東京都政の諸悪の根源は「奠都(てんと)」にあった

週プレNEWS / 2014年3月13日 6時2分

先の都知事選では「脱原発」が大きくクローズアップされたが、実は巨大都市・東京が抱える問題はいくつもある。

その代表が「利権」だ。都政においては築地市場移転問題、新東京銀行、警視庁との密な関係など、本当に都民が改革を望んでいる事項がおざなりになったまま。すべては、都民の見えないところで巨大な権力同士が結びついていることに起因する。

そもそも、なぜ都政においてあらゆる利権が肥大化していくのか。時計の針を戻し、東京が“都”の顔をし始めた頃の歴史をひもとけば、その背景の一端が見えてくる。

独立総合研究所社長の青山繁晴氏が解説する。

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日本の政治は、法的な裏づけなしに得た利益や利権ほど、際限なく肥大化していく政治である。

実は、日本には首都というものが法的に存在しない。幕末から明治維新にかけて東京と京都の二都制になり、そのままなし崩しで東京が“首都のフリ”をしているだけだ。京都から東京に遷都(せんと)されたのではなく、正しくは「奠都(てんと)」。ふたつの都を定めたにすぎない。

これは、天皇陛下のあり方にも関わる。

天皇陛下の本来のお住まいである京都御所には、お堀もなければ砦(とりで)もない。塀はとても低く、中が見えてしまう。私が知る限り、世界を歩きに歩いても、このような住まいを持つ皇帝や王様はいない。帝(みかど)や王は古代から自分と一族で利を独占し、そのために民衆から襲われることを恐れて、強固な砦、堀や塀に囲まれて暮らしてきたのだ。

一方、京都御所にお住まいだったわが国の天皇陛下は私心を脱せられ、民にこそ重きを置かれ、「民衆から襲われる心配がないご存在」である。ところが東京の皇居は堀が深く遮(さえぎ)り、石垣や塀はあくまで高く、天皇陛下のお姿はまったく見えない。もともとは徳川家の将軍が自分たちの利権、利益を守るための砦であり、天皇陛下のお住まいとしては奇ッ怪な姿のまま現代に至っている。

先の都知事選の争点は本来、石原都政の“負の遺産”の清算だ。新銀行東京が破綻に等しいことや、築地市場の汚染地域への移転といった問題にケリをつけるのが新知事の重大な使命のひとつになる。石原元知事から利権ごと後継指名されたのが猪瀬前知事であり、だからこそ石原都政の闇に触れもしなかった彼の退陣で始まった知事選である。だが、候補者もマスメディアも、ここを無視していた。

富が集中し、利権が肥大化する都政の構造。その根っこにあるのは、国民合意も法的根拠もないまま、いつの間にか“首都のフリ”をしてきた東京の歴史である。

(構成/頓所直人)

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