご存じだと思います。日本も、最近まで担当大臣さえ踏み込んだ内容を知らされていなかった。

重要なのはその理由です。機密にアクセスできる人間の数を少なくすれば情報漏洩のリスクが減るからだと納得しがちなのですが、アメリカはそんな詰めの甘い戦略は立てません。どんなに人数を減らしたって、TPPの内容がアメリカにとってのみ有利で自国に不利であれば、愛国心をもつ誰かしらが実態を暴露すると想定するのが当たり前です。

アメリカの狙いは、情報にアクセスできる担当者全員の“弱み”をCIA(米中央情報局)やNSA(米国家安全保障局)といった情報機関に徹底調査させ、脅しによって機密漏洩を確実に防ぐことなのです。“弱み”とは、人によってカネや女や家族や出世欲や汚職などさまざまです。それらを調べ上げ、脅しの材料となる物証も確保するには時間も人手もかかる。だから調査対象となる人数を減らしたい。このように機密保全と他国への支配力強化を同時に達成できる手法を、アメリカは特定秘密保護法でもやろうとしているのです」

“弱み”で脅すことが他国への支配力強化になるとは、どういうことか? S氏が続ける。

「特定秘密保護法案が成立すれば、日本の政治家は自分たちにとって都合のいいように法を拡大解釈して運用するに決まっている。例えば、汚職などの不正行為や支持母体への利益誘導などを外交やテロ防止と強引に関連づけて特定秘密として隠蔽しそうですよね。そういった秘密は政治家の“弱み”そのものですから、アメリカが握れば今以上に日本を支配することが可能になる。

もうひとつ重要なのは、脅しのネタになる秘密は、誰かに漏洩された瞬間に無価値化してしまうということです。だから国家公務員に対する罰則を強化し、さらに特定秘密にアクセスできる人数を減らして全員の“弱み”を握って、機密漏洩を徹底的に防ごうとしているのだと思います」

こうした証言を、信憑性の低い陰謀説だと感じる人も多いかもしれない。しかし、元CIA職員のスノーデン氏が暴露したように、アメリカのいきすぎた諜報活動の実態は世界中の人が知るところ。“情報”が世界を動かしている現在、特定秘密保護法は権力者によって都合よく利用されかねない危険な法律だ。

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