「カップヌードル」に追随し即席麺が円安ドミノ値上げ、もはや企業努力ではどうにもならない!

週プレNEWS / 2014年10月23日 6時0分

急激な円安の進行や世界的な原油高の影響を受け、食品の値上げラッシュが始まった。その号砲を鳴らしたのは即席麺。9月29日、業界最大手の日清食品が来年1月出荷分からカップ麺や袋麺を5%から8%値上げすると発表したのだ。

「カップヌードル」が現行の170円から180円に、袋麺「チキンラーメン」「出前一丁」が1パック500円から525円に値上げされ、その対象は全商品の半数に相当する約250品目に及ぶ。同社の即席麺売上全体の80%を稼ぎ出す人気商品が中心だ。

日清食品の広報担当者がこう話す。

「原材料費や包装材の価格高騰を企業努力では吸収できない状況となっており、やむを得ない措置でした」

同社の2008年以来7年ぶりとなる値上げの発表に、他社も“右へ倣(なら)え”で追随する。

10月2日には東洋水産が来年1月出荷分から「マルちゃん 赤いきつねうどん」(170円→180円)など約200品目を、翌3日には明星食品が「一平ちゃん」(170円→180円)など約100品目を5~25円引き上げると発表した。

さらに、その4日後にはサンヨー食品が「サッポロ一番みそラーメン」(100円→105円)など90種類、エースコックが「スーパーカップ1.5倍」(190円→200円)など100品目と、まさにドミノ倒しのように値上げが波及した。

各社、共通して原材料費の高騰を値上げの理由としているが、第一生命経済研究所の主席エコノミスト・永濱利廣(ながはまとしひろ)氏がその原因について解説してくれた。

「今夏から続く急激な円安と原油高が、原材料を輸入に頼る食品メーカーを直撃しました。8月からの2ヵ月で円安は8円近く進み、10月1日には円相場が6年ぶりに1ドル=110円台をつけた。

また、原油価格の指標となるドバイ原油もイラクの混乱など度重なる地政学リスクを受けて、1バレル=100ドル台前半の高値で推移しました。結果、原材料の輸入価格、包装資材、運送費などあらゆるものが企業努力で吸収できないレベルで高騰したというわけです」

即席麺同様の“ドミノ値上げ”は水産加工品でも起きている。

カネテツデリカフーズが8月下旬出荷分から、家庭用、業務用とも全製品の価格を平均15%引き上げ、「ニッスイ」ブランドを持つ日本水産も9月1日出荷分から「おさかなのウインナー」や「かに風味かまぼこ」などを最大16.7%値上げしている。

中堅メーカーの社員がこう打ち明ける。

「大手メーカーが今回の値上げを今年6月の時点ですでに発表していました。当時は練り製品の原料である北米産の冷凍すり身の輸入価格が上昇していましたから。輸入品の値決め交渉は春と秋の年2回なのですが、先日行なわれた秋の交渉ではさらに1kg当たり20円ほど値上げされたので、来年春までに再値上げの可能性もあります。

円安と原油高に加え、新興国のすり身需要の拡大がその原因。企業努力でどうにかなる問題ではないので、大手さんには断固たる値上げの決断をお願いしたい」

一方、マルハニチロはサケ、サバ、カニなどの缶詰め商品を9月に10~30%値上げした。

同社広報担当がこう話す。

「サケは国産を使っていますが、原油高騰で燃油代が高止まり、漁船を手放す漁師さんがかなり増えているようで、漁獲量が相当数減っています。それに伴って魚価が高騰し、弊社の場合、サケ缶の原料価格は5年前と比較すると倍以上です。国産サバも昨年度の価格は前年比3割増。もはや限界でした……」

当然、生魚も同じ状況で、飲食店の値上げもしくは容量が減ることは避けきれないようだ。

そして、食肉。直近では7月に日本ハムがハム・ソーセージ135品目の納品価格を値上げし、8月には丸大食品が同108品目の値上げや減量に踏み切った動きがあるが、今後、豚肉の値上げが加速するとみられている。

都内の食肉卸会社の幹部社員がこう打ち明ける。

「最近の豚肉の値上げの理由はほかと同様、原材料費の高騰なのですが、今後そこに別の要因が重なってきそうなのです。実は、昨年10月頃に豚流行性下痢という感染症が国内で確認されて以降、日本全国の農場に波及し、これまでに37万頭以上が死んでいます。それによって豚肉の流通量が減りつつあるのですが、本格的に影響が出るのは10月から。さらに大きな幅で価格が上昇していくと思われます」

円安と原油高騰が重なったことで起きた値上げラッシュ。この状況で来年の消費増税が加われば、さらに消費者の財布の紐が固くなってしまう!

(取材/興山英雄)

■週刊プレイボーイ44号「円安“ドミノ値上げ”でこの次に高くなる食品!」より

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