セルジオ越後の一蹴両断!第369回「ドルトムント復帰はベストの選択。香川には得点王争いを期待したい!」

週プレNEWS / 2014年9月11日 11時0分

欧州の移籍市場が閉じる前日に、香川真司の3シーズンぶりとなるドルトムント(ドイツ)復帰が決定した。

率直に、今の香川にとってはベストの選択だね。

プロは試合に出てなんぼ。十分な出場機会が見込めなければ、たとえクラブの格が落ちても、自分の力を必要とする新天地を探すのは当然のこと。

事実上の戦力外通告を受けての移籍で、本人は不本意だろう。でも、彼はまだ25歳。今後のサッカー人生を考えれば、賢明な選択だと思う。

マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)では、入団当初から香川の序列は低かった。当時、日本のメディアは「世界のスターの仲間入り」と報じていたけど、現実はルーニー(イングランド代表)やファン・ペルシ(オランダ代表)といったスター選手の引き立て役のひとり。香川が最も得意とするトップ下のポジションで起用される機会は少なかった。

ただ、ビッグクラブとはそういうもの。また、香川もまったくチャンスをもらえなかったわけではない。昨季も何試合かトップ下で先発起用されたのに、目立った結果を残せなかった。ファーガソンからモイーズへの監督交代に伴うチームの迷走という不運があったとはいえ、そこでアピールできなかったのは結局、実力不足ということ。それは本人が一番わかっているんじゃないかな。




今季、マンUの攻撃陣にはディ・マリア(アルゼンチン代表)、ファルカオ(コロンビア代表)といった大物が次々と加わった。残留しても、昨季よりさらに出場機会が減るのは間違いないし、ますます錆(さ) びついて、取り返しのつかないことになっていたかもしれない。

新天地について、ドルトムント以外にも、スペインのアトレチコ・マドリード、バレンシア、トルコのベジクタシュといった複数チームの名前が噂に上っていたけど、言葉を覚え、環境に慣れる大変さを考えると、やはり古巣ドルトムントはベストの選択だ。何より、クロップ監督が香川の理解者なのは大きいね。香川が最も生きる起用法も性格面も熟知している。

かつてのチームメイトも多く残り、サポーターも「お帰りなさい」と大歓迎。その上、マンUが出場権を逃した欧州チャンピオンズリーグでもプレーできる。再チャレンジを始めるには最高の環境だよ。

唯一の不安は、以前と同じレベル、具体的には年間10得点以上の活躍を期待されるなか、結果で応えられるかということ。香川は昨季、マンUで無得点。ボールをもらっても無難にパスをさばくだけで、前線で決定的なチャンスに絡む機会も少なかった。日本代表でもパッとしないことが多かったし、得点感覚が鈍っているのではないかという懸念はある。

ドルトムントが最高の環境だからこそ、そこで結果を残せなければ、いよいよ「終わった選手」とレッテルを貼られ、今度は本当に行き場を失ってしまう。それは日本代表でも同じ。今まではマンUの名前で招集されていた部分もある。これからは活躍しなければアギーレも呼ばないだろう。

だからこそ、本人には背水の陣のつもりで頑張ってほしいし、個人的にはぜひ岡崎慎司(マインツ)とブンデスリーガの得点王争いをするくらいの活躍を期待したいね。

(構成/渡辺達也)

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