国際試合から追放ピンチ…日本バスケ協会はバカなのか?

週プレNEWS / 2014年11月11日 6時0分

日本代表チームが国際大会から締め出される!? そんな前代未聞の事態が迫っている。その原因となった、あまりにも情けないバスケ界の“お家騒動”の深層に迫る!

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■問題先送りのツケを払うことに

なぜバスケ日本代表は、国際舞台から追放されなければいけないのか? スポーツライターのA氏が解説する。

「2008年から国際バスケットボール連盟(FIBA)が、日本国内にNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)とbjリーグという、ふたつのトップリーグが存在することを問題視しリーグ統合を求めていました。そして今年4月、『10月末までに進展がなければ、代表チームの国際試合禁止の措置を取る』と通達したんです。

なのに、日本バスケットボール協会は回答期限までに結論を出せなかった。おそらくそのツケを“制裁”という形で選手が払うことになるわけです。どんな事情があっても、選手の環境を整えるのが協会の最優先すべき役割。恥ずべき事態です」

では、厳罰を受けることがわかっていながら協会がリーグを統合できなかった“事情”とはなんなのか?

「今年2月、協会は『日本にひとつだけのプロリーグをつくり、16年にスタートさせる』と発表しています。そして協会、NBL、bjリーグそれぞれの代表者が、7月から週に一度のペースで会合を開いてきたのですが、あまりに問題が山積みだったんです」(A氏)

スポーツ紙などでは、NBLの中心をなす企業チームが、チーム名から企業名を外すのを嫌ったことが決裂の主な理由として報じられていたが……。

「それは一因にすぎません。むしろ、それよりも大きいのはチーム数の問題。bjリーグは来季新加入予定の2チームを加えると計24チームにもなります。今季13チームのNBLとリーグを統合し、約40チームでトップリーグをつくるのは現実的ではないですし、だからといって簡単にチーム数を減らすこともできない。そんな状況もあり、バスケ協会は落としどころを見つけられず、時間ばかり過ぎてしまったのです」(A氏)




さらに言えば、そもそもbjリーグ側は協会に対して大きな不信感を抱いているという。

「話は1990年代まで遡(さかのぼ)ります。当時、協会はオールアマの日本リーグ(当時)の完全プロ化をブチ上げました。それを受け、プロ化への準備を始めるチームが出てきたのですが、肝心の協会は口先だけで、積極的なアクションを起こさなかった。そんな協会に業を煮やした2チームが日本リーグを脱退し、05年にbjリーグを立ち上げたのです。その後、協会とbjリーグは00年代末まで絶縁状態にありました。

そうした経緯があるだけに、いまさら協会にリーグ統合を打診されても困惑するのは当然。すでにプロリーグとして9年間やってきた自負もある。選手の年俸は一般的にNBLのほうが上とされますが、平均観客動員数ではbjリーグが上回っています。また、これは極論かもしれませんが、日本代表選手がほぼいないbjリーグには、FIBAからの制裁が下っても協会に歩み寄るメリットもありません」(A氏)

協会がプロ化問題を先送りにしてきたばかりに、もはや誰かが大きな代償を払わずにリーグを統合することは不可能な状態になってしまったというわけだ。

ただ、ここで根本的な疑問がわく。なぜFIBAはふたつのリーグがあることをそこまで問題視し、選手を追い込む制裁処分まで科そうとしているのかということだ。アメリカにだってNBAを筆頭に無数のプロリーグが存在するのに……。バスケ専門誌の編集者B氏が語る。

「FIBAはリーグがふたつあることよりも、日本バスケ協会のガバナンス(統治力)の弱さ、そして、そこから派生する遅々として進まない代表の強化を最大の問題としているのです」

それは、どういうことか?

「FIBAは競技人口で世界最高レベルにあるバスケを、ビジネスの面においてサッカーと同じレベルに押し上げようとしています。例えば、世界選手権の大会名を『FIBAバスケットボールW杯』に変更し、予選方式も変える予定です。そして、国際大会を興行として成功させるために一番重要なのが、出場国の実力拮抗(きっこう)。FIBAからすれば、20年の五輪開催国である日本には、強い代表チームを持つ、観客を呼べる国になってもらわないと困るのです。

制裁はFIBAの傲慢(ごうまん)にも見えますが、代表チームが弱い日本にふたつもトップリーグがあるのはおかしいですし、彼らは新リーグが完全プロであるかどうかにもこだわっていません。日本代表強化のための大きなチャンスを与えてもらったと受け止めるべきでしょう」(B氏)■五輪予選から追放!?困惑する選手たち

今回の件について、選手たちはどう思っているのだろう。

NBLの企業チームに所属する若手選手はこう話す

「チームに『おまえらが企業名にこだわるからリーグ統合できない』といったクレームが相次いでいると聞きますが、自分たちにできることは必死にプレーすることだけなので……」

bjリーグでプレーする中堅選手も不安を隠せない。

「各チームとも地元に密着し、頑張ってブースター(ファン)を増やしているのに……。リーグ統合となったら、各チームがどうなるのか不安です」

そして、リーグ統合問題とは無関係の女子、WJBL(バスケットボール女子日本リーグ)でプレーする選手もこう語る。

「女子(の日本代表)は昨年のアジア選手権で優勝するなど、リオデジャネイロ五輪での3大会ぶり本大会出場も見えています。制裁が来年のアジア予選前に解除されるか不安ですし、東京五輪を目指す世代、その下の世代がほかの競技に流れてしまわないかも心配です」

協会、NBL、bjリーグ、FIBAの思惑は複雑に絡み合っている。だが、状況は待ったなし。問題先送りはもう許されない。どれだけ泥をかぶろうとも、協会がリーグ統合の結論を出すしか道は残されていない。

協会に今求められるのは、名作『SLAM DUNK』の主人公、桜木花道のような“ダンコたる決意”だ。

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