小保方騒動でイメージダウンの理化学研究所だが「間違いなく国内最高峰の研究機関」

週プレNEWS / 2014年3月31日 11時0分

1976年に発売された「ふえるわかめちゃん」。アッという間にめちゃくちゃ増えるこの技術は、会社名「リケン」でわかるとおり、理研の発明なのだ

小保方晴子ユニットリーダーによる「STAP細胞論文」の捏造疑惑で、連日、世間をにぎわせている理化学研究所(以下、理研)。

だが、大ベストセラー『99.9%は仮説』の著者であるサイエンスライターの竹内薫氏は、「理研は間違いなく国内最高峰の研究機関です」と断言。現在の状況に同情を禁じ得ないと言う。

「理研理事長でノーベル賞受賞者の野依良治さんのような人からすると、青天の霹靂(へきれき)だったと思います。本来、理研の研究員のレベルは非常に高い人ばかり。コピペとか画像をよそから拝借するなんて、想定外だったでしょうね」

1917年(大正6年)に、日本の科学と産業の発展のために設立された研究機関である理研。1965年にノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎をはじめ、数多くの偉大な科学者が在籍していた。

「戦前の話ですが、有名なのは“理研の三太郎”。初期の理研に在籍していた3人の科学者です。ひとりは長岡半太郎という物理学者で、『土星型の原子核モデル』を提唱。原子核の周りを土星の輪のように電子が回っている原子核のモデルを発表しました。ふたり目は本多光太郎という物理学と金属工学を研究していた人で、当時、世界最強の磁石『KS鋼』を発明しました。そして3人目が鈴木梅太郎という農芸化学者で、ビタミンB1を発見した人です」(竹内氏)

こうした理研の頭脳から生み出された発明・発見が、日本の産業発展に大きく寄与した例は数え切れない。

有名なところでは、蓮舫議員の「2番じゃダメなんですか?」発言で話題になったスーパーコンピューター「京」。身近なところでは、リケンの「ふえるわかめちゃん」、花王の洗剤「アタック」。そして近年でもオカモトのコンドーム「ゼロゼロシリーズ」、明治のスポーツ飲料「VAAM」などに理研の研究成果が応用されている。つまり、普通に生活していれば誰でも、どこかで理研の恩恵を受けているといっても過言ではない。

物理学における国内最高の名誉である仁科記念賞の由来である仁科芳雄博士もまた、理研の研究者だった。竹内氏が、彼について語る。

「仁科さんは、1937年に『サイクロトロン』という粒子加速器を開発しました。この装置は1932年にはアメリカで作られていたが、その構造は国家機密級だった。仁科さんはそれをゼロから作ったのです。戦後、GHQは理研からサイクロトロンを接収して東京湾に捨ててしまう。そうまでしなければならないほど、日本の科学技術は彼らにも脅威だったのです。

この技術で90年代には世界最高クラスの放射光施設『SPring-8』も誕生。今や日本の原子核研究は世界トップクラスです」

2012年、仁科加速器研究センターは、化学の基礎である元素の周期表の113番目となる元素「ジャポニウム」(候補名)を発見した。

「元素の名前は最初に発見した人に命名権があるんですが、これまでは、例えばカリフォルニアの大学で発見されたカリホルニウムといった欧米系の名前しかなかった。しかし、もし113番目の元素が日本の発見と認められれば、日本初どころか、欧米以外で初めての元素を命名できる。これはすごいことです」(竹内氏)

この件については米露連合チームも「第一発見」を主張しており、その議論は現在も続いているが、理研が世界の科学の最先端を走っているのは間違いない。

「STAP細胞騒動」でイメージダウンしてしまった理研だが、世界に誇る優秀な研究者が数多く在籍している国内最高峰の研究機関であるという事実に変わりはないのだ。

(取材/頓所直人)

■週刊プレイボーイ15号「小保方騒動で大ピンチ! だけどホントはすごい! 理化学研究所」より

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