八百長疑惑で窮地のアギーレ…だが、買収なんて欧州サッカーでは日常茶飯事?

週プレNEWS / 2014年12月10日 6時0分

スペイン時代に率いたクラブの八百長騒動で渦中のアギーレ監督。でも、現地ではあまり話題になっていない

2011年、スペインリーグ・サラゴサ監督時代の“八百長疑惑”の渦中にある、サッカー日本代表のアギーレ監督。

真相はやぶの中だが、スペインではこのニュース、どう受け止められているのだろう。現地在住のジャーナリスト、山本孔一氏はこう語る。

「これまでも八百長がメディアを騒がすことはありましたが、スペインでサッカーの八百長が法の場に持ち込まれるとしたら初めてのこと。とはいえ、世間の関心は薄いです。人気クラブのレアル・マドリードならともかく、サラゴサのような地方クラブだと『何をいまさら』という感じですから(笑)」

八百長騒動なんて珍しくもなんともないってわけだ。

実際、ここ数年、欧州サッカー界では八百長の発覚が引きも切らない。例えば09年11月、ドイツ捜査当局がこの年、欧州で行なわれた約200試合(チャンピオンズリーグを含む)で八百長疑惑があったと発表し複数の関係者を逮捕。また、13年11月にはイギリス国家犯罪対策庁が、イングランドで八百長に関与した疑いがあるとして選手3人を含む6人を逮捕している。

なかでも話題に事欠かないのがイタリアだ。06年、名門ユベントスが審判を買収、脅迫して有利な判定を行なわせたという一大スキャンダルが発覚。その後、ユベントスは2部降格、同様に不正を働いていたACミランなども勝ち点剥奪という重い処分を受けた。

だが、その後も八百長が減ることはなく、昨年1年間だけで八百長疑惑が取り沙汰されたのは「4月のパレルモ対インテル戦など少なく見積もって53試合」(イタリア現地紙記者)に及ぶという。年末には当局の一斉摘発が行なわれ、関係者4人が逮捕されている。そんな“先進国”イタリアの八百長事情を整理してみた。

●いわゆる八百長試合には大きく3つの種類がある。①試合の流れの中で、このままのスコアで終わってもいいと選手たちが判断した場合、勝手に無気力試合に突入する。②審判が買収される。③選手が買収される。

●八百長にはチーム自体が画策するものと、賭博目的でマフィアなどが仕掛けるものがある。

●セリエAは監視が厳しく、下部リーグに多い。特に、勝敗が重要な試合では選手のケータイの通信記録をチェックするなど厳戒態勢が取られている。

●リーグのカテゴリーによって放映権料などがまるで違うので、チーム主体の八百長は降格争い、昇格争いで発生することが多い(ちなみに、アギーレのサラゴサのケースもこれ)。

●お金を受け取っていなくても、八百長の事実を知りながら通報しないと罪になる(12年に現イタリア代表のコンテ監督が処分されたのはこの罪による)。

●選手が買収されるときは、同時に5人くらいが買収される。それ以上だと金額がかさむし露見する可能性も増す。なお5人のうち、GKとDFひとりは必ず買収対象に入る。

といった具合で、実に奥深く、身近なことがよくわかる(笑)。

最近ではネットを介したサッカー賭博が世界中で行なわれるようになっていて、国外の犯罪組織が参入する傾向もあるとか。前出の山本氏によれば、今回のアギーレの件も「そんな動きを警戒し、八百長を糾弾したいスペイン当局による見せしめ的要素もあると思います」とのこと。

八百長騒動もまた、世界の最先端を行く欧州サッカーの持つ一面なのだ。

(撮影/ヤナガワゴーッ!)

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