【受験生注目】私たちはなぜ通信教育ゼミを放置してしまったのか?大人たちによる懺悔の声

しらべぇ / 2015年1月7日 9時0分

大学入試センター試験が今月17日(土)、18日(日)に迫ってきました。いまごろ最後の追い込みをかけている受験生も少なくないでしょう。これ以降、3月まで中学入試や高校入試などの入学試験が続きます。

数ある受験対策として参考書を読んだり塾に通う以外に通信教育を利用する人も少なくありませんよね。通信教育の歴史は意外にも古く、1960年代にはすでに現在のようなシステムが受験産業において確立されていたといいます。

やらずにためる通信教育

通信教育を受けた経験のある方のなかには、当時を思い出して罪悪感に駆られた人もいるのではないでしょうか。

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最初の数ヶ月は毎月送られてくる教材に目を通して取り組んでいたものの、次第に最初の数ページしか取り組まないようになり、最終的には袋すら開けずに放置する日々…。そんな受験生時代を今からでも全力で親に謝罪したいという大人も少なくないのです。

20代の21.3%が「母さん、あのときごめんなさい!」

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以下のアンケート結果をご覧ください。

【質問】
通信教育の課題をやらずに溜めまくっていたことを、今からでもいいから親に全力で謝罪したいと思っている人の割合

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・20代:21.3%
・30代:17.7%
・40代:18.3%

土下座してでも「母さん、あのときごめんなさい!」と謝りたい人は20代で21.3%。若い人ほどその割合が高いのはいまだに当時の怠慢な自分を思い出しやすいからでしょうか。

子どもたちはなぜ通信教育を放置するのか?

いったい、通信教育はどうして放置されてしまうのでしょうか?また、放置されているにもかかわらず親たちはなぜ早期に止める道を選ばないのでしょうか。

回答者から寄せられた当時のエピソードから、通信教育がいかなる経緯で放置されてしまうのか、そのフローチャートを作成してみました。

1:郵便ポストに入ったダイレクトメールという僥倖!

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「自分に手紙が届くことなどなかったのでうれしかった」(26才・男性)
「宣伝用のマンガが届くのが楽しみで仕方なかった」(30才・女性)
「絵柄がけっこうかわいいから好きだった」(31才・女性)

たしかに、子どもにとって自分宛てに手紙が届くことなど稀です。そのため、通信教育宣伝のダイレクトメールは子どもたちにとって魅力的に感じやすく、封を開けて必ず目を通すものになりがちでした。これだけで「つかみはOK」なことがわかりますよね。

2:「みんなやってるし…」と多数派説得にまわる小さな営業マンたち

「友だちがやっていたので自分もやりたかった。成績もあげたかった」(33才・男性)
「付録の話をしているのを聞いてほしくなった」(29才・女性)
「友達の家に遊びに行ったときに教材をみつけて親に説得した」(23才・女性)

宣伝用のマンガを読んで魅力を感じたあとは、いよいよ親に説得を試みる子どもたち。回答者からのコメントにあるように「みんなやってるから」「自分も成績をあげたいから」などの理由をつけ、あの手この手で親になんとか契約を迫るのです。

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こうした通信教育のビジネスモデルの特筆すべき点として、営業マンの役割を自社の社員による訪問営業ではなく、もっとも親との距離が近い子供に担わせるという点がしばしば指摘されます。

営業の本質が信頼を勝ち取り、相手の懐に入り込むことだとすれば、親にとって子どもは最高の営業マンと言えます。こうして子どもたちは通信教育をスタートさせるのです。

3:自分宛てに届く郵便物の高揚感はしだいに逓減し…

「最初の一ヶ月間だけやって3年間放置」(32才・男性)
「まとめてやるから大丈夫、と思って結局やらなかった、申し訳ない」(26才・女性)
「塾に通いはじめたのでそっちで手一杯だった」(28才・女性)
「ワクワクがなくなった」(29才・男性)

あれだけ「取りたい」と思っていた通信教育ゼミ。しかしながら、いざ手に入れるとそのありがたみがなくなるのか、放置し始める人が続出。

自分宛てに郵便物が届いたときの高揚感がなくなっていくのは経済学で言うところの「限界効用逓減の法則」が働いているからなのかもしれません。本来、成績を上げるために始めたはずの通信教育ですが、ある種、自分宛ての「プレゼント」と捉えて受け取ってしまうメンタリティにそもそも問題があったのかもしれません。

4:「お母さん、勝手に部屋に入らないで!」家庭内特定機密保護法が放置を招く!

「親にバレなかったので3年間放置だった。マジで思い出したくない」(31才・男性)
「親が部屋に入らないのでバレなかった」(27才・女性)
「うしろめたかったので机のなかに隠して放置していた」(28才・女性)

回答者から寄せられたコメントを元にすると、全国各地の子育て世代家庭で以下のようなやりとりが頻発していたようです。

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【ある親子の会話例】

「通信教育ゼミ、真剣にやってるの?」(お母さん、台所から)
「…やってる」(テレビ画面見ながら)
「赤いペンを書いて添削してくれる先生からの手紙来ないじゃない」
「それはまとめて今度やるの」
「ほんとに?部屋に袋から開けてないままの教材が何冊かあったじゃない?」
「ちょっと待って!お母さん、勝手に私の部屋のなか入ったの?」
「ち、違くて…。掃除のときたまたま見たのよ」
「勝手に部屋に入んないでってあれほど言ったじゃん!嘘つき!」
(バタン、と扉を閉めて娘は部屋に引きこもる)

完全に争点がズレてしまいました。こうして子どもたちは自分が通信教育を放置していることを秘密にし続けることができたのです。

情報にアクセスするための回路を断つことで「何を秘密にしているかは秘密」という状態にすることは、通信教育放置の早期発見を遅らせます。こうした「家庭内特定機密保護法」が全国各地で適用されていたのです。

過ちを繰り返さぬために

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彼らが通信教育を放置してから数年の時が流れました。その後、第一志望に受かった人も、そうでない人も、あのとき両親がかけていたコストを思うと土下座して謝罪せずにはいられないのでしょう。

そのお金はお父さんにとってゴルフの練習代だったのかもしれない。あるいはお母さんが買いたかったバーゲン品代だったのかもしれないのです。しかし、すべては戻って来ない出費です。

こうした悲劇を繰り返さぬために、今後親世代の方は我が子が通信教育にしっかり取り組んでいるのかチェックできる体制を事前に整えてから契約するべきなのかもしれません。

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo https://qzoo.jp/public/landing/sirabee/ 」

調査期間:2014年12月12日(金)~2014年12月15日(月)
対象:全国20代~40代 男女計900名

(文/しらべぇ編集部・石川海老蔵 http://sirabee.com/author/ebizo_ishikawa/ )

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