北朝鮮クーデター説も流れた最高幹部電撃訪韓の真意とは?

週プレNEWS / 2014年10月22日 6時0分

今月、北朝鮮でクーデターが起きたとの情報がまことしやかにささやかれていた。「実権を党組織指導部が握り、金正恩は軟禁状態にある」というのだ。

そんな情報が出回った背景には、“異例”続きの北朝鮮の動静があった。

「異例も異例。長く北朝鮮をウオッチしているけど、こんなケースは見たことなかった」

そうコリアウオッチャーが頭を抱えるのも無理はない。仁川(インチョン)アジア大会の閉会式があった10月4日、突然、北朝鮮が最高位幹部3人を韓国に送り込んできたのだ。これの何が「異例も異例」なのか。前出のコリアウオッチャーが説明する。

「閉会式の前日に、北朝鮮が突然、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長、崔竜海(チェ・リョンヘ)国家体育指導委員会委員長、金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党統一戦線部長の3人を訪韓させたいと言ってきたんです。黄氏は事実上のナンバー2、崔氏はナンバー3と目される超大物。そして金氏も、対韓国交渉の最高責任者。こんな大物ぞろいの外交団など過去にはあり得ない」

どうあり得ないのか?

「この3人が一緒に行動して、もしも間違いーー飛行機が墜落したり、あるいは彼らが第三国へ政治亡命するような事態が起きたら北朝鮮の指導部は一気に崩壊しかねない。これまで北朝鮮は、必ずそうしたリスク回避をしてきたはずなのに……」

北朝鮮の“異例”はもうひとつあった。9月3日を最後に、金正恩(キムジョンウン)第一書記がずっと姿を見せていなかったのだ。

その直前、北朝鮮メディアは足をひきずる第一書記の映像ニュースを配信。しかも10月4日に韓国を訪れた際、3人は、(これも過去にあり得ないのだが)金正恩の「親書」を持っていなかった。また、韓国側が慌てて3人に朴(パク)大統領との会談を打診したのに、12時間ほどの滞在であっさり北朝鮮に帰ってしまったこともさらに謎を深めた。

これくらい前例のないことが重なれば、当然、金正恩の重病説や失脚説が乱れ飛ぶ。今回の「北朝鮮クーデター説」が、ただの臆測を超えるリアリティを帯びたのも無理はなかったのだ。

ただ、クーデター説は10月14日、朝鮮労働党の機関誌が、金第一書記の動静を伝えたことで否定された。ということは、今回の電撃訪韓は金正恩第一書記の裁可によるものだったということになる。

では、その意図は? この疑問に韓国外交部の関係者がこう答える。

「正直、われわれもわからないことだらけです(苦笑)。しかし、北朝鮮が現在の孤立化から脱却するため、外交チャンネルの多角化にかじを切ったことは確か」

謎が深まるばかりの北朝鮮。何を企んでいるのか、その動向に注目だ。

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