今ほど上司をあやつれる時代はない? 不安で淋しい上司の扱い方とは

週プレNEWS / 2014年11月20日 6時0分

サラリーマンの仕事を知り尽くした常見陽平氏が、上司をあやつる仕事術をアドバイス!

「え~? 上司をあやつるなんてムリっしょ!」というキミ。会社と仕事を知り尽くした人材活用のプロ、常見陽平(つねみ・ようへい)氏の言葉を聞いてほしい。長引く不況下で職場のムードも人間関係も激変した今、むしろ上司は部下にあやつられることを望んでいるのかも?

■上司たちはいつも不安のなかにいる!

―一体、どうすれば上司をあやつれるのでしょう?

「まずは、上司がどういう人たちなのか理解することですね。例えば、今の課長クラスに多いアラフォー世代。彼らは大学に入ったらちょうど就職氷河期になって、なんとか会社には入れたけど、上にはバブル期入社の先輩がつかえていた人たち。

景気はいずれ回復すると期待したけど、なかなか回復しなかった。会社を辞める勇気もなく、今後、会社に残れるかどうかわからない不安のなかで上司をしている状態なのです。

しかも、この世代は早くからサブカルチャーなどに親しみ、自分は今もまだ若い気でいる。でも実際には、20代とは話が通じない。もういいかげん自分たちがおじさんだと認めればいいのに無理して若ぶっている中途半端な人たちといえます」

―確かに、そんな人います!

「一方、部長クラスに多い50代のバブル世代は、意気揚々と会社に入ったら『もう不景気です』と言われてハシゴを外されちゃった人たちです。もう“いい時代”は来ないと知りつつ、リストラされずに定年まで逃げ切れるかどうか。やはり彼らも不安ななかで上司をしています」

―その点、20代、30代はずっと景気が悪いといわれ続けてきたから、それなりに覚悟ができている気が……。

「そこは強みですね。ただ、これはハッキリ言いますが、上司世代は皆、心の中で若いやつを見下していますよ」―な、なぜですか?

「今の若いやつは“ゆとり教育”を受けた世代だろ?という曖昧(あいまい)な理由で見下しているんですよ。上司世代は人口も多く、大学受験も今より厳しかったという思いがある。『キミたちはAO入試やら自己推薦入試やらがあっていいよね~』『なんでもネットで調べられてラクだね~』とか……。

あるいは、『オレたちはAVを借りるためにレンタルビデオ店で恥ずかしい思いをしたのに、今はネットで簡単だからダメなんだ』みたいな(笑)」

■上司のキャラをじっくり観察する

―では、上司は不安を感じつつ、部下を見下していると!

「そう、彼らは混乱しているのです! 最近は、ちょっと部下に厳しくするとパワハラとかセクハラだとかいわれる。部下に嫌われると自分の評価も下がるから困る。さらに、自分は社会の変化についていけないのに、若い人は新しいものをすぐ覚えて追い抜いていくとビクビクしている。そんな不安定な精神状態の人たちを、手のひらで転がすのは簡単です!」

―なるほど! 具体的にはどうすればいいんですか?

「まずは、あなたの上司を観察して、その人のキャラを理解することですね。最初は無愛想なキャラだと思っていたのに、よく見ると実は人間味のあるやつだったとか。じっくり観察すると、上司のキャラが見えてくる。とにかく時間に厳しい人とか、時間にはルーズだけど内容の正確さにうるさい人とか……。その人のキャラ、つまり、その人の望んでいることがわかると後々、扱いやすい」

―取るべき行動としては?

「まず大事なのが“ホウレンソウ”。普段から、ポジティブなニュースもネガティブなニュースもマメに報告、連絡をしてあげましょう。そして、部下の側から仕事上の相談を持ちかける。さらに仕事には率先して取り組む姿勢を見せる。そうすれば、あなたへの評価は高まり、上司はあなたの話をしっかり聞くようになるでしょう。あと大切なのは“かわいさ力”かな?」

―カワイサリョク?

「上司から『○○という本が役に立つぞ』と言われたら、とりあえず読んで、『さっそく○○を読みました。ありがとうございました』と感想のひとつくらい報告する。すると上司は、『こいつ、かわいいやつだな』と思うようになるのです」




■自分の仕事まで上司にしてもらう

―でも、上司に気に入られて、仕事がどんどん振られてくるのは回避したいのですが……。

「回避はできます。それこそ上司に『仕事の棚卸しをさせてください』と言って相談すればいい。つまり、仕事の優先順位を上司に決めてもらうのです。

上司は部下の状況をすべて把握しているわけではありません。なんとなく雰囲気で仕事を振っている場合もある。ですから、相談したら『おまえ、こんなに抱えていたのか! 来週は有給を取れ!』ということになるかもしれません(笑)」

―きた仕事をシェアすることもできるんですね!?

「できますよ。こんな例もある。私が前いた会社には、頼まれた案件に関して『仕事がわからない~!』と大騒ぎして、課長や部長にそのコを助けるための会議まで開かせて、みんなが手伝った結果、大口契約を取ってしまった若手社員がいました。

若い人に言いたい。仕事では遠慮せず、先輩や上司にどんどん相談しましょう。仕事は受験勉強とは違います。周りを上手に使ってやればいいのです」

―上司のことも、マジメに考えすぎるなと!?

「そう。もっと会社を面白がったほうがいいですね。管理職には派閥などのしがらみがあるし、この先、左遷やリストラも怖い。でもヒラ社員は失うものがない。だから、会社をニュートラルな立場で観察できる。

例えば、隣の課から自分の課を眺めてみると、どう見えるか? 会社には、定年が近いA課長の花道を飾るための課もあれば、敏腕のB課長が若手を育成するための課もある。会社は“日々何が起こるかわからない動物園”なのです。それを面白がって観察すれば、おのずと上司をうまくコントロールするツボが理解できるでしょう」

―上司に飲みに誘われたら行くべきでしょうか?

「行ってあげてください。どうせ上司のおごりだし。最近は“アルハラ”などという言葉もできて、部下を飲みに誘えない上司も増えている。そんな時代だからこそ、誘われたら喜んで行く。

飲みながら、若き日の上司がパンクバンドをやっていた話や、バブル時代の思い出を聞いてあげるといい。そうすれば、毎日が不安な上司は、あなたのことを自分の理解者だと感じ、心を許すでしょう。心を開いた上司は、社内の裏情報を教えてくれるかもしれません」

―上司の不安や寂しさを逆手に取るわけですね。

「とにかく、あなたの存在感を大きくし、あなたに反目されたら困ると感じさせましょう。そうなれば、今度は部下のあなたこそが、職場の“陰の支配者”になれるのです!」

(取材・文/桑原一久 山岡則夫[サラリーマン研究所] 撮影/五十嵐和博)

●常見陽平(つねみ・ようへい)




1974年生まれ、北海道出身。一橋大学卒業。リクルート、玩具メーカー勤務などを経て独立。評論家、大学講師、人材コンサルタントとして活躍する。近著に『リクルートという幻想』(中公新書ラクレ)

■週刊プレイボーイ48号「11ページ大特集 上司をあやつる仕事術」より(本誌では、仕事場から出張までの対処法、上司用語の解説まで紹介!)

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