廃部危機は当然! 没落ぶりを知らない指導者はいなかったPL学園の不人気

週プレNEWS / 2014年10月22日 6時0分

甲子園で春3度、夏4度の優勝。高校野球の名門、PL学園(大阪府)の野球部が、来年度の新入部員の受け入れを停止することが明らかになったのは10月10日のこと。

「春夏連続出場した2009年以来、甲子園からは遠ざかっていて、現在いる部員の内訳は3年生33人、2年生21人、1年生13人の計67人。毎年10人単位で減少しています。そして、来年度の部員受け入れゼロ決定。PL野球部はこのまま消滅となるかもしれません」(スポーツ紙記者)

清原、桑田、立浪、前田ら多くのプロ野球選手を輩出し、新チームも今秋の大阪府大会で準優勝したばかりだった。そんな名門が、まさか廃部の危機に直面するとは…。

だが、高校野球への選手供給源となる府内のボーイズリーグ関係者の間では、PL没落はとっくに常識になっていたらしい。

あるボーイズのチーム代表がこう語る。

「かつては甲子園を夢見る子らは皆、PL学園への入部を目指したものです。しかし、ここ10年間ほどで大きく変わってしまった。今は大阪桐蔭と履正社(りせいしゃ)が人気を二分しています。そして、両校に入れなかった子らが、次善の選択としてPL学園に行くかというと、それもない。大阪を離れて、地方の有力野球校へ“越境”するケースが大半です」

中学生に敬遠されるようになった最大の理由が、寮での厳しい上下関係や、PL伝統の「付き人制度」だ。

このチーム代表が続ける。

「下級生が先輩の身の回りの世話をするという『付き人制度』は、明らかに時代遅れ。今の子はそんなに我慢強くない。だいたい、プロを目指すような子は皆、気が強い。先輩から奴隷のようにこき使われ、練習時間もろくに取れないのでは、反発するに決まっている。その結果、いじめや暴行などのトラブルが多発したというわけです。数年前には、寮も付き人制度もなくし、再出発を図ったものの、すでに手遅れでしたね」

そんなPL不人気に拍車をかけたのが、監督の長期不在だった。昨年4月、部員による暴力事件の責任を取る形で監督が辞任したのだが、その後任がいまだに決まらないのだ。

別のボーイズの指導者が語る。

「去年、ウチのチームにひとり、PL学園進学を考えている子がいたんですが、『野球を知らない校長が監督としてベンチに入っているようなチームでは、野球は上達しない』と説き伏せ、別の高校に進学させました」

指導者問題だけではない。府内のボーイズの間では、以前から「PL学園はもう野球に力を入れる気がない」と感じさせる事態が続いているという。

「スカウト担当者がいなくなってしまったんです。甲子園の常連だった当時は、練習や公式戦に顔を出し、有望な選手をチェックしては声をかけていたものですが、5、6年前からまったく見なくなった。今、最もチェックに訪れるのは、大阪桐蔭の西谷浩一監督です。去年、ドラフト1位で西武に入団した森友哉捕手なんか、中学2年生のときに、すでに西谷監督がスカウトしていました。

そんな大阪桐蔭などと比べ、PL学園がもはや野球部に力を入れていないことはボーイズリーグ関係者なら誰もが知っています。そんなチームにかわいい選手を送り出そうという気にはなりませんよね」(前出・ボーイズ指導者)

そんな苦境にあっても、今夏、今秋と大阪府大会で準優勝した現役部員たちの頑張りには敬意を表したいが、部を取り巻く状況は想像以上に深刻だ。

(取材/ボールルーム)

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