スカイラインにベンツのエンジン。「日産・ルノー&ダイムラー」連合が誕生?

週プレNEWS / 2014年4月17日 6時0分

日産のスポーツセダン「スカイライン」が、年内にも独ダイムラー社の高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」(ベンツ)のエンジンを載せると一部メディアが報じた。

スカイラインは今年2月にニューモデルの国内販売が始まったばかりだが、新型車にはまだ3500ccエンジンのハイブリッド(HV)しか用意されていない。そこへ、ベンツの2000ccガソリンターボエンジンを搭載したモデルが加わるというのだ。燃費性能に優れている上、HVモデルより廉価に設定されるという。日産とダイムラーは2010年に資本提携を結んでいるが、ダイムラーの技術が日産の日本国内向け主力車種に使われるのは、今回が初めてとなる。

自動車評論家の舘内端(たてうち・ただし)氏が、その背景を読み解いてくれた。

「スカイラインは今や、日産の世界戦略車です。国際的に売るにはHVだけでなく、高品質でありながらより安価なモデルも投入して、バリエーションを増やす必要がある。一方、近年の傾向として、高級車であっても低燃費が求められます。HV化以外で燃費性能を高めるには、排気量を小さくしたエンジンにターボなどの過給機をつけ、高出力と低燃費を両立させるダウンサイジングという手法があるのですが、日産はまだこの技術をモノにできていません」

かといって、今から開発するには、資金と時間がかかりすぎる。

「ならば、すでにダウンサイジング技術を実用化している提携先のベンツのエンジンを載せたほうが、手っ取り早く低コストでバリエーションを増やせると、日産の経営陣が判断したのでしょう」(舘内氏)




だったら不思議なのは、ダイムラーが日産と提携を結んだそもそもの意図だ。日産側には、ダイムラーの先進的な高級車技術を活用できるメリットがあるが、ダイムラーは日産の何を求めたのか。

「ひとつは、大衆車のノウハウ。これからはダイムラーといえども安くて小さい車を数多く売っていかないと、経営が立ち行きません。しかし、ダイムラーには大衆車造りの蓄積がないので、当面は日産の協力を得たいわけです」(舘内氏)

さらにEUでは15年と21年に、自動車のCO2(二酸化炭素)排出規制が行なわれる。メーカーが1年間に生産した車の平均CO2排出量が目標値を上回ると、莫大な罰金を科せられてしまうのだ。

「ことに21年規制の目標値はかなり厳しく、HV車をそろえているくらいでは到底クリアできません。つまり、どのメーカーも20年までにEV(電気自動車)を投入する必要がある。しかし、ダイムラーはこれまでEV開発に消極的だったので、市販化が間に合わない。そこで日産が誇る世界一のEV技術を、自社の車に移植しようと考えたのでしょう」(舘内氏)

とすると、将来的にはもう一歩踏み込んで、「ルノー・日産&ダイムラー」の大合併に進展したりして?

「いくらなんでも、それはないでしょう。近年は異メーカー間での国際的な部品、ユニットの供給が進みすぎ、それぞれのメーカーならではの個性が薄れてきています。そんな傾向への反動から、このところ各社のアイデンティティを守ろうという回帰現象が出てきているのです。ましてやダイムラーには過去、クライスラーとの合併で失敗した手痛い経験がある。だからルノー・日産とダイムラーは、次世代車開発に関してパーツや技術を提供し合うという、つかず離れずの関係を、今後も維持していくはずですよ」(舘内氏)

そういうことなのか。でも、ルノー・日産&ダイムラー連合って、ちょっと見てみたいかも。

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