セルジオ越後の一蹴両断!第384回「歴史は繰り返す! ブラジルW杯惨敗の記憶を忘れてはいけない!」

週プレNEWS / 2014年12月25日 11時0分

例年よりも早くシーズンが終わり、少し寂しい年末年始を迎えているけど、あらためてこの1年を振り返ると、いろいろな出来事があった。なかでも印象深いのは、やっぱりブラジルW杯だ。

僕は40年以上前に日本に来たわけだけど、ブラジルと日本をこんなに何度も往復したのは初めて。どのルートでも片道30時間程度はかかるし、ブラジルに着いてからも国土が広いから移動が大変。飛行機の遅延は当たり前だし、バス移動も長時間になる。

おまけに、試合会場によって気候が全然違う。選手はもとより、メディア、サポーターにとっても大変な環境のW杯だった。2018年のW杯開催国であるロシアも国土が広いから同じようなことになるかもしれない。

肝心のザックジャパンは、1勝もできずにグループリーグ敗退。半年たった今でも悔しいね。

大会開幕前、複数の選手が「優勝を目指す」と発言し、メディアも「史上最強」と煽(あお)り、ファンもその気になった。アジア予選の結果や内容を冷静に分析すれば、目標設定としては前回の南アフリカW杯以上、ベスト8進出が妥当だったと思うけど、すべての人が楽観的になりすぎてしまった。

僕自身は、初戦のコートジボワール戦にコンディションのピークを合わせられればチャンスは十分あると思っていた。日本は試合中のペース配分が上手(じょうず)ではないので、そのマイナスを綿密なコンディション調整、暑熱対策でどこまで補えるか。勝利の前提条件ともいえるほど重要なポイントだった。

ところが、フタを開けてみれば、コートジボワール戦では先に日本の運動量が落ちた。そして、同じような形で失点して1-2で逆転負け。続くギリシャ戦も相手が早々と退場者を出したものの勝ち切れず(0-0)、3戦目のコロンビア戦は1-4で大敗。




確かに、前述した移動時間の長さや気候の違いなど難しい面もあっただろう。でも、日本は3試合とも途中から足が止まっていた。コンディション調整の失敗は明白だよ。また、故障明けで万全ではない選手が何人もいたのも苦しかった。

僕は3試合とも現地で観戦したけど、最後のコロンビア戦は本当につらい時間だった。何しろスタメンを8人も入れ替えるなど、ナメてかかってきた相手に好き放題にやられてしまったのだからね。日本のW杯本大会における歴史の中で一番の大敗。ブラジルまで駆けつけてくれた多くのサポーターが肩を落とす姿を見て申し訳なく思った。

細かく敗因を挙げればきりがない。ただ、みんなが思っているほど日本のサッカーは進歩していなかった。それに尽きるだろう。

そういう意味では、ブラジルでの惨敗に選手や監督の責任はない。なぜザッケローニを監督に選んだのか、なぜ彼に4年間続けさせたのか。悪いのは、なんの策も講じなかった日本サッカー協会と、実力がないのに実力があるように持ち上げたメディアだ。

それでも、大会後にきちんとした敗因の分析や反省が行なわれれば救いがあったのだけど…結局、責任はうやむやなまま、次の監督が決まりリスタートということになった。

年明けにはアジア杯が開幕する。「歴史は繰り返す」とならないように、メディアもファンもその戦いぶりをしっかり見守らなければいけないね。

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