売り上げ堅調なのに破綻。ジーンズ国内最大手、エドウインに何が起きた?

週プレNEWS / 2013年12月13日 6時0分

ブラピを起用したCMで一世を風靡したエドウイン。国内売り上げは今なおリーバイスより上なのだが……

国内最大手のジーンズメーカー「エドウイン」が11月26日、事業再生実務家協会に対して、事業再生ADR手続き(特定認証紛争解決手続、ADR)の利用を申請した。

ADRは、民事再生法や会社更生法といった法的手続きではない。経営危機に陥った企業が、債権者と債務者間の話し合いをもとに、中立な第三者機関の手による整理手続きで問題解決を図る方法で、法的手続きよりも事業再生を図りやすいといわれている。

その利用を申請しただけの段階だから、エドウインという会社は現在も事業を続けているし、ましてや倒産したわけではない。

しかし、同社の経営が実質的な破綻状態にあることは間違いないようだ。

エドウインといえば、東京に本拠を構える生粋の国産ブランド。かつては『ちびまる子ちゃん』『ASAYAN』といった人気テレビ番組のスポンサーとなり、また、ブラッド・ピットを起用した「503」モデルのCMでも知られていた。

同社は1980年代初頭に国内売り上げ1位メーカーへと躍進。以降、最盛期は年間400億円近くを売り上げるなど、日本ではジーンズの本家「リーバイス」さえ寄せつけない人気を誇っただけでなく、米ブランド「リー」「ラングラー」の国内における商権をも保有しているという、まさに業界の勝ち組だった。

そのエドウインが、抜き差しならない経営難? どうにも信じられない話だが、考えてみれば数年前から、ユニクロ、しまむらなどの格安ジーンズが勢力急拡大中なのも事実。ひょっとしてそういった新興勢力に客をごっそり奪われ、売り上げが激減してしまったのだろうか?

繊維業界に詳しいジャーナリストの南充浩(みつひろ)氏が語る。

「確かに、ファストファッション系ブランドの低価格品の影響で、ジーンズ専業メーカーは軒並みシェアを落としています。しかし、そのなかにあってエドウインは今も業界1位をキープし、年間売り上げだってまだ300億円弱あります。これは2位リーバイ・ストラウス ジャパンの約3倍に当たる規模。本業ではまずまず堅調な商売を続けていたのです」

では、なぜ瀬戸際に追い込まれてしまったのか?

「デリバティブ取引などの証券投資に失敗していたことが、昨年8月に発覚しました。どうやら数百億円規模の損失を出しているもようです」(南氏)

その巨額債務のため、経営が立ちゆかなくなったというわけだ。

世界のブラピに「ゴーマーリィーサーン♪」と歌わせた日本を代表するジーンズメーカーが、そんなマネーゲームの犠牲になってしまうのだとしたら、あまりにもったいない。仮にADRの利用が認められ、債権者との間の調整がついた場合、新生エドウインとして再出発する道はあるのだろうか。

「すでに去年の段階で、伊藤忠商事、豊田通商、ワールドの3社が支援スポンサーとして名乗りを上げていたものの、その後、事態は進展していません。ただ、不良債権問題を除けば、エドウインのブランド力は依然健在。現在と同程度の業績は維持できるでしょうから、支援者さえ決まれば再生は十分可能だと思います」(南氏)

そうなれば、近年すっかり存在感が薄くなってしまったラングラーはともかく、リーについては、これまでどおり事業継続される見込みだ。

「リーはセレクトショップなどで安定した人気がある高収益ブランド。新スポンサーだって手放さないでしょう」(南氏)

ADRの成立、そして支援企業の決定……乗り越えるべき壁は決して低くないけれど、日本のジーンズ文化の灯(ともしび)を絶やさぬためにも、ぐゎんばれ、エドウイン!

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