「リベンジ転職」のための業界天気予報 (5)バブル再び!も、今がピークでハードルも高すぎる「金融業界」

週プレNEWS / 2014年9月1日 6時0分

ホントに景気回復しているのはどこだ? 転職先として気になる各業界の現状と先行きをインサイダー&専門家の声を聞いて予測するシリーズ第5回!

肌感覚で景気動向をいち早くつかんでいるのが、お金を商品として扱う金融業界だ。

メガバンク勤務の35歳男性は、「ついに自分たちの時代が来た」と喜ぶ。

「就職氷河期に入行した僕らは当初からパッとせず、リーマン・ショックでさらに追い打ち。それがアベノミクスのおかげで、景気がものすごく上向いてきました。首相が意図的に株価を上げてくれたのが大きい。これは新バブルですよ」

ベアで給料アップ。福利厚生も見直され、家賃補助も増額。体感としては、月に数十万円の収入増だという。年収1200万円を超え、順調に貯金額を膨らませている。

ライバル行の30歳男性行員もウハウハだ。

「銀行にとって、一番痛いのは企業の倒産。貸した金が返ってこなくなるわけですから。安倍政権はさまざまな税制改革、中小企業救済策などを導入し信用コストを軽減、倒産リスクを大幅に削りました。

サッカー日本代表がユニフォーム姿で登場する当行のCMをご存じでしょう。あれなんかは、まさに景気がよくなった象徴ですよ。以前は考えられませんでした。十数年ぶりにベアがありましたが、それ以上に景気回復を感じるのは、“工場見学”という名の海外接待旅行が復活したこと。リーマン・ショック以降、まったくなかったですから」

もっとも、バラ色の人生を謳歌(おうか)している銀行員といえども、将来への不安は少なくない。35歳銀行員は言う。

「銀行員の給料は確かにいいですが、50歳まで働ければいいほう。関連会社に出向できればまだ恵まれていますが、その確率は1、2割。取締役になれるのは1000人のうち30人くらい。日本の企業で最も出世競争が厳しいのが銀行で、敗者復活もない世界です」

さらに、彼らは景気の先行きについても次のように心配する。

「アベノミクスは国民の税金で景気を動かし、自民党は人気を得ました。でも、その反動でこれからは消費増税で痛みを強いられます。しかも、物づくりを支える中小企業は景気回復していない。今がピークでしょうね」(35歳銀行員)

投資のプロも景気の先行きについては悲観的だ。

「このまま東京五輪まで好景気が続くなんてことはあり得ません。現在も、株価の上昇に実体経済がついてこられなくなっている。これは、かつての不動産バブルやITバブルのときと同じ状態です。今年末には景気上昇も落ち着いているはずですよ」(ベンチャーキャピタルの投資家)

保険業界についてはどうか。大手生命保険の中堅社員が打ち明ける。

「会社の業績は上がっているので特別ボーナスが少しだけ出ましたが、月給は以前と変わっていない。正直、景気がよくなったという実感はありません」

それでも、「3・11」以降、保険の重要性が見直されたことは追い風。来年1月からの相続税改正や不動産価格の値上がりにより、節税対策として保険を活用する動きも活発になるなどプラス材料も多くある。銀行、保険、証券などの金融業界が最も稼げる業界のひとつであることは間違いないだろう。

ただし、現役銀行員によると、「金融業界は外様を受け付けない体質のため、優れた専門性でも身につけていない限り、他業界から転職するハードルは極めて高い」という。

半沢直樹のように過酷な競争にあえて挑んでいくなら別だが、周りのねたみ、恨みをはね返し、ライバルを蹴落とす覚悟がなければ、好待遇を手にすることはできない。

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