エボラ出血熱によるガーナ発「カカオ豆危機」でチョコレートが消える!

週プレNEWS / 2014年11月3日 6時0分

大手菓子メーカーがチョコ菓子の主力商品の一斉減量に踏み切ったのは今年7月のこと。

明治が板チョコ「ミルクチョコレート」の縦と横の長さを約1cm短くしたり、森永製菓が「チョコボール」を1粒当たり25gから24gに軽くしたり、ロッテが「パイの実(18袋入)」を6個少なくするなど、実質値上げが相次いだ。主な原因はここにある。

「日本はチョコの主原料カカオ豆の全量を輸入し、その8割をガーナから調達していますが、ここ数年は新興国でのチョコ需要が膨れ、カカオ豆の供給が追いつかない状況になっています。カカオ豆の取引価格は高騰し、7月時点で昨年より5割高、一昨年より7、8割高の水準に達していました」(日本チョコレート・ココア協会)

だが、その後もカカオ豆価格はさらなる上昇を続けた。アフリカ諸国からカカオ豆を輸入する立花商店の生田渉(いくたわたる)氏が言う。

「カカオ豆相場の指標となるロンドン市場では、7月時点で1t当たり1960ポンド前後でしたが、その後も上昇を続け、9月下旬には2187ポンドと今年の最高値を更新。その後、若干の落ち着きは見せたものの、依然として2000ポンド付近の高値圏で推移しています」

なぜか? 生田氏が続ける。

「エボラ出血熱の影響です。世界のカカオ豆生産量の6割がガーナ産とコートジボワール産。現時点で感染者は出ていませんが今後、両国にも感染が広がるのでは?と不安視され、相場を高める要因になっています」

ここへきて先日、世界保健機関(WHO)は現在週1000人程度の新規感染者が、12月上旬には週1万人に急増する恐れがあると警告。国内メーカーが懸念する事態が現実味を帯びてきた。中堅商社のバイヤー、A氏が話す。

「コートジボワールは、今もエボラ出血熱が終息する兆しが見えないリベリアの東隣にあり、ガーナはそのコートジボワールの東側に隣接しています。エボラ出血熱が両国に広がる可能性は低くありません」

そう考えてしまう根拠もある。

「コートジボワールはリベリアとの国境付近における主要道路での検疫を強化していますが、両国の検疫官がいない山道などでもつながっているので、リベリアからの感染者流入は完全に防ぎきれないでしょう。さらに、コートジボワールは低収入なカカオ豆農家からの離農が深刻で、人手不足のために毎年8月から始まる収穫作業に当たる労働者の多くをリベリアからの出稼ぎ労働者で賄(まかな)っている現状もあります。

もともと人の往来が激しい両国ですし、すでにコートジボワールの畑で収穫に当たる労働者の中にリベリア人の感染者がいて、感染が拡大している可能性もある。また、そのコートジボワールと東隣のガーナの間でもカカオ豆の密輸が横行していて、人の行き来は激しい。まだ感染者が出たという発表がなされていないのが不思議なくらい、リベリア、コートジボワール、ガーナの人的交流は盛んなのです」

10月23日時点でも、コートジボワールやガーナでの感染者は認められない。しかし、もし今後万が一、確認されたら……?

「両国から感染者が出たと発表されれば、カカオ豆価格は即座に急騰するでしょう。業界内では両国がエボラ出血熱の影響を受ければ2倍に跳ね上がるとの見立てもあります」

スーパーの棚からチョコが消える日が来ないことを切に願う。

(取材・文/興山英雄)

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング