緊急警告!原発が危ない?“自国育ちテロ(HGT)”が日本でも起きるとしかいえない理由

週プレNEWS / 2014年10月3日 6時0分

イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」(以下、IS)が活動するイラク・シリア地域に、アメリカを中心とした連合国による空爆が行なわれている。しかしISは、自分たちを攻撃する欧米各国からもメンバーを迎え入れ、世界中から多くの共鳴する若者が参加、勢力を拡大している。

そういった背景の中で、「HGT(HomeGrown TerrorismあるいはTerrorist)」と呼ばれる動きが各国治安当局で危惧されているという。日常の不満や差別からISの思想に共鳴し、過激組織のメンバーに所属していないにも関わらず、自国で単独テロに走る“潜在的テロリスト”たちのことだ。

これは、我が国でも対岸の火事と無関心ではいられない問題となっている。アメリカの同盟国である日本で、HGTによるテロ発生の可能性はどれほどあるのか?

まず、テロの標的となる理由は十分にある。自衛隊は軍事行動に参加していないものの、安倍首相は同盟国としてアメリカ中心の対テロ作戦を支持すると明言しているからだ。

とはいえ、ムスリムではない日本の若者が、ISの思想へ傾倒した挙句にHGTとなる可能性は考えにくい――そう思うのが普通だろう。

しかし、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏の見解は違う。

「日本にも、未来が見えない現状に不満を持つ人は少なくないですよね。親の世代は国を強大なものとみている。面倒を見てくれると思っている。でも、現実はどう考えても違う。格差もある。いくら選挙でちゃんと考えて投票しようが、たとえ立候補しようが、国自体の枠組みが現実に追いつかないとしたら、どの党が政権をとっても対応できない。大人たちは問題から逃げているとしか思えない。

そういう思いに駆られる、とても純粋な若者に大人たちはもう『強い父親像』みたいなものを示せない。解決策も提示できない。そこに『本当に強い父親は国家ではなく、超国家的な存在だ』とISがアピールする。世の中を変えるプランもはっきりしている。そこにガーンとくるということは、日本でもあり得ると思いますよ」少なくとも、ISの言い分に傾倒してしまう人間が出る可能性は否定できない。では、その背中を最後に押すものは?

「例えば、アメリカ人が集まる広尾や六本木のバーが過激派の自爆テロでやられたとします。その気になれば、自爆の瞬間まで動画で生中継できますよね。そういうショッキングなものを見て、ヒロイックに思う人も出てくるかもしれない。

あとは、なんらかの理由で、ISの思想をネイティブの日本語で語り、扇動(せんどう)する戦士が出てきた場合。これはかなりアピールになります。ひとりいれば、今の時代はみんながネットで見る。それが1万人のうちひとりに刺さったら、ふたり目、3人目もじきにジョインするでしょう」(モーリー氏)

こうした見方に賛同するのは、かつてフランス外国人部隊の一員として2度、アフガンへ派遣された反町五里氏。反町氏は日本で自分の現状に満足できず、映画で見た戦争とそこにある戦友との絆、栄光、本物の銃に憧れて渡仏したという。

「正直、ISのサイトをじっと見ていると、『俺も行ってもいいかな……』と思う瞬間があります。自分探しのような気持ちから、僕と同じように感じる人もきっといるでしょう。でも、今のサイトは英語とフランス語だから日本人にはわかりづらい。日本のことを知っている人間が日本語できっちり構築した呼びかけを行なったら、それはかなり危険ですね」

もし日本でHGTが起こるとすれば、どんなタイプのテロになるのか。欧米の民間軍事会社に雇われ、傭兵として働いた経験を持つ日本人コントラクターA氏はこう予測する。

「日本は銃器の入手が難しい。となると、手口としては爆弾テロ、クルマで繁華街に突っ込む、人混みで刃物を振り回して刺しまくる、といったあたりになるでしょう。特に爆弾に関しては、日本でもIED(即席爆弾装置)は簡単に作れる。2009年には、北海道の高校1年生がネットで材料を買い集め、2005年のロンドン同時多発テロでも使われたHMTD(ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン)という爆弾を製造していたケースもありました。それを起爆させるための雷管も2007年に無職の中年男性が、ネットで買い集めた材料だけで製造に成功しています」一方、元警視庁刑事で犯罪学者の北芝健氏は、次のような手口を警戒すべきと語る。

「過去に起きた大事件に照らせば、例えば2008年に秋葉原で起きた事件のような無差別殺傷、あるいは冷凍食品に農薬を混入するなどの食品テロも可能性としては十分に考えられます。それと、一番怖いのは原発関係者によるテロ。今は原発労働者も大変な人手不足ですから、テロを決意してから作業員として雇われ、潜入することも決して難しくない」

目の前にある現状への不満をきっかけに、知らぬ間に人の心に染み込んでいくISの呼びかけ。日本は安全だ、オレには関係ないことだ、などとまったくの無関心でいる人が多いとすれば、それが一番危ないのかもしれない。

(取材/小峯隆生)

■週刊プレイボーイ41号「各国当局がマジで最警戒 自宅警備テロリストHGTはキミかもしれない……!?」より

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