鈴木宗男vs佐藤優 東京大地塾レポート「今回の選挙のポイントは維新、橋下さんは政権側と両天秤にかけた」

週プレNEWS / 2014年12月9日 6時0分

鈴木宗男氏(左)と佐藤優氏が今週末に迫った衆議院選挙に鋭く迫る!

鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」。

今回のテーマは、今週末に迫った衆議院選挙の分析に始まり、安倍政権で急速に進む教育格差の本当に怖いところ、そして参議院の一票の格差を解消する方法についてまで話が広がった!

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鈴木 前回の大地塾(10月23日)のときは、まさか12月に総選挙になるとは思いもしなかったですね。しかし、こんな時期に大義もなく解散するような「暴走する政治」は誰かが止めなければいけません。ブレーキ役が必要です。

佐藤 11月の沖縄県知事選で自民党はボロ負けしました。今、東京と沖縄、あるいは東京と北海道など、中央と地方は利害関係が全然違ってきています。

そのため、今回の衆院選では、4人いた沖縄選出の自民党議員も生き残れるかわからない。東京の自民党本部による使い捨てですよ。一方、民主党は沖縄県知事選で候補者を立てられないどころか、誰を支持するかも決められなかった。公明党も、沖縄県本部の独自判断を認めました。このように、自民党、民主党は地方の利益を代表できなくなっているんです。

これからは、各地域ごとに中央とは別の論理や考え方で動くブロック制が日本の政治の中で出てくると思います。北海道全体にとっていいことであれば、東京と意見が違っても断固主張していく。こういう「地域エゴ」がすごく大事になってきます。

今回、新党大地は、北海道民、そして日本全体のために何がいいのかと考え、民主党と組んで安倍政権の暴走を止めようとしている。この大局的な判断は、これから生きてくると思います。

と同時に、今回の選挙で重要なポイントは、私は維新だと見ているんです。




鈴木 橋下さんの動きですね。

佐藤 そうです。橋下さんが出なくなったことで、自公の間で公明党の力が相対的に強くなった。その証拠に、11月27日付の朝日新聞で、安倍さんは集団的自衛権について、「解釈変更については、憲法改正をしなければ、これ以上できない」と言ってます。つまり、自衛隊が海外に出るハードルは非常に高くなったわけです。集団的自衛権をあれだけ声高に言っていたのに、なぜそうなったのか?

私の考えはこうです。

安倍さんの当初の選挙予測は、橋下さんが立候補すると、公明党と維新が大阪で全面的にぶつかる。もし維新が勝てば公明党は議席を減らすけど、今回の選挙に関しては維新の勢いは落ちている。また、投票率が低くなれば組織票のある公明党の議席数はほとんど変わらない。

一方、自民党は議席を減らすから、自公の間で相対的に公明党の比率が高まる。そうなると安倍さんは勇ましいことがますますできなくなるので、場合によっては、維新や次世代の党と組み直して、憲法改正や集団的自衛権を進めることも視野に入れた……。

ところが、本当にそんなことをしたら、その次の選挙で公明党の選挙協力が得られなくなる。するとどうなるか?

今の自民党や民主党の1、2年生議員は後援会をつくらないし、つくれない。だから選挙のときは自民党は創価学会、民主党は連合に頼ってきた。人頼みの選挙をやっているので、自民党の若手議員は公明党の選挙協力がないと当選できないんです。そうすると自民党がぶっ壊れて終わりになっちゃう。

つまり、橋下さんに立たれたらいろいろと面倒だということで、私は今回、自民党側は橋下さんに出ないでくれって相当働きかけたと思うんですよ。で、橋下さんは政権側と政界再編を両天秤(てんびん)にかけて、政権側についたんだと私は考えています。

でも、今の選挙制度だと、自民が弱くなった分は、ほぼ全選挙区に候補者を立てている民主に流れる構造になっている。第3極はできない。ただ、選挙後にどんなふうになるかは、不確定要素が大きくて読めません。




鈴木 さっき1、2年生議員の話が出ましたが、最近は歳費を貯金に回してる人が増えているというんですね。

佐藤 議員食堂で食事をしている国会議員も増えましたし、一般人や新聞記者とかと付き合わないで、議員同士でカラオケボックスで歌ってる人もいる。これでは国民の声は聞こえません。

普通の居酒屋で歳費で飲み食いし、国民が何を考えているのかをよく聞いて、今度は官僚を呼びつけて専門の知識を聞く。そういう議員の仕事のやり方を誰かが教えないと、いつまでたっても仕事ができない。

鈴木 今、「俺はこれをやるんだ!」という大きな目標を持った議員がいないですね。政治家は地元のために、佐藤さんの言った地域エゴと言われてもいいから、アピールすべきです。私はそれをやりすぎて利益誘導だと言われましたが(苦笑)。

しかし、私は今でも、それは正しいと思っています。自分の選挙区や地域を愛せない政治家が、どうして家族を、国を愛せますか? 地域のためになる利益誘導はあってしかるべきだと思います。

佐藤 おっしゃるとおりで、地元への利益誘導は正しいんです。問題は腐敗すること。自分の選挙区への利益誘導はやってはいけないという今の風潮は完全に間違ってるんですよ。

*この続きは、発売中の週刊プレイボーイ51号でお読みいただけます!

(取材・文/小峯隆生 撮影/村上庄吾)

●鈴木宗男(すずき・むねお)




1948年生まれ、北海道出身。新党大地代表。2002年に国策捜査で逮捕・起訴、2010年に収監される。現在は2017年4月公民権停止満了後の立候補、議員復活に向け、全国行脚中!

●佐藤優(さとう・まさる)




1960年生まれ、埼玉県出身。外務省時代に鈴木宗男氏と知り合い、鈴木氏同様、国策捜査で逮捕・起訴される。外務省退職後は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家・評論家として活躍

■「東京大地塾」とは?




毎月1回、衆議院第二議員会館の会議室を使って行なわれる、新党大地主催の国政・国際情勢などの分析を行なう講演会。鈴木・佐藤両氏の鋭い解説が無料で聞けるとあって、毎回100人ほどの人が集まる大盛況ぶりを見せる。次回の開催は12月18日(木)

■週刊プレイボーイ51号「鈴木宗男×佐藤優【東京大地塾レポート第2回】『今度の選挙で安倍政権の暴走を止めないと日本は明治時代に逆戻りする!』」より

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