特定秘密保護法成立は、安倍首相にとって7年前の「倍返し」だ!

週プレNEWS / 2013年12月9日 10時0分

6日深夜、特定秘密保護法が成立した。

今国会では、安全保障に関する重要な2つの法案が成立している。ひとつはこの特定秘密保護法で、もうひとつが先月27日に成立した国家安全保障会議(日本版NSC)設置法だ。

まず、日本版NSC。これは、これまで各省庁から縦割りで首相官邸に上がってきた外交や安全保障に関する情報を一元的に集め、外交・防衛政策を決定する司令塔的な役目を果たす組織。

そして特定秘密保護法は、防衛、外交、特定有害活動(スパイなど)の防止、テロ活動防止の4分野の情報のうち、漏洩すると日本の安全保障に危険をもたらしかねない情報を「特定秘密」に指定し、漏らした国家公務員には懲役10年を科する、というもの。

安倍首相は、「日本版NSCが、各国と情報交換をしていく上で、秘密が保全されていることが前提」との認識を示し、このふたつの法案をセットで考えていた。結果、怒号や靴が飛ぶほどの強行採決を断行。なぜ安倍首相は、ここまでなりふり構わず成立を急いでいたのだろうか?

「安倍晋三という政治家の資質にある」と見るのは、同法案の成立に反対する都民中央法律事務所の田中隆弁護士である。

「6年前の第一次安倍政権では、教育基本法改正、防衛省昇格法など、20回以上の強行採決を連発させた“前科”があります。安全保障関連ではありませんが、改憲手続法(国民投票法)のときはまるで“暴風”でしたね。国民の権利に関わる重大法案でも、後先考えず永田町の論理で突っ走るところがあります」

たとえ反対意見が多くても、数で押し切れるなら押し通す、それが安倍晋三という政治家のやり方なのだ。

そして、安保へのこだわりが強いのは言うまでもない。参議院議員・大野元裕氏(民主党)がこう話す。

「安倍さんといえば、前政権時代も含めると、日本版NSCと秘密保護法のほか、集団的自衛権、憲法改正、集団安全保障、国家安全保障戦略、防衛大綱の見直し、防衛省昇格……と、これまで数々の安全保障政策案を打ち出した人物です」

そんな“安保マニア”の安倍首相にとって、日本版NSCは7年越しの悲願でもあった。ジャーナリストの田中良紹氏が語る。

「第一次政権のときにも、安倍首相はアメリカのNSCをモデルに日本版NSCの創設を目指しました。法案を国会に提出するところまでこぎつけたものの、直後の参院選で敗北。それでも首相続投の構えを見せると、党内での反発が強まり、事実上、総理の職を“クビ”にされました。表向きは体調不良が理由となっていますが……。NSC法案も次期の福田康夫内閣で廃案になったという経緯があります」

日本版NSCの創設は、まさに安倍首相にとってリベンジの案件だったのだ。今回は、それに加えて特定秘密法まで成立させた。安倍首相にしてみれば、7年前の「倍返し!」といったところだろう。

(取材/興山英雄)

■週刊プレイボーイ51号「自民党が『日本版NSC』『特定秘密保護法』の成立を急いだ本当のワケ」より

 

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