アイドル界の大甲子園「東京アイドルフェスティバル2014」レポ! やっぱ一番スゲぇのはアイドルなんだよ!【後編】

週プレNEWS / 2014年8月9日 18時0分

2日にわたって開催されたアイドル大甲子園こと、TIF2014出場メンバーを徹底チェック!

炎天下に見舞われた8月2日(土)、3日(日)。東京・お台場で行なわれた、東京アイドルフェスティバル2014(以下、TIF)。

前回に引き続き、後編では8月3日の様子をお届けしよう!

1日目に増して大盛り上がりだった2日目。サプライズあり、涙あり! 激動の“祭”を見よ!

★HR【エイチアール】(SMILE GARDEN)









南のアイドル王国・福岡四天王の一角、HR。

今回は、22人のメンバーの中から8が選抜されTIFへやってきた。

まずは、『TOKONAッツBEACH』からスタート! 夏っぽさアピールのかわいらしい曲だ。ひとりひとりの表情がいい。ニッコニコと笑顔がこぼれだす。

そして、小林まゆ、國本満里菜、安田玲の3人以外のメンバーがステージからハケる。




次の曲は、派生ユニット『すぷらっしゅレボリューション』の3人による『めいっぱいはしゃいじゃYeah!!』だ。

1曲目の『TOKONAッツBEACH』以上の夏ソング! 弾ける青春! ドキドキの夏で胸がいっぱいになる! 「最高の夏休みが“今”来てるんだ!」と実感した。とくに安田玲の涼しげな笑顔に惹き付けられた。

最後は『全力ジャンプ!』。青空のもとジャンプするメンバーたちを見ながら、朝のスマイルガーデンがHR色に染まっていくのを感じた。

★WHY@DOLL【ホワイドール】(SMILE GARDEN)









北海道を拠点に活動するデュオ、WHY@DOLL。

浦谷はるなと青木千春という、なんとも癒し系の二人組。

太陽照りつける朝のスマイルガーデンが和む。まずは、9月24日にメジャーデビューする『MAGIC MOTION No.5』から。

青木千春の鼻にかかるかわいらしい声がくすぐったい。アツい日差しがだんだんと緩やかになっていく気がした。

いや、もちろん気のせいだ。そんなことはわかってる。でも、このふたりの曲を聞いていると、なんだか本気でそう思えてくるのだ。

そして3曲目の『向日葵』。夏の朝にバラード。しかし、先ほどまで以上に涼しさを感じる。

なんなのだろう? この空気感は。スマイルガーデンに本当に涼しい風が吹いていた。




北海道には、「WHY@DOLL」という、涼風を吹かす2人組の少女がいる。









★AeLL.(SMILE GARDEN)









今年の9月14日で、惜しまれながらも活動休止が決まっているAeLL.。

その実力派な歌唱力と、篠崎愛の知名度というふたつの武器を持つ彼女たちの休止の具体的な理由は、いまだ語られていない。

ゆっくりとスマイルガーデンステージに入って来る4人。まずはアイドル界屈指の名曲




『Chu! Chu! 晴れる Yeah!』からスタートだ。

胸のあたりをつかまれるようだ。この曲を聞くたびに、この感覚を覚える。

ふと見ると、AeLL.のTシャツを着たファンのひとりが泣いていた。泣く曲じゃない。こんなにいい天気で、こんなにも空が青くて、こんなにも素晴らしい曲を歌っているのに。




少しずつ少しずつ、AeLL.と一緒にいる時間が無くなっていくせつなさを感じているのだろうか?

ふと見ると、泣いているファンはひとりやふたりではなかった。それは汗なのか、涙なのかはわからない。彼らは、頬を濡らしていた。

AeLL.は、AeLL.ファミリー(AeLL.のファンの意)といい、曲といい、とびっきりの「アイドル」を持ったグループだったんだな、と思った。

やがて時間が導いてくれるだろう。ふと見ると、ステージ上で歌っているリーダーの西恵利香が、何度も何度も、目の下をこすっていた。

あれは、汗だったのか、涙だったのかはわからない。ただ、AeLL.というアイドルを目に焼き付けておこう。そう思った。

★GEM【ジェム】(SMILE GARDEN)









SUPER☆GiRLSや、Cheeky Parade(チーキーパレード)の妹分として今年の1月1日にメジャーデビューした彼女たち。

デビュー曲の『We’re GEM』からスタート。

最初は「先輩のスパガの王道さと、チキパの元気さを兼ね揃えたようなパフォーマンスだな」と思っていたのだが、すぐに「これはGEMオリジナルの空気感を作り出している!」と思い直した。

ポップさ、アイドルっぽさ、そしてそのわりにキッチリと踊る。

そしてなんと言ってもセンターの武田舞彩(まあや)の圧倒的なカワイサである。素人でも「アイドルオタクたちがよく言う、“センター感”というのはこういうことを言うのか!」と理解できるほどのセンター感だ。

それに加え、村上来渚(らな)の歌声だ。まっすぐなのに憂いのある、魅力的な声。まさにステージ上で“輝いて”いた。

10個の宝石たちが輝く引き出しを不意に開けてしまったような、そんなステージだった。

★東京パフォーマンスドール(SMILE GARDEN)









かつて、篠原涼子や穴井夕子などを輩出した東京パフォーマンスドール。

新生東京パフォーマンスドールは、一体どんなものなのか? 気にはなっているが、観る機会がない。そんな人も多いことだろう。

恥ずかしながら、我々「TIF大好き取材班」もそんな「新生TPD初見組」だった。

しかし、前日のENJOY STADIUMでのステージを観てド肝を抜かれていた。そこで再び、スマイルガーデンでのステージもも観ることにしたのだ。

まず、彼女たちはライブ中にMCを入れたり、休むことはない。前日のステージでも、この日のスマイルガーデンも踊りっぱなしだ。曲と曲の間も切れ間がない。メドレーのように続けて歌う。

ダンスも驚くほどにレベルが高い。その上、まったく笑顔を絶やさない。ダンスの一瞬の合わせがガッチリとハマる。

どこを取っても、……ちょっとどうかと思うほどのパフォーマンスなのだ。

スマイルガーデンの1曲目は、『ダイヤモンドは傷つかない』。第一期のメンバーがその昔歌っていた名曲だ。しかも現代リミックスがスタイリッシュかつ、多幸感がハンパない!

高嶋菜七(なな)の主役感。上西星来(せいら)の透明感。脇あかりの笑顔。小林晏夕(あんゆ)の気高さ……。

9人全員が白い衣装に身を包んでいるにもかかわらず、なんとなくどんな性格をしているのか想像がつくのだ。

例えるならば、様々なマンガやアニメに出て来るヒロインたちを集めて作ったグループのようだ。

そんな彼女たちが口にする「夢」「勇気」。そんな言葉を、これだけ説得力を持って歌えるアイドルは、そういない。

「東京パフォーマンスドール」という、歴史の看板を背負った彼女たちは、今、白いスタートラインから駆け出したところだ。

新生東京パフォーマンスドール。今こそ、しっかりと観る価値のあるグループだと感じた。




★青山☆聖ハチャメチャハイスクール(SMILE GARDEN)









今回、実はTIF初参加となる青山☆聖ハチャメチャハイスクール。略してメチャハイ。




「私たち、青山☆聖ハチャメチャハイスクール!」「TIF2日目、スマイルガーデン!」「行くぞーー!」

雄叫びを上げながら、拳を突き上げステージにメンバー5人があらわれた。




客席には、メンバーそれぞれの名前が書かれたのぼりが掲げられ、まさに“戦さ”的な盛りあがりを見せている。

1曲目は『STARTING OVER』から。スマイルガーデンに響きわたる“コドモ声”! そして真夏に似合う“抜けるような元気”!

そこには、カッコつけるための洗練されたダンスはない。「そんなことよりハチャメチャに騒ごうぜ!」とメンバー全員が言ってるようだった。

2曲目は、これ以上にないサマーソング『サマー・オブ・ラブ』!

さらに、現代のアイドルの方程式をハチャメチャにやぶるように、歌う。踊る。メンバーからも、ファンからも、「俺たちは、今、走る!」という覚悟が感じられた。

気をてらったことはしていない。その圧倒的な「個性」から繰り広げられるパフォーマンスは、心の中に、なんとも言えない感情を残していった。

もしかしたら、TIFに参加している中で、これほどまでに「夏」が似合うグループは、いないかもしれない。

★LoVendoЯ【ラベンダー】(SMILE GARDEN)









あの「田中れいな」がLoVendoЯとしてTIFに初登場。

LoVendoЯは、元モーニング娘。の田中れいな、田中と共にダブルボーカルを務める岡田万里奈、ツインギターの魚住有希、宮澤茉凛(まりん)の4名で結成されたガールズバンドである。

歌はもちろん、MCになれば、さすがは田中れいな。

「れいなたちは『やっぱりバンド』で『アイドルです!(きゃぴ)』ではないやん? でもアイドルのファンの方達はあったかくて観てもらえるのをすごく楽しみにしてきたので、みなさん今日は一緒に盛り上がってくださーい!」

と、得意のトークで観客から大きな声援が上がっていた。

この日は『イクジナシ』『不器用』『Rockの定義』『人生マニアック』『BINGO』の5曲を披露。

本格的な生バンドのロックサウンドと、キュートな田中の声と、“強さ”を持つ岡田のツインボーカルが観客を沸かせていた。

★小桃音まい(MYNAVI STAGE)









ここからは、フジテレビ本社屋の正面玄関のマイナビステージで行なわれた『Solo Idol Stage』と銘打った、ソロアイドル7人の10分一本勝負の様子を紹介しよう。

このマイナビステージは、一般客も多く目にする、アイドルたちにとってはある意味「チャンスの詰まった場所」である。

その一発目を飾ったのは今年4月に活動5周年を迎えた民族大移動系アイドル小桃音(ことね)まい。




最小限のMCで『ダンシン☆ハイスクール』『Magic kiss』『BANG BANG 鼓笛サンバ』の3曲を連続披露!

小さい体ながら小気味良いステップと大きく切れのあるダンスでパワフルなステージを魅せつけた。

最後の『BANG BANG 鼓笛サンバ』では旗を持った“こと民”(小桃音まいファン)達が片側に一度圧縮してスペースを作り、小桃音の動きに合わせた綺麗な民族大移動を魅せ、初めてそれを見た人々から歓声が上がった。

ちなみに小桃音まいの野外ステージでは雨が降ることが多く『伝説の雨女』などと言われることもあったが、今回のTIFではいずれのステージも晴天となった。通り名どおり雨を期待した人もいたとかいないとか……。




★寺嶋由芙(MYNAVI STAGE)









2番目に登場したのは「古き良き時代から来たまじめなアイドル」とこ寺嶋由芙(ゆふ)。「ゆっふぃー」の愛称で知られている。

夏らしくひまわりをモチーフにした衣装がとてもキュート。ゆっふぃーが登場した時点で観覧スペースは超満員となっていた。

一曲目『#ゆーふらいと』の後「このステージ、オタクの皆さんと楽しめたらと思います」といつものゆっふぃーらしい率直なトークが炸裂。観客から「オタクの皆さんって!(笑)」と、笑いが起こった。

2曲目『カンパニュラの憂鬱』はラテンサウンドと小気味よいダンスが見どころの夏ソング。

観覧スペースではゆっくりとしたサークルモッシュが起こり、どこからかシャボン玉が飛んでくるなど、楽しく夏らしいステージの印象を残した。

「アイドル界の暴走機関車」と呼ばれていたBiS脱退後、ゼロからスタートした彼女の目指すアイドルの道が、この先ひまわりのように花開くことを願いたい。

★吉川友(MYNAVI STAGE)









3番手は「ワガママBODY(自称?)」と、あっけらかんとした明るい性格を併せ持つ「きっか」こと吉川友(きっかわゆう)。

ワガママBODYを包み込んだ、露出の多い綺羅(きら)びやかなカーニバル衣装は人々の目を惹いた。

冒頭「TIFとお客さんの心に大きな傷跡を残したい」と意欲を見せるMCを行なったきっか。(注・きっかは「爪あと」の事を何故か毎回「傷跡」と言う)

新曲『URAHARAテンプテーション』から始まり『Candy Pop』ではきっかコールが巻き起こった。

最後のMCでは「ツイッターやってる人は『吉川友のワガママBODYが良かったよ』とつぶやいてください!」といつものお願いもかかさない。

ちなみに吉川友は一番最初に『ワガママBODY』という言葉を聞いたときに、「不摂生なだらしない体型」と勘違いしていた……とかいないとか。

★小池美由(MYNAVI STAGE)









約半年前、TIFの存在を知らなかった駆け出しアイドルは「小池もそれ出たい!」と言っていた。

そこから半年足らずで無名のアイドルが奇跡の大ブレイク。今年のTIFに見事出演を果たした。

メジャーデビュー曲『宇宙かくれんぼ』後のMCコーナーでは「小池のことをもっと知りたいという人のために、チラシで飛行機を作りました!」と、チラシ紙飛行機を飛ばす。しかし紙飛行機は、大きく風に乗り観覧スペースを飛び越え着地。大きな歓声が上がった。

そして、小池とファンのお約束芸……

小池が「みなさんに小池からとっても悲しいお知らせがあります。なんと、次が最後の曲になります!」と言うと、

ファン全員が両拳を上げて「やったー!!」と叫ぶ!

ファンがしっかりと来ていたことで、初めて見る人々のド肝を抜いた。

続いて、「みんなそこは『えー!』って言わなきゃダメだよ! じゃあもう一回行くね!」と、2度目の「最後の曲でーす!」を発動! すると、観覧スペースの外で観ていた観客からも「やったー!!」の声が上がる!

小池の人気が秒単位で上がっていく様子が見て取れた。




★大森靖子(MYNAVI STAGE)









午前のENJOY STADIUMでは、最初から最後までしっかりと歌い上げる素晴らしいライブを行った大森靖子(せいこ)。(この人は、ちゃんとに歌うことが珍しい)

このマイナビステージではガラリと方向を変え、ハチャメチャなパフォーマンスを敢行した。

1曲目『ミッドナイト清純異性交遊』では、尊敬するモーニング娘。の道重さゆみの「道重依存」Tシャツを脱ぎ捨てた。するとその下は、ピンクのラインの入った競泳水着(!)

そのまま、ステージの机に置かれた小銭を握ると、ステージからダイブ! 尻もちをつきつつ、近くにあるガチャガチャに走る! カプセルを持ち帰ったかと思えば、それを観客に投げた! そして、使い切れなかった小銭も投げる!

そうかと思えば、唐突にアカペラでspeedの『Starting Over』をモノマネで歌いだした。

そして、最後の一節で観客にマイクを向け「SEY!」と叫ぶ!

すると観客から「負けないで!」と大きなレスポンスが起こった。

……もう、一体何が起こっているのか? 意味がわからない。

『音楽を捨てよ、そして音楽へ』では「脱法ハーブ握手会風営法放射能」という過激なワードが飛び出した。

……ある意味、爪痕しか残らないライブだった。

★吉田凛音(MYNAVI STAGE)









6番手は『脅威の歌唱力の13歳』という圧倒的な歌声と、『北の橋本環奈』とも呼ばれている可愛らしいルックスで話題の吉田凛音(りんね)。

どこに行っても話題な“天才少女”が、TIFのステージでも魅せた。

Buono! の名曲『初恋サイダー』のカバーを本家に迫る迫力で歌い上げ、会場は一気にバーニング! 次の『Re Lord』では、小さなダンサーふたりを引き連れ、ダンサブルなステージを披露した。

まだ知名度がそれほどない彼女だが、今回のTIFをきっかけに“吉田凛音”という名前が広がっていくのは間違いないだろう。

ちなみに吉田は、アクターズスタジオ北海道本部スターゲート校1期生。同期である松田真凜との『まりんね』というユニットでも活動中だ。

それ以前からニコニコ動画などで『りんね』名義で踊ってみたなどを投稿している踊り手でもある。興味がある人はチェックするといいだろう。

★クルミクロニクル(MYNAVI STAGE)









『Solo Idol Stage』のラストを飾る7番手は「暑い中、皆さんご苦労様です!」と深々とお辞儀をする『謙虚すぎるソロアイドル』クルミクロニクルの登場だ。

パッと見、地味な私服のワンピの黒髪の少女。しかし、透明感あふれる歌声と尖ったEDMサウンドを武器に観る者ココロをワシ掴む。

真夏のステージにひとときの爽やかな風を吹かせた。

そんなふんわりな彼女だが、『輝け空色少女』では元気なジャンピング横移動を見せ、観客を沸かせる。

現在17歳。受験を控えた学業専念の為、活動を制限している彼女。『クルミクロニクル』という名前はクルミの活動の歴史を記録するという意味合いで付けられた芸名である。

8月6日には『17』と『Touch Me』というシングルを2枚同時リリース。

本格的な活動に期待したいシンガーソングライター・アイドルである。

『Solo Idol Stage』の最後に相応(ふさわ)しい、幸せな時間だった。




★でんぱ組.inc(HOT STAGE)









5月6日に日本武道館でのコンサートを成功させ、今、飛ぶ取りを落とす勢いのでんぱ組.inc。

HOT STAGEの無料域スペースがビッチリと埋まる。前日のHKT48に並ぶ勢いの観客数。多くのCMにも出演し、誰もが注目中なのだ。

1曲目は多幸感いっぱいの名曲『でんでんぱっしょん』。いつもは新体操のリボンを回して歌うこの曲、今回はサイリウムを振り回す。

リボンを持ってのダンスは、メンバーの振りを大きく見せる効果があるが、今回はサイリウム。どうなるかと思ったが、そこはでんぱ組.inc。説得力のあるパフォーマンスを見せてくれた。

そして、『なんてったってシャングリラ』『キラキラチューン』『ORANGE RIUM』へと続く。あるときは「奇妙な動き」。あるときは「お芝居のような動き」。その変幻自在なダンスに、誰もが目を奪われていく。

そのパフォーマンスのトリッキーさに、最前列の客が面食らっていたのか、固まっていたのが印象的だった。

そして最後は、カップラーメンのCMソングでもある『ちゅるりちゅるりら』でシメ。




無料域スペースから、はじめて彼女たちを観たであろうカップルが「こりゃ、おもしろいわー」と、嬉々として話していた。

今、日本中で、でんぱ組.incを見た多くの人々が、そういう感想を持っていることだろう。

★LinQ(HOT STAGE)









福岡四天王の一角であり、もうほぼ全国区と言ってもいいであろうLinQ。

1曲目は、LinQお得意の“学校ギミック”曲『チャイムが終われば』から。イスを持参で、起立&着席。大人数で、圧倒的な学園青春感をアピールしてくる。

続いて天野なつが「LinQと言ったら……これだよね!」と掛け声をかければ、キラー曲『ハジメマシテ』がかかる。

たしかに、LinQにとって『ハジメマシテ』はデビュー曲であり、キラー曲である。しかし、この曲をガッチリ持ってきた意味とは、いったいなんなのだろう。

LinQは、1月に発売された『カラフルデイズ』が、なんとオリコン2位を獲得。「地方アイドルの星」という立ち位置を確立しつつある。

そんななかのHOT STAGE。彼女たちは、『カラフルデイズ』ではなく、『ハジメマシテ』を選んだのである。

これは、「私たちは、まだまだ、多くの人にとっては“ハジメマシテ”なんだ」そう、しっかりと心に刻んでいるように見えた。

★アイドリング!!!(HOT STAGE)









HOT STAGEのトリを務めるのは、毎年、このTIFにおいて、ホスト的な役割りを担っているアイドリング!!!。

1曲目の『シャウト!!!』から始まり、2曲目は3期生によるユニット、“HIP ATTACK from アイドリング!!!”が歌う『黄金蟲(こがねむし)』へ。お尻をキュートにボーンと出す振りに、客席が沸く。

昨年のTIFで大盛り上りとなった夏ソング『サマーライオン』もバシッと決まり、会場のボルテージは最高潮へ!

……と、そんなとき。バラエティ番組『アイドリング!!!』でMCを務めるフジテレビの森本さやかアナウンサーが、「サプライズ発表があります!」と、突然ステージに現れたのだ。

「えー、何???」「何も聞いてないんだけど!」と大騒ぎするメンバーの中に、いつもならば、一番大声で騒ぐメンバーが黙っていた。

「それでは発表します!」

森本アナがHOT STAGEの巨大モニタを指さす。そこにはこんな文字が映しだされた。

「11月24日にNHKホールにてナンバリングライブを行ないます」

「そのライブで卒業するメンバーがいます」

「そのメンバーとは……菊地亜美」

悲鳴にも近い、歓声が鳴り響いた。

「私は17歳の時にアイドリング!!!に入って6年間いさせてもらったんですけど、みなさんがいないと今の私はないと思います。私はアイドリング!!! 当初からバラエティ番組で活躍できるタレントさんになりたいって思っていて。6年間でアイドリング!!! で学んだことをそのまま生かせるように、新たなステージに旅立ちたいと思います!」

多くのメンバーが泣いていた。あまりにも衝撃なサプライズ。会場全体が受け止めることができなかった。

そんな雰囲気を噛みしめ、前へ進むように、最後は“夢のための卒業”を歌った『Shine On』。

それぞれの期のメンバー順に前方へ進んでいく振りがあるこの曲。

2期パートでは、メンバーが笑い、泣き、菊地亜美にしがみついていた。

彼女の卒業まで約3ヵ月。彼女のいるアイドリング!!!に注目したい。




★Dorothy Little Happy(SKY STAGE)









ガーリーな世界観と、たしかな実力の持ち主、Dorothy Little Happy。

夕暮れのSKY STAGEへとやってきた。ドロシーにとって、今年のTIFラストステージである。

ドロシーほど、TIFを大事に思っているグループはないだろう。

2011年、仙台を本拠地にする彼女たちは、あの震災で自分たちも被災。メジャーデビュー曲となったCDが店頭に並ばなかった。

そんなドン底の彼女たちが、起死回生で挑んだのが2011年のTIFだった。そこで大きく注目され、彼女たちの客は10倍以上に増えたのだ。

そんな彼女たちの、TIF最後のステージ。

夕暮れに美しく輝く姿。ゆっくりと帳(とばり)が降りて来る。夕暮れのカーテンに身を包むようにして、ドロシーは踊り、歌う。

幻想的で、かつ、なんとも現実的で、まるでリアルな夢を観ているようだった。

そして今年のTIF最後の曲。

「このステージにピッタリな、こんな曲を用意しました。『ストーリー』」

客席から歓声が上がる。今の彼女たちの言語化できない魅力を、すべて注ぎ込んだ名曲『ストーリー』だった。

5人が空を見上げ、くるくると回る。その姿に鼻の奥で何かがジンと響く。

大きな夕やけの道を、好きなあなたとはじめて帰る。何も言ってくれなかったけど、そんなあなたと一緒にストーリーを紡いでいきたい。

それは多くのファンがドロシーに、ドロシーがファンに抱いている気持ちそのものだ。そんなシーンをリアルな夕やけの中で染みるように聞く。なんと幸せな空間なのだろう。

夕暮れに振られるひらりひらりと舞う手の平は、ボクたちの夏に手招きしているようだった。

この日、この場所で、このステージを観た人たちは幸せだ。「この瞬間」を共有できる幸せ。それもTIFの醍醐味(だいごみ)なのである。

★PASSPO☆(SMILE GARDEN)









「アテーションプリーズ!」いつものovertureが鳴り響く。

真っ暗になったスマイルガーデンに現れたPASSPO☆。彼女たちにとってTIF最後のステージということで、完全にアクセルベタ踏みだった。

1曲目は、真夏の夜にピッタリの『夏空HANABI』から。それぞれのメンバーカラーの扇子を振り乱して舞う、舞う、舞う!

続いては、振りコピによる一体感が快感な『マテリアルガール』へ!

サビ部分でメンバーが「上!」「前!」「開いて!」「ヘイ!ヘイ!」と、観客に振りを求める。客はそれに応える。

何度も繰り返すサビ。どんどんどんどんボルテージが上がっていく。最後のサビで、スマイルガーデンは異常なほどの興奮状態へ!

そのままの流れで『くちゃLOVE』そして、タオルをメチャクチャに振り回す『LA LA LOVE TRAIN』へ。

そして最後は、6月に発売された彼女たちの新曲『向日葵』。

リードボーカルの森詩織(メンバーカラー黄色)が、メンバーのヒザの上に立ち上がり、まるで向日葵のように力強く歌う。

「優しさとは、強さ」

ただ盛り上がるだけじゃない。力強さと彼女たちの想いを感じる、重厚さもあるステージだった。

★東京女子流(SMILE GARDEN)









スマイルガーデンのトリとして登場したのは、東京女子流。

2010年にデビューしたとき、センターの新井ひとみは小学生だった。

あれから5年。しっかりとした実力派となった彼女たちは、スマイルガーデンに最後に立っていた。

1曲目は、7月発売の新曲『Count Three』。ここで、あることに気付いた。

跳び、踊り、歌う新井ひとみが、異常なほど輝いているのだ。いつの間に、こんなに綺麗になったのか?

その美しさは、彼女たちの成長を意味していた。彼女たちが立つ場所。それは、大きな成長がなくては手に入れられないものなのだ。

『Count Three』が持つ、力強さと大人っぽさが、新井ひとみを、メンバーたちを輝かせていた。

そして、ここからは“THE・女子流”といった選曲へ。

『Overnight Sensation』で、両手をグルグル回し、『おんなじキモチ』で、両手を左右に振って、『頑張っていつだって 信じてる』で、庄司芽生の「大好き!」に雄叫びを上げる。

そして最後は、女子流最強のアップテンポ爆弾『Attack Hyper Beat POP』。

こうして「女子流らしいステージ」で少女たちは、スマイルガーデンを締めくくった。

また来年の夏、彼女たちはさらなる“成長”という名の“進化”を魅せてくれることだろう。

* *

今年も日本最大級のアイドルフェス、東京アイドルフェスティバルは幕を閉じた。

昨年から変わったことも多い。ステージの場所も変われば、出場するグループの顔ぶれも大きく変わった。

しかし、変わらないものがある。

それは、毎年まじりっけのないキラキラと輝く笑顔を魅せてくれるアイドルの存在。

そして、それを必死になって応援し、喜び、涙するファンの姿である。

このご時世、さまざまな問題が浮上する。

アイドルファンや、アイドル自体が非難されることもあるだろう。

しかし、きっと。

この2日間。駆け抜けた僕らと、彼女たちの、まっすぐなココロさえあれば、きっと大丈夫なのではないだろうか。

この先にどんな道があろうとも。

だから、そのためにも。TIFをなくさないよう、みんなで走っていきましょう。

あ~~~。本当に楽しかった! ですよね?

(取材・文/TIF大好き取材班、撮影/武田敏将・関根弘康)

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