最近の政治家は不祥事や疑惑発覚での対応がお粗末すぎ? 人生の大ピンチを突破するには先人に学べ!

週プレNEWS / 2014年11月14日 6時0分

最近の政治家は、不祥事や疑惑が発覚した際の対応がお粗末すぎやしないだろうか? 記者会見で号泣した野々村竜太郎前兵庫県議に続いて、記者の直撃取材から逃れるために猛ダッシュで逃走した岩谷英雄兵庫県議まで現れたときには笑うしかなかった。

でも、昔はもっとユーモアや機転を利かせてピンチを切り抜け、逆にチャンスに変えてしまう豪快な人物が多かった。

そこで、過去の政界で見事な危機突破を成し遂げた豪傑たちの事例を振り返り、われわれ一般人にも起こり得る人生の大ピンチを乗り越えるすべを学ぶことにしよう。

ピンチをユーモアで突破した例で記憶に新しいのは、小泉純一郎元首相だ。

小泉氏は意外にも、国会議員だった父親の地盤を継いで初めての選挙に臨んだ際に落選している。そして次の選挙までの浪人中、支持者が経営する会社の社員として働いていたとしていた。しかし実際には勤務実態がなく、給料をもらった上に厚生年金にも加入しており、将来的にその年金を受給するとすれば、明らかに不正受給になるとの指摘を受けた。

それに対し小泉氏は国会で、「人生いろいろ。会社もいろいろ。社員もいろいろです」と自信たっぷりに言い放ち、追及をかわしたのだ。

これについて、松岡利勝(としかつ)元農林水産大臣秘書官の経歴を持つ政治アナリスト、池田和隆(かずたか)氏が懐かしそうに振り返る。

「あれはお見事でした。“人生いろいろ”というワードは今も多くの人が覚えていますが、一体なんの疑惑に対する発言だったのかを記憶している人はもはや少ないのでは? それこそが見事な危機突破であった証(あかし)です」政治絡みの疑惑で見事な危機突破を果たした人たちはまだまだいる。よく公の場で追及を受けた人が口にする“記憶にございません”という言葉があるが、最初に使ったのは小佐野(おさの)賢治氏という人物だ。

彼は“昭和の政商”とか“政界の黒幕”などと呼ばれ、影の大物として知られた人物。1976年、ロッキード事件について国会で証人喚問を受けた際、“記憶がございません”という言葉を連呼し、厳しい追及をけむに巻いた(正確には小佐野氏の発言は“記憶に”ではなく“記憶が”だった)。

「今でこそ使い古された言葉ですが、当時のインパクトはスゴかった。記憶がないんじゃ何を質問しても豆腐やコンニャクと格闘しているようなものですから(笑)。当時の証人喚問はNHKで全国中継されていて注目度が高く、かなりの高視聴率でした。文字どおりの衆人環視下で少しでも嘘をつけば偽証罪ですから、追及を受ける側のプレッシャーはハンパじゃありません。

例えば、リクルート事件の際に証人喚問を受けた海部(かいふ)八郎・日商岩井副社長は、宣誓書に署名をする際、重圧のあまり手が震えて自分の名前もなかなか書けませんでした。そんな場で“記憶がない”という言葉を平然と連呼して追及をかわした小佐野氏の胆力(たんりょく)には度肝を抜かれましたよ」(池田氏)

また、知名度は低いが池田氏の印象に強く残る危機突破を見せたのが、尾身幸次(おみこうじ)元財務相だ。

「私が仕えていた松岡さんを議員宿舎まで送ったときの目撃談です。ちょうど尾身さんも帰ってきて、新聞記者たちが待ち構えていたんです。そして彼らは東京佐川急便による不正献金疑惑について質問をぶつけた」

以下は、池田氏の証言による、新聞記者と尾身氏のやりとり。

記者「尾身さん! 東京佐川急便の渡辺(広康)社長をご存じですか?」




尾身「おう!! 知ってる知ってる! いい会社だってね」




記者「はぁ……(絶句)」




尾身「じゃあ、ご苦労さんっ!」

そのまま尾身氏は悠然と宿舎内に入っていき、記者たちは茫然と見送った。その後、汚職事件自体は大きな広がりを見せたが、尾身氏への追及はパタリとやんだという。普通は記者にいきなり囲まれると口ごもったり、咄嗟(とっさ)にゴマかしたりするものだ。仮にやましいことがなくても、疑惑の人物と付き合いがあるというだけで余計な疑いをかけられるので、ノーコメントを通す人が多い。政務調査費の不正使用疑惑で記者から質問を受け、テンパって猛ダッシュした兵庫県議とは、なんという器の差だろうか……。

さらに池田氏は、「橋下(徹大阪市長)さんも、不倫報道への対処に関しては合格点だったと思います」 と語る。橋下氏の元愛人が、スチュワーデスのコスプレ姿で抱かれたと週刊誌で暴露した件だ。

これに対し橋下氏は、「妻は記事を見ています。正直、大変な状況で。もう本当に……」と素直に落ち込んで見せた後、「もう娘に制服を着ろと言えなくなった」 と、ギリギリのユーモアで締めた。

これには批判的な意見もあったが、結果的に不倫報道がストップしたのだから危機突破は成功したといえるだろう。

(取材/菅沼 慶)

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