ASKA、片山祐輔被告もハマった警察の“泳がせ術”はどう使われたのか?

週プレNEWS / 2014年7月1日 6時0分

2014年、上半期で話題となった「逮捕」といえば、ASKA被告と片山祐輔被告であろう。

6月17日に3度目の逮捕となったASKA被告だが、最初の逮捕は5月17日。「薬物使用の現場」を押さえられたわけではないが、尿検査と毛髪鑑定により「クロ確定」となった。薬物疑惑報道は昨夏だったから、少なくともその間、彼は警察(警視庁組織犯罪対策部)からずっとマークされ続けていたことになる!

一方の片山被告は、保釈中の5月15日、PC遠隔操作で使ったスマホを荒川河川敷に埋めているのを合同捜査本部の捜査員に目撃され「限りなくクロ確定」となった。つまり保釈中もずっと尾行され、しっぽをつかまれたわけだ。

それにしても、こうした“泳がせ捜査”なんて刑事ドラマみたいな手法、どれだけ一般的に行なわれているものなのだろうか……?

「すでに一般的です」と断言するのは、元公安の犯罪病理学者、北芝健氏だ。

「ただ、刑事事件の捜査で広く行なわれるようになったのは、この20、30年ほどの間ですが」

昔は“泳がせ捜査”は一般的でなかったってことですか?

「昔の刑事事件の捜査は、圧倒的に『自白』中心でした。しかし、自白をとろうとするあまり、取り調べの際、自白の強要も起きていた。その反省から、録音や可視化を厳しくするとともに、自白に頼らない裏取り手段として“泳がせ”が広く認められていったんです」

では、それまで“泳がせ”捜査は日本の警察にはなかったの?

「かつては公安で受け継がれてきた手法でしたが、そのルーツは思想犯などを取り締まっていた戦前の特高警察にあります。実際、特高はGHQによって一度解体されますが、1950年頃に、特高警察官の多くが公安警察として公職復帰している。さらに、近年は海外の情報機関とも人事交流を行ない、スキルを向上させています」

片山被告も、ASKA被告も、高度化した“泳がせ”捜査によって逮捕されたと?

「でも、両者の意味合いは異なります。まず、片山被告の場合は広い人間関係もなく、ほぼピンポイントの尾行。実はサイバー警察の捜査も確実に進んでいましたが、警察側にとって若干想定外だったのは、弁護団の作戦によって『片山は冤罪(えんざい)』という論調でマスメディアが盛り上がってしまったこと。そのため、少し急いで“裏取り”する必要が出て、あのような“泳がせ”をしたようです。

一方のASKA被告の捜査はずっとスケールが大きい。同じ芸能人でも、田代まさしらと比べ、アジア全域で知られるビッグネームですから、彼を逮捕できたことは警察内部でも高く評価されているし、徹底的に彼のネットワークも洗われてきています。つまり、彼の逮捕だけが目的ではなく、彼の麻薬入手先や芸能界人脈を把握するための“泳がせ”だったわけです。もちろん報道の前から捜査対象になっていましたし、あと、栩内香澄美(とちないかすみ)被告のことは、警察は以前から知っていたんです」

どういうこと?

「パソナの迎賓館には安倍首相も呼ばれたことがあって、そうした場合、どういう人が集まっているのか、警察では事前に調べますから。でも、彼女の人間関係からはこれ以上何も出てこなそうで、逆に彼女の不幸な生い立ちがわかるにつれ、捜査員も少し同情的になってきているようですが」

この後、ASKA被告の周りも次々と逮捕、なんてことに発展するのだろうか?

「そこはこれからの捜査次第。情報があっても“裏取り”できるかどうかなので。ただ、警察は2020年までに徹底的に暴力団を封じ込めることを目標としています。2017、18年くらいに厳しい取り締まりが行なわれるはずです。今回のASKA被告の件は、その一端にすぎません」

■週刊プレイボーイ28号「2014年上半期“あの大問題”はどうなった!?ワイド」より

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